デジカメ Watch
最新ニュース
【 2016/01/26 】
【 2016/01/25 】
【 2016/01/22 】
【 2016/01/21 】
【 2016/01/20 】

三洋電機、2006年度は500億円の赤字に

~携帯電話とデジカメが不調、再建計画を見直し

井植敏雅社長
 三洋電機は24日、2006年度中間期の連結業績を発表した。売上高は1兆955億3,900万円(前年同期比7.1%減)、営業利益158億4,100万円、継続事業税引前利益70億3,100万円。上期は黒字化したものの、携帯電話とデジタルカメラの不振により、通期の業績予想を7月27日の公表内容から下方修正した。3期連続の赤字になる見込み。

 通期の修正内容は次の通り。売上高を2兆4,000万円から2兆2,000万円に、税引前利益を400億円からマイナス250億円に、純利益を200億円からマイナス500億円に修正した。

 計画を大きく下回るのは、携帯電話とデジタルカメラの両事業。デジタルカメラは期初の見通しである売上高620億9,000万円から、605億6,300万円に減額した。一方、携帯電話の売上高は、見通し1,980億4,000万円に対し、実績1,650億9,200万円。また、両事業を含むコンシューマ部門を見ると、売上高5,360億円の見通しが、5,017億7,800万円に減少している。同部門の営業利益は、期初見通しのマイナス10億円から、マイナス39億円へと赤字幅が増加した。

 井植社長は都内で開いた説明会で、一部で報道された携帯電話事業の分社、または売却を否定した。デジタルカメラ事業と合わせ、従来通りコア事業として注力するという。回復策として、携帯電話事業の海外生産比率を拡大を挙げた。またデジタルカメラ事業では、OEM先との協業強化に加え、ハイビジョン対応ムービー「Xacti(ザクティ)」シリーズをはじめとした高付加価値商品への転換を図るという。ただしこれらについて、「推進中の中期経営計画を大きく曲げるものではない」と強調した。

 これに伴い、携帯電話とデジタルカメラの両事業において、新たに約50億円の構造改革費用を計上する。白物家電、半導体、テレビの各事業とあわせ、約400億円の構造改革費用を追加。さらに、約2,200名の人員削減を行ない、これについても約210億円の費用を見込んでいる。来期以降、人員削減による効果を約170億円/年としている。

 計画の未達については、「エアコンが足を引っ張ったせいもあるが、ほとんどの要因は携帯電話。MNPへの過度の期待が裏目に出て、マーケットへの対応が遅れた。構造的な問題と見ている」と、総括した。また、デジタルカメラについては、「海外での売上として、前期113億3,000万円、今期も同程度を予想している。しかし単価が下落し、特に台湾勢を含むローエンドで競争が激化した。収益が若干落ちているのはこのため」と説明。携帯電話とデジタルカメラをあわせ、期初予想から200億円強下回ったという。

 赤字は来期(2008年3月期)に解消する見込み。井植社長は「この下期で電池、ソーラー、コマーシャル、部品など、コア事業を中心に利益を改善。厳しい数字だが、ソーラーは作ると売れる状況で、追い風はある。決して無理な見方ではない」と強調した。

 中間期における各部門の営業利益は次の通り。コンシューマ部門が39億1,400万円、コマーシャル部門が71億9,300万円、コンポーネント部門が287億9,300万円、その他部門が14億200万円。



URL
  三洋電機
  http://www.sanyo.co.jp/
  決算報告書(PDF)
  http://sanyo.web-ir.jp/data/current/summarysubobj-146-pdf.pdf


( 本誌:折本 幸治 )
2006/11/24 19:26
デジカメ Watch ホームページ
・記事の情報は執筆時または掲載時のものであり、現状では異なる可能性があります。
・記事の内容につき、個別にご回答することはいたしかねます。
・記事、写真、図表などの著作権は著作者に帰属します。無断転用・転載は著作権法違反となります。必要な場合はこのページ自身にリンクをお張りください。業務関係でご利用の場合は別途お問い合わせください。

Copyright (c) 2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.