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ケルンメッセ副社長オリバー・クアト氏
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ケルンメッセは7日、写真イベント「Photokina 2006」に関するマスコミ報告会を都内で開催した。来日したケルンメッセ副社長のオリバー・クアト氏が、イベントの実績を語った。
Photokina(フォトキナ)は、写真関連のトレードショウとしては、世界最大規模を誇るイベント。独ケルンのケルンメッセ会場において2年に1回のペースで行なわれ、今回のPhotokina 2006は9月26日~10月1日にかけて開催。46カ国から1,579社が出展し、会期中に16万2,492人の来場者を迎えた。なお、前回のPhotokina 2004は、主点社が46カ国1,552社、来場者が16万317人。過去最大規模となった。
クアト氏が強調したのが、ドイツ以外の外国からの出展の増加。出展者の外国企業比率は前回の63%から65%に増えている。新たに加わったのは、バングラディシュ、フィリピン、シリアなどからの参加で、さらにApple、CeWe Colorといった有力企業の初出展もあった。
結果として、アグファ、コニカミノルタ、京セラといった大企業が撤退した反面、出展社数の水準は2004年並みを維持。また、主要ブランドは従来通りの大規模展示を実施し、特にキヤノン、コダック、パナソニック、富士フイルムなどは最大規模の展示を行なった。これらをもってクアト氏は「ワールドイメージング・プラットフォームとしてのPhotkinaの地位は高まっている」とした。
来場者の職業にも変化が見られ、ビジネス目的で訪れた来場者のうち、プロユーザーが71%、代理店が29%。71%のうち40%が外国からの来場者だった。また、プロユーザーの50%が写真関連の専門店で、15%を電気専門店が占めたという。
報道関係者も前回の6,023人を上回る6,117人が来場した。そのうち外国人は1,758人となっている。
また、クアト氏はホール1で実施した「ビジュアル・ギャラリー」の模様や、特別展示について報告。13万人が訪れたという。クアト氏は「(市場環境などの変化により)写真は個人生活において重要な意味を持つものになった。感情そのものといえる。Photokinaはそうした感情を体験できる場。印象的な形でそれを証明できた」と語った。
次回の開催は2008年9月23日~28日。コンセプトについてクアト氏は、「来年には話せると思う」とした。今回の来日も主な出展社を周り、次回に向けたコメントや分析を得るためだという。
質疑応答では、「2年に1回の開催は時代に即したものといえるのか」という質問が飛んだ。クアト氏は「産業構造が変化し、開発サイクルが短くなっている今、それについてはしばしば議論している。伝統的にやっているので今回もそうだったが、検討は重ねている。ただし、コスト面からも『妥当なのでは』という声が、産業界で過半数を占めていると判断している」とコメントした。
あわせて、開催時期についても話題がおよんだ。「現状の開発サイクルでは、理想的な開催時期は存在しないのでは。今回も会期前、会期中、会期後に新製品が発表されている。以前のように会期に合わせて発表というのは、難しいのでは」との見解を示した。
また、「出展社によっては、イベント内容に不満の声が聞かれる」との意見には、「来日して2日間出展社をまわったところ、満足度が高い、いい結果が出た、次回も参加する、との方向性を得た。ロジティクス、案内表示の問題など、まだ改善の余地はあるものの、コンセプト自体は好評を得ている」とコメント。さらに、「イベントはどうしても前回と比較されるもの。2004年はデジタルの台頭に大きな関心が寄せられた時期。(現在のような)飽和状態ではなく、ダイナミズムが感じられた。今回はそうした状況を反映したのかもしれない。しかし、データからは2004年を上回る内容だったと考えている」と語った。
■ URL
Photokina 2006
http://www.koelnmesse.jp/photokina/
Photokina 2006 関連記事リンク集
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/other/2006/09/28/4712.html
( 本誌:折本 幸治 )
2006/11/08 00:43
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