■ デジタルでも露出計は必要
「デジタルカメラ対応」をアピールした露出計「デジタルマスター L758」シリーズを発売したばかりのセコニック。Photokinaでも、露出計の必要性や使いこなしについてアピールするブース造りを行なっていた。デジタルマスターL758シリーズについて、セコニックの機器事業部 第二営業部 第二営業グループの黒井靖子さんにお話を伺った。
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L758Dを手にするセコニックの黒井靖子さん
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露出プロファイルを転送できるL-758Dとワイヤレス発光機能付きのL-758DR
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-- 「デジタル対応」のコンセプトについて教えてください。
「デジタルカメラは、カメラの種類や撮影モードにより、異なったダイナミックレンジを持っています。フィルムカメラでは、違うブランドのカメラを使っても、同じフィルムを使えばラチチュード(ダイナミックレンジ)は同じですが、デジタルカメラは、デジタルカメラが持つCCDやCMOSそのものがフィルムと同じ役割を果たすので、カメラごとにダイナミックレンジの幅が異なります。そこで露出計にあらかじめカメラ特有のダイナミックレンジの幅を記録した露出プロファイルを転送することで、複数のカメラの再現性をコントロールできる、というのがL-758シリーズの考え方です」。
-- 露出計にダイナミックレンジを記録させるのは、どのような方法でやるのでしょうか?
「3つのステップで行ないます。まず、セコニックで販売しているグレーチャートを、デジタルカメラで撮影します。次にPhotoshopでテストチャートの各点のレベルを確認し、データ転送ソフトに移動します。そしてPCとL-758シリーズをUSB接続し、データを転送します。露出プロファイルは3種類記憶させることができます。これは異なるカメラ3種類でもいいですし、JPEGやRAWなどで異なるモードでの露出プロファイルを記憶させてもいいと思います」。
-- L-758シリーズのモデルには、どのような種類がありますか?
「ベーシックな「L-758D」の他に、映画撮影用の「L-758CINE」、そして世界で初めてストロボをワイヤレス発光できる「L-758DR」があります。デジタルでも露出計が必要、ということをこれからも見せていきたいと思います」。
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L758シリーズは全部で3種類。L-758DとL-758DR、そして映画用のL-758CINE
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カタログでチャートのグレー点とレベルの関係を説明している
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ブースにPCを設置し、データ転送ソフトを公開
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露出プロファイルを露出計に記憶させることのメリットと、露出計の重要性をアピールするパネル
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■ SCAシステムやUSBアップデートなど先進性をアピールするMetzストロボ
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Metzの技術担当のガード・ワーナー氏
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ヨーロッパでは、サードパーティーのストロボメーカーとして有名なMetz。ユニークなSCAアダプターシステムなど、純正にない機構が魅力である。日本へは以前、マミヤが輸入していたが、現在は日本の輸入元はない。今回のPhotokinaでは、大変ユニークなUSBアップデートシステムを搭載したストロボを発表している。Metz製品について、技術担当のガード・ワーナー氏にお話を伺った。
-- 新製品「58AF-1 digital」の特長を教えてください。
「初めてUSBでプログラムの転送が可能になったというのが最も大きな特長です。新しいカメラや調光方式が発表された場合、アップデートが難しく、メーカーによってはストロボの買い換えをするしかない場合もありました。58AF-1 digitalは、PCにダウンロードしたプログラムをUSBで転送することにより、簡単にアップデートできます」。
「もうひとつの特長が、バウンスしたときに役立つ小型のセカンドストロボがついていることです。メインのストロボをバウンスしたときに、小型ストロボでキャッチライトを入れることができます。ツイン発光ができるストロボは以前からありましたが、使うTTLモードによっては作動しませんでした。例えば、以前から売っている54MZ-4i digitalの場合、ニコンのiTTLでは、ツイン発光できず、単なるTTLモードで対応するしかありませんでした。58AF-1 digitalはiTTLでもツイン発光が可能です。ITTLやE-TTLに完全連動し、純正のストロボと一緒に使うことも可能です。グループによるスレーブ発光機能にも連動します」。
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SCAシステムをアピールするMetzのウインドウ
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Metzの新製品、58AF-1 digital。ガイドナンバーは105mm時で58。50mm時は42となる。内蔵のワイドパネルで18mmをカバーできる
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58AF-1 digitalのインターフェース。4つのボタンで全ての機能をコントロールできる
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58AF-1 digitalのUSB接続部。左に見えるのは外部電源用の接点
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-- Metzのストロボで有名なSCAシステムについて教えてください。
「複数のブランドのカメラを持つ人や、違うブランドのカメラに買い換えることを考えている人に便利なシステムです。ストロボの接点部を交換することで、ニコン仕様をキヤノン仕様に変更することができます。デジタル一眼レフにも対応しており、iTTLやE-TTLにも対応しています。最新カメラへのアップデートも、メーカーサービスで可能です。最新の58AF-1 digitalのように、一部SCAアダプターシステムに対応せずに、各社カメラ専用に作っているモデルもありますが、グリップからクリップオンストロボまで、あらゆる製品にSCAシステムを採用しています」。
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SCAアダプターシステムに対応している、54MZ-4i digital
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54MZ-4i digitalは電池蓋をあけると、SCAアダプターを外すボタンが見える
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54MZ-4i digitalのSCAアダプターを外した様子。ボタンを押しながら引き出すと外すことができる
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大型のグリップタイプストロボもラインナップ。SCAシステムで、デジタル一眼にもTTL連動するという
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フォトキナは、土日となるとビジネス向けから一般向けのショーになってくる。様々なブースでデモンストレーションや即売が行なわれ、活気が出た。「メッセプライス」として2~3割くらい値引きして売られるので、毎回楽しみにしている人も多い。
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スタジオ用品メーカーのブースで行なわれているモデル撮影会
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20%オフで即売も行なっている
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■ URL
セコニック
http://www.sekonic.co.jp/
Metz
http://www.metz.de
Photokina 2006
http://www.koelnmesse.jp/photokina/
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( 木村 英夫 )
2006/10/02 02:30
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