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【インタビュー@Photokina 2006】
一眼レフカメラを通じてLUMIXのブランドを高めたい

〜パナソニックDSCビジネスユニット長の吉田守氏と、企画グループマネージャーの房忍氏に聞く

 一眼レフカメラメーカーとして初めてのPhotokinaに挑むパナソニック。「DSC-L1」は欧州での出荷を9月に開始したばかりだ。DSCビジネスユニット長の吉田守氏、企画グループマネージャーの房忍氏に、Photokinaでの意気込みや今後のビジネスプランなどについて話を聞いた。


企画グループマネージャーの房忍氏(左)と、DSCビジネスユニット長の吉田守氏
−− 一眼レフカメラベンダーとして参加した今回と、以前のPhotokinaでは来場者やディーラーなどからの反応は違いますか?

 「2年前からは3倍、4年前からは4倍にブース面積も増えました。欧州でのLUMIXの販売も、この2年は、毎年3倍で成長しています。今年は280万台という目標を掲げていますが、これもほぼ順調にクリアしています。欧州の現地ディーラーも含めて、LUMIXブランドに対する関心度が高まっていることを今回のPhotokinaで実感しました。また、今回は欧州だけでなく北米のディーラーも訪ねてきてくれました。2年前はプレス発表を終えると、あとは自由時間が多くあったのですが、今では他社ブースを見学する時間もほとんどありません。ブースにも多くの方が来ていただいて、前回のPhotokinaとはまさに隔世の感があります」。

−− その理由について、どのように分析していますか?

 「欧州ではLUMIXのブランドイメージが非常に高まっています。この2年間、かなり力を入れてブランド認知を広げる戦略を採ってきました。加えて、欧州での製品評価がひじょうに高まってきています。テストレポートを現地メディアに積極的に行ってもらい、そこで得た商品へのリクエストを次の商品に反映しています。これを毎回繰り返してきたことで、きちんとユーザーの声を拾って製品改善をするメーカーであるという評価が定着しています。実際にそうしたコメントをもらうことも少なくありません」。

 「加えて、手ブレ補正機能の内蔵やインテリジェントISOコントロール、16:9アスペクト比、28mmスタートの画角など、カメラの新しい使い方を提案する企業というイメージで語っていただけることもあります。特に28mmは日本はもちろんですが、欧州でも高く評価していただいています」。

−− 北米では特に高倍率ズーム機の消費者イメージが向上しているようですが、それは欧州でも同じでしょうか?

 「高倍率ズーム機の中でのシェアは、欧州において4割を超えています。日本でも高シェアを維持しており3割を超えていますが、4割という数字は欧州でのLUMIXブランドの定着を示していると思います」。


一眼レフカメラ市場への参入でLUMIXのブランドを高める

DMC-L1
−− そんな中、欧州でもL1が発売されました。日本を含め、市場からの反応をどのように受け止めていますか?

 「欧州では9月15日にL1を発売したところですが、日本よりも手応えがあります。特に製品のコンセプトや機能は評価していただいていますね。ただし、価格に関しては国内と同じように高い(欧州での価格はレンズとセットでおよそ2,000ユーロ)という印象を持っているようです」。

−− 日本での一眼レフビジネスはさほど好調と言えないように思いますが、その点はいかがでしょう?

 「受け取る側の見方によるものです。もともと、それほど数を追いかけるモデルとして企画はしていません。シェアを狙う製品ではなく、LUMIXというカメラブランドのフラッグシップにしたいというのがもともとの狙いです。一般的な一眼レフカメラとは異なる操作体系ですから、その段階で購買層がかなり絞られます。価格的にも大量に売れるものではありません」。

−− 家電ではシェアと出荷量を追うことが多い松下電器の中では、異色とも言える位置付けのように感じますが……。

 「LUMIXシリーズに関しては、以前にも数を追わない製品がありました。DMC-LC5やDMC-LC1などは、数を狙う製品ではありません。また、高倍率ズームのFZシリーズも、今でこそ定番製品として人気がありますが、元々は自社の技術的な特徴を活かそうと企画した製品で、決して数を追ったわけではありませんでした。やや位置づけは異なりますが、プラズマテレビに103型モデルをラインナップしているのと同じように、松下電器=シェア至上主義ということはないんですよ」。

 「我々が一眼レフカメラ市場に参入する理由は、一眼レフカメラを通じてLUMIXのブランドを高めることにあります」。


今後は、特徴を出したエントリーモデルも

−− LUMIXブランドを高めることが主目的ならば、もっと突き抜けた製品でもいいのではないでしょうか?

 「そんな甘い世界ではないと思います。一眼レフカメラは、我々が少し頑張ったからといって、突き抜けた製品を提供できるような底の浅い業界ではないでしょう。今回の製品は、ニッチ市場向け製品ですが、その製品が欲しいと買ってくれているお客さんがいます。エントリー機として裾野を狙う製品も、トップエンドの製品も、いずれも難しい。ですから、他社とは異なるタイプの、ユニークさを活かせる製品にしました」。

−− つまり、もともとマスを狙う製品ではなかったと?

 「以前からそう説明申し上げてきました。国内では、少し作り負けをしたぐらいです(やや数量が足りなかった)。ほぼ、内部で想定していた通りに一眼レフカメラ事業はスタートしました。それを発売時期が近いからと、一部のマスコミがソニーαとの戦争が勃発すると捉えていただけで、実際にはそのような戦争は無かったんです。そもそも、最初の製品を開発している段階で、発売を前倒しにしてソニーの発売日にぶつけて煽るなんてことは狙ってもできません。もともと量産スタートは5月で、6月ぐらいに発売と想定して、念のために外部には年内発売と話していたのが、結果的にαシステムの発売と重なったのです」。

−− では国内だけ先行発売したのも、意図的なものではなかったということですね。

 「自分たちの実力として、全世界同時発売を確実に行える自信がなかったというのが正直なところです。まずは、自分たちの手の届く範囲(=国内)から出荷を開始したかったのが、日本以外の地域での発売が遅かった理由です」。


−− 今後、数を狙う製品は開発するのでしょうか?

 「そういうモデルも考えています。それ以上は言えませんが、こうご期待ということでお待ち下さい。競争力のあるエントリーモデルは簡単には開発できません。EOS Kiss Digital Xは、すでにエントリー機として3世代目です。そうした熟成されたエントリー機と真正面からぶつかる製品を、我々が作っても簡単には受け入れられないでしょう。きちんと特徴を出した製品である必要があります」。

−− フォーサーズフォーマットでは、このPhotokinaでオリンパスがE-400を発表しました。小さいセンサーサイズを活用した小型モデルというのは、パナソニックにも求められている要素ではありませんか?

 「オリンパスと同じように、“コンパクトなフォーサーズ”というイメージも作っていきたいとは思っています。カメラはコンパクトな方が使いやすいと思うからです。そこには一生懸命取り組んでいきます」。

−− では“次”はどのような製品を狙っているのでしょうか。

 「様々な面でグレードアップしていきますが、プロ向けのハイエンドモデルはやりません。他社がやっている製品と似たものを作って並べるのではなく、市場を広げるような、業界にとって何かためになることをしようと。商品のあり方として、他社と同じような製品というのでは駄目です。業界全体で製品を並べたときに、品揃えが広くなったと消費者が思うような製品にします」。


闇雲に本数を増やすのではなく、ニーズにあったレンズを

Leica D Vario-Elmarit 14-50mm F2.8-3.5 ASPH.
−− ソニーやペンタックスは、レンズ開発の速度を加速して、デジタル時代の新しいレンズラインナップを強化していこうとしています。フォーサーズの強みは他社製も含めてレンズの選択肢が広いことですが、しかし、ライカレンズを求めているユーザーのためにも、もう少し開発ペースを上げて欲しいユーザーもいるでしょう。

 「本数を追いかけるという考え方はユーザー不在ではないでしょうか。ユーザーが求めているのは、単純にレンズの本数ではないでしょう。我々はロードマップに従って着実にレンズを提供していきます。ロードマップ以降のレンズ開発については、その時点での経営状態や市場環境に依存しますから、現時点ではなんとも言えません。しかしフォーサーズフォーマットに準拠したレンズは、すでに27種類があります。ですから、闇雲に本数を増やすのではなく、ニーズに合わせて必要なものを起こしていきます。カタログに何本並ぶかは、どういうレンズが欲しいと思われているのか、どんなレンズが作りたいのか、欲しいのかといった集大成として決まるものだと考えています」。



URL
  パナソニック
  http://www.panasonic.co.jp/
  Photokina 2006
  http://www.koelnmesse.jp/photokina/

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( 本田 雅一 )
2006/09/30 14:18
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