デジカメ Watch
最新ニュース
【 2016/01/26 】
【 2016/01/25 】
【 2016/01/22 】
【 2016/01/21 】
【 2016/01/20 】

ソニー、2005年度連結業績は24.5%の純利益減


 ソニー株式会社は27日、2005年度(2005年4月1日~2006年3月31日)の連結業績を発表した。売上高および営業収入は7兆4,754億円(4.4%増。前年度比、以下同)、営業利益が1,913億円(67.9%増)。

 なお、営業利益には厚生年金基金の代行返上に伴う735億円の利益が含まれている。純利益は1,236億円(24.5%減)。

 デジタルカメラを含むエレクトロニクス分野は、1.7%増収の5兆1,505億円。ただし、外部顧客に対する売上高で見ると4兆7,635億円で0.9%の減収となる。同分野の営業損失は309億3,000万円。前年度より33億円改善した。

 エレクトロニクス分野の主な増収要因は、ブラビアシリーズなどの液晶テレビ、液晶リアプロジェクションテレビ。一方、ブラウン管テレビ、新規開発を中止したプラズマテレビが減収となった。カテゴリー別に売上高および営業利益を見ると、デジタルカメラを含む「ビデオ」が212.2%と好調。そのほかPC、放送機器、ホームオーディオがプラス要因となっている。


2005年度連結業績 エレクトロニクス分野概況 カテゴリー別概況

 同分野の営業利益率は0.6%。全体では3.4%に向上した。2007年度の目標数値は全体5%、エレクトロニクス4%。また、エレクトロニクス分野の構造改革費用は1,258億円で、2005年度は代行返上益として645億円を計上している。拠点集約プランも進み、2005年度はDVDレコーダーなどを担当するソニーイーエムシーエス木更津テックを潮見事業所に集約。さらに米サンディエゴのVAIO of America ManufacturingでデスクトップPCの量産を終了し、PC販売用のCTO(Configure to Order)拠点に機能変更している。

 同分野における地域別の売上は、日本が12%減、米国が1%減、欧州が4%減、その他が11%増。日本では液晶テレビやポータブルHDD/メモリオーディオが貢献し、携帯電話端末、ブラウン管テレビ、ポータブルCD/MD、プラズマテレビが減収となった。

 デジタルカメラは前年度比3.6%減の1,350万台を出荷。2006年度は1,550万台を予定している。なお、予定数に今夏参入予定のデジタル一眼レフカメラは含んでいない。デジタル一眼レフカメラの事業計画は、「製品発表時に改めて公表する」(コーポレートエグゼクティブSVP 湯原隆男氏)とした。

 CCDやCMOSセンサーを含む半導体&コンポーネントカテゴリーは、売上高1兆4,526億円(9%増)、営業損失213億円(263億円悪化)。損失の主な要因はイメージセンサーと低温ポリシリコン液晶。本格参入したCOMSセンサーについては、2006年度の投資額の大半をCMOSセンサー生産の熊本工場などに当てる考えで、「利益率が低く、歩留まりも悪い。しかし改善の方向に向かいたい」(湯原氏)と述べた。


執行約EVP兼CFOの大根田伸行氏 コーポレートエグゼクティブSVPの湯原隆男氏

2006年度見通し 構造改革の状況

 エレクトロニクス分野以外の概況は次の通り。ゲーム分野が売上高9,586億円(31.4%増)、営業利益87億円(79.7%減)。減益は、期末にPS3への投資を継続したことに加え、PS3プラットフォームの立ち上げ関連費用を計上したため。PS2およびPSPによる利益は増加している。

 映画分野は売上高7,459億円(1.7%増)、営業利益274億円(57.1%増)。金融分野が7,432億円(32.6%増)、営業利益が1,883億円(239.4%増)。その他分野が売上高4,089億円(11.1%減)、営業利益162億円(286.4%)。

 なお2007年度までに、モデル数の20%減(2005年度比)、累計1万人の人員削減による計2,000億円のコスト削減を目標値に定めており、2005年度時点で380億円分の実績を得たという。執行約EVP兼CFOの大根田伸行氏は「ブラビアの投入でフラットパネルテレビで確固たる地位を確立した。まだ予断は許さないが、エレクトロニクス復活の道筋ができた」と、前年度までの苦境から脱しつつあることを強調。構造改革については「進捗状況は予定通り」と述べた。

 2006年度の業績見通しは、売上高および営業収入が8兆2,000億円(10%増)、利益面では、営業利益1,000億円(48%減)、純利益1,300億円(5%増)。



URL
  ソニー
  http://www.sony.co.jp/
  2005年度第4四半期連結業績(PDF)
  http://www.sony.co.jp/SonyInfo/IR/financial/fr/


( 本誌:折本 幸治 )
2006/04/27 21:01
デジカメ Watch ホームページ
・記事の情報は執筆時または掲載時のものであり、現状では異なる可能性があります。
・記事の内容につき、個別にご回答することはいたしかねます。
・記事、写真、図表などの著作権は著作者に帰属します。無断転用・転載は著作権法違反となります。必要な場合はこのページ自身にリンクをお張りください。業務関係でご利用の場合は別途お問い合わせください。

Copyright (c) 2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.