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キヤノン販売、2005年も過去最高益、社名を「キヤノンMJ」に


4月からの新社名を発表する村瀬治男社長
 キヤノン販売株式会社は26日、平成17年12月期(2005年1月1日~12月31日)の業績内容を発表した。売上、利益とも過去最高額を更新。さらに長期経営計画の更新にあわせ、商号を「キヤノンマーケティングジャパン株式会社(キヤノンMJ)」に改称すると発表した。3月29日の株主総会での承認後、4月1日付で変更する見込み。

 2005年通期の業績は、売上高8,219億4,800万円(前年比0.8%増、以下同)、営業利益297億円2,300万円(1.5%増)、経常利益290億6,300万円(19.2%)、純利益153億5,700万円(24.2%増)。いずれも過去最高の業績を記録した。

 コンパクトデジタルカメラでは、「IXY DIGITAL」の販促で積極的な広告活動を展開。前年並みの売上を確保し、3年連続シェア1位を維持した。デジタル一眼レフカメラでは、3月に「EOS KISS DIGITAL N」を投入、ファミリー層をターゲットとしたキャンペーンを実施した。さらに9月にはハイアマチュア向けの「EOS 5D」を発売し、フィルムカメラからデジタルカメラへの転換を推進している。交換レンズの売上も大幅増となった。

 店頭では家電量販ルートを拡大するとともに、撮影やプリンタ出力の体験イベントを実施。また、販売店向けのEOS道場や、ユーザー向けのEOSゼミなどを展開した。

 インクジェットプリンタでは、「PIXUS」シリーズのモデルチェンジを10月に行なっている。単機能機3機種、複合機4機種を新規に投入。複合機が売上を伸ばし、「おおむね堅調に推移した」と結論している。インクカートリッジやフォトペーパーなどの消耗品も売上が順調。コンパクトフォトプリンタ「SELPHY」シリーズも計4機種を発売するなど、「ホームプリンティング市場の拡大を牽引できた」としている。


2005年の実績。過去最高益を達成 2002年を機に増収増益が続く キヤノンMJの2010年目標

 上記を含むコンシューマー機器事業の売上高は、2,542億7,700万円、営業利益は116億5,100万円。OA機器のビジネスソリューション事業は、売上高4,758億8,100万円、営業利益134億3,900万円。半導体露光装置などの産業機器事業は、売上高917億8,800万円、営業利益46億3,100万円となった。

 社名変更の理由は、ソリューションビジネスなど物販以外の業態の比重が高くなってきたことで、「実態にそぐわなくなってきた」(村瀬治男社長)ため。2006年からの新5カ年計画のスタートにあわせ、変更を決めたという。同氏は「“販売”の2文字からは、かつての大量生産、大量消費の時代を思わせる。一方通行的なイメージが強い」と語り、「市場の最前線でマーケティングを広く体現したい」とした。

 親会社のキヤノンは経営計画「キヤノングローバル優良企業グループ構想」を1996年にスタート。構造改革を種としたものだったが、当時の業績は絶好調だったため、改革は遅れ気味だった。しかし、2000年に入って抜本的な改革が進み、成果を上げた。以来、キヤノン販売でも顧客思想が深まり、「顧客主語」は全社員および役員に浸透しているという。


キヤノン販売の村瀬治男社長
 さらに、キヤノンでは2005年からの5カ年を新しいフェーズと位置付け、2010年に売上高5兆5,000億円、純利益率10%以上を目指している。「主要経営指標の全てが世界トップ100社になる」とし、その中でキヤノン販売は2010年の目標として、売上高1兆1,000億円、経常利益率5%以上、1株当たり純利益200円以上を掲げている。

 売上高1兆円の「ありたい姿」として村瀬社長は、ビジネスソリューション6,000億円、デジタルフォト3,000億円、産業機械1,000億円とした。また、上記の目標に加え、重点戦略として、国内圧倒的シェア1位の実現、ブランドの高揚と価値向上、グループ連結経営最適化体制の確立などをあげた。

 なお同日、同社は単元株の変更を発表した。5月8日から1単元の株式数を1,000株を100株に変更。個人投資家の投資機会を増やしたい考えで、今後、利益還元率を30%程度にまで引き上げたいとしている。2005年の配当は年間28円の予定で、2006年には30円になる見込み。



URL
  キヤノン
  http://canon.jp/
  ニュースリリース
  http://cweb.canon.jp/newsrelease/2006-01/pr-0126.html?jp=0126


( 本誌:折本 幸治 )
2006/01/26 19:53
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