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キヤノン、プライベート展示会「Canon EXPO 2005 in Tokyo」開催

〜未来のカメラ、顔料プリンタなど参考展示多数

オープニングセレモニーでテープカットするキヤノンの御手洗社長(右)と、キヤノン販売の村瀬社長
 キヤノンは26日、都内のホテルでプライベートショー「Canon EXPO 2005 in Tokyo」を開催した。会期は28日までだが、入場には招待状が必要となる。

 同社が扱う製品やソリューションが一堂に会するプライベートショウ。現行製品だけでなく、多数の開発中の技術や未発表の製品が参考出品され、同社のこれからのビジョンなどが紹介されている。

 前回は2000年に開催されており、5年ぶりの開催となる。また今回は、東京の前にニューヨーク、パリでも開催された。

 カメラだけでなく、事務機や医療機器など、同社が手がける幅広い製品が扱われているが、ここではカメラやデジタルイメージングに関する展示を中心にレポートする。


燃料電池や有機ELを搭載したEOS DIGITAL

有機ELを搭載したEOS 5D
 同社が独自開発した有機ELモニターや、小型燃料電池を参考出品。

 有機ELは2.4型で、輝度は300cd/平方m、コントラスト比は500:1。解像度はQVGA(320×240ピクセル)。自発光するためコントラストや視野角に優れ、日中の屋外での視認性が高い。また消費電力などの点でもモバイル機器に最適としている。具体的な製品化のスケジュールは未定。

 会場にはEOS 5Dに有機ELモニターを組み込んだものを参考展示していた。


有機ELの概要
上が有機EL、下が現行DVカメラの液晶モニター。視野角の違いがわかる

小型燃料電池のモックアップ
 小型燃料電池はモックアップと、動作する実機を展示した。

 モックアップはコンパクトデジタルカメラ、デジタル一眼レフ、モバイルプリンタなどでの使用を想定。いずれも水素で直接発電するタイプで、水素カートリッジ部と発電部を分けることができる。充電時の発電が不要なため、CO2削減にも有効としている。

 いずれも同程度の大きさのリチウムイオン充電池の、3〜5倍の動作時間を確保しているという。水素カートリッジの供給方法などを含め、具体的な製品化のスケジュールは未定。

 また、燃料電池で動作するEOS Kiss Digital NやPowerShot G6が参考展示された。こちらは実際に動作している。


モバイル機器用燃料電池。手前が水素カートリッジ、向こう側が発電部
燃料電池で動作するEOS Kiss Digital N。バッテリーグリップに燃料電池ユニットが入っている
燃料電池で動作しているKiss Digital N(左)と、同じく燃料電池で動作しているPowerShot(右)

画像認識など最新技術を技術を盛り込んだアドバンスドデジタルカメラ

 数年後に実用化されるであろう技術を盛り込んだアドバンスドデジタルカメラのモックアップが参考展示された。コンパクトタイプと一眼レフタイプがあり、どちらもボディに透明な素材が使われているのが印象的。メカや基板は、わずかな不透明部分に収納できるほど小型化されることを想定している。

 コンパクトタイプでは背面全体を有機ELとし、モニターの大型化をはかった。自発光する有機ELの特長を生かしてパネルを透明とし、有機ELパネルの背後に光学ファインダーを設けることで、大型モニターと光学ファインダーを両立させた。また、操作系の大部分はモニターに表示されるパネルとし、撮影時と再生時で操作系のレイアウトを変えることができる。

 一眼レフタイプでも背面全体を有機ELとして、モニターを大型化。グリップ部には不透明カバーを設け、再生時のみ開いて大型のモニターとして使用できる。


アドバンスドデジタルカメラのコンパクトタイプ
背面。光学ファインダー(左下の小さな丸い窓)は透明な有機ELパネルの向こうにある。背面の操作系はタッチパネル

アドバンスドデジタルカメラの一眼タイプ
背面はやはり透明な有機ELで、操作系はタッチパネル。右のグリップ部を開くと、下もディスプレイになっている。写真ではプレビュー画面を小さく表示しているが、背面のほとんどを使って大きく表示することもできる

 機能面では、どちらも「無線化」と「知能化」をテーマとした。無線化では、ワイヤレスネットワーク機能を備え、カメラ同士や表示デバイス間での画像の共有を容易にしている。カメラを振ると、カメラ内部の画像がTVに転送されるギミックなども備える。

 知能化では、後述する画像認識技術により、人が笑顔になるとシャッターが切れる技術などを搭載する。


左のデジカメから右のデジカメへ、ワイヤレスで写真を転送するイメージビデオ
デジカメを振ると、TVに画像が転送される

未来の鑑賞環境

フューチャーフォトアルバムのさまざまなインターフェイス。これはカレンダー画面
 デジタル画像の鑑賞環境として、「フューチャーフォトアルバム」と「モバイルアルバムビューワー」の2つのコンセプトモデルを参考展示した。

 「フューチャーフォトアルバム」はフラットパネルディスプレイでデジタル画像を楽しむためのもので、3D表示されたカレンダーや、デスクトップに広げられた写真や動画から好みの画像を選択するなど、工夫されたインターフェイスを搭載。

 また、画像認識技術により、人物の顔を判別して、自動的に人物ごとの写真を整理してアルバムを作成したり、スライドショーを生成することができる。

 さらに、仮想の街や建物内部などの空間が用意され、仮想の街中のディスプレイやギャラリーの壁に、ユーザーが撮影した画像を貼り付けて、鑑賞するなどの遊びが可能。


デスクトップに散らばった写真。動画も一緒に扱われる
ホイールのインターフェイスで写真を選ぶ
フューチャーフォトアルバム用のリモコン

顔を認識して、自動的に人物ごとにアルバムを作る
仮想ギャラリーで画像を鑑賞

 「モバイルアルバムビューワー」はノートタイプやパッドタイプの小型薄型ディスプレイで、出先で画像を鑑賞するためのデバイス。ビューワーをゆするとページ送りのように画像が送られるなどの機能がある。


ノートタイプのモバイルアルバムビューワー
パッドタイプのモバイルアルバムビューワー
モバイルプリンタ。ワイヤレスプリントが可能

笑顔認識や目つぶり防止技術

顔検知。上部のカメラで撮影した画像内の顔を検知する
 アドバンスドデジタルカメラなどに盛り込まれた認識技術を応用した撮影機能3つをデモンストレーションした。

 1つめは「顔検知」で、画像内の人物の顔を自動的に検知し、フォーカスなどを助ける。

 2つ目は「笑顔検出」で、人物の通常の表情と笑顔を自動判別する技術。笑顔になると、自動的にシャッターが切れる。

 3つ目が「まばたき撮影防止」で、まぶたが閉じているかどうかを判別する。集合写真などで、目をつぶったまま写ってしまうのを防ぐことができる。


笑顔検出。まずは通常の表情を登録
笑顔になると自動的にシャッターが切れる
まばたき防止。目をつぶっている顔が赤の、目を開いている顔が緑の枠で囲まれ、両方とも目を開くとシャッターが切れる

A3ノビ対応の10色顔料プリンタを参考出品

プロ、ハイアマ向けのA3ノビプリンタ
 プロ、ハイアマ向けのA3ノビプリンタが参考出品された。長期保存性と、画材用紙をはじめとする多彩な用紙への対応を目的として、顔料インクを採用。モノクロ出力は「プロ仕様」としている。

 色数は10色だが、インク構成は明らかにされていない。ただし、用紙の違いやモノクロ印刷のためにインクを取り替える必要はないとしている。解像度は4,800dpi。インターフェイスはUSB。

 厚手の用紙の使用も想定しており、通常は本体上部のオートシードフィーダからの給紙となるが、厚手の用紙は本体前面から給紙してスイッチバック印刷することで、給紙パスが曲がらないようにすることもできる。

 発売予定は2006年上期で、価格は9万円前後。民生用のPIXUSブランドと、大判プリンタのImagePROGRAFのどちらのブランドで発売されるかも未定。

 大判プリンタでは、17インチの「ImagePROGRAF X」と、60インチの「ImagePROGRAF Y」を参考出品。Xはデザインスタジオなど、Yは出力センターなどへの導入を想定している。


ImagePROGRAF X
ImagePROGRAF Y

 どちらも顔料の新インクシステムを採用するが、「色域を広げ、発色をよくした」と説明されるのみで、インク構成などは明らかにされていない。また、既存機種への新インクシステム搭載についても明らかにされていない。発売時期や価格は未定だが、会場には両機種で出力された作例が多数展示されていた。


Windows Vistaに採用されたカラーマッチング技術「Kyuanos」

Kyuanousはさまざまな入出力機器で色を統一するための技術
 次期Windows「Vista」に搭載されるカラーマッチング技術のベースとなった、「Kyuanos」に関する展示が行なわれた。

 カメラ、スキャナ、モニタ、プリンタなどデバイスの違いを超えて、再現する色の統一を図るための技術。カラーマッチング技術としてはICCがすでに広く使われているが、Kyuanosはより柔軟性が高い。また、鑑賞する環境の色温度と明度を考慮した出力が可能で、あらかじめ鑑賞する場所を測色しておき、その値を入れることで、その環境に合わせた色で出力できる。

 実現には測色のためのツールや、Vista上で動作するアプリケーションが必要になるが、具体的な製品はまだ展示されていない。


右はWindows Vistaで動作する色補正インターフェイス。左は測色装置 左のディスプレイがオリジナルの画像。右の出力先の環境光にあわせて色を最適化できる

IXY DIGITAL WIRELESSなどを展示

 このほか、会場で気になった展示を写真を中心にレポートする。


発表されたばかりIXY DIGITAL WIRELESS
IXY DIGITAL WIRELESSでプリンタやPCに画像を転送するデモ
大判プリンタのデモとして展示された高解像度画像天体写真。EOS 20Daで撮影した25枚の天体写真を貼り合わせ、14,609×10,450ピクセルとした

Mixed Realityのデモ。赤いトレイ上には何も無いが…
HMDを覗くと、トレイ上に仮想画像が表示されている。手でトレイを動かすと、リアルタイムで追従し、アングルなどが変わる
半導体露光装置のレンズ。右にある600mmレンズとその大きさを比較されたし

EOS DIGITALのCMOSセンサーができるまで フレアやゴーストの原因となる内面反射を防ぐためのレンズ用塗料。キヤノン化成が製造

入場証はRFIDチップ入り
どの顧客がどのゲートに入ったかがわかる


URL
  キヤノン
  http://canon.jp/
  Canon Expo 2005 in Tokyo
  http://cweb.canon.jp/expo2005/top.html
  【2000年11月21日】Canon Expo 2000 @Tokyo会場レポート(PC)
  http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20001121/canon.htm


( 本誌:田中 真一郎 )
2005/10/26 19:54
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