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エプソン、プリンタ価格低下などで純利益を100億円下方修正


セイコーエプソン副社長 木村登志男氏
 セイコーエプソン株式会社は27日、2005年4~6月期の連結業績を発表した。複合機の低価格化などを受け、売上高3,401億3,600万円(前年同期比2.2%、以下同)、純損失70億5,200万円の赤字となった。また、上期全体の利益減を見込み、中間期のおよび通期の純利益予想をそれぞれ100億円減額し、中間期マイナス10億円、通期440億円に下方修正した。

 情報関連機器事業は、売上高2,120億1,200万円(前年同期比0.2%減、以下同)、営業利益42億5,700万円。

 そのうちインクジェットプリンタなどを含む情報画像事業は、1.3%減の1,836億円。インクジェット複合機が増加したものの、単機能機の数量が減少して減収となった。特に欧州とアジアの一部で起こった価格競争に影響を受けたという。米州は堅調に増収。利益面では、複合機が低価格帯にシフトしたことと、レーザープリンタの数量減少と価格低下が響き、減益となった。

 電子デバイス事業は、売上高1,171億3,900万円(9.4%増)、営業損失56億9,600万円。同事業は前年度も赤字に陥っており、年初に予想された損失よりは圧縮できたとしている。

 そのうちディスプレイ事業は、液晶プロジェクター用高温ポリシリコンTFTと携帯電話向けカラーSTN液晶ディスプレイおよびMD-TFD液晶ディスプレイが減収。しかし、三洋エプソンイメージングデバイスが本格稼動し、アモルファスシリコンTFT液晶ディスプレイと低温ポリシリコンTFT液晶ディスプレイの販売を開始。事業全体の増収に寄与し、ディスプレイ事業全体では前年より29.7%の増収となった。

 電子デバイス事業に含まれる半導体事業は、前年同期比34.1%と大幅に減収。カラーLCDドライバの価格低下と数量減、さらにシステムLSIの受注減が影響した。同じく電子デバイス事業の水晶デバイスも、前年度下期の在庫調整や携帯電話向けの需要が低価格帯にシフトしたことなどにより、7.2%の減収となっている。

 そのほか、腕時計などを含む精密機器事業は、売上高204億200万円(2.5%減)、営業損失1億5,100万円(前年同期は11億2,400万円の損失)。ウォッチの数量減と価格低下、ICハンドラの減収が影響した。

 以上の業績に上期全体の予想を加味し、中間期の売上高を7,120億円から160億円増の7,280億円に上方修正し、純利益を90億円から100億円減のマイナス10億円と下方修正した。下期の見通しに変化はなく、通期の予想は売上高1兆6,390億円、純利益440億円となる。

 木村登志男副社長は修正について、上期と下期に分けて説明した。上期の場合は半導体と中・小型液晶ディスプレイの需要、特にカラーSTNとアモルファスシリコンTFTが想定を上回ったことや、電子デバイス事業の業績回復が当初計画を上回る勢いにあることなどが増収につながるとした。

 利益予想を下げた要因としては、欧州とアジアのインクジェットプリンタ市場で競争激化が価格低下を招いていることを挙げた。また、情報関連機器事業で下期に向けた新製品の急速な立ち上げを計画しており、それらに対する費用の増加が見込まれるという。



URL
  エプソン
  http://www.epson.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.epson.co.jp/osirase/2005/050727.htm

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エプソン、2004年度純利益を110億円下方修正(2005/03/23)


( 本誌:折本 幸治 )
2005/07/27 20:07
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