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フラットパネルディスプレイの展示会「FPD International 2004」レポート

~デジカメ用液晶や広色再現域パネルが多数展示される

 液晶やPDPなどのフラットパネルディスプレイの総合展示会「FPD International 2004」が20日から22日まで、パシフィコ横浜で開催されている。

 メーカーや開発者向けの展示会で、展示されているのはパネルや製造装置だが、フラットパネルディスプレイの動向を知ることができる。ここではデジタルカメラ用の液晶モジュールや、デジタルイメージング向けに広色再現域を謳う展示を中心にレポートする。


視野率100%のデジカメ用液晶モニター

 デジタルカメラ市場は静かになりつつあるとはいえ、台数が出る分野だけにそれなりに新製品が投入されている。液晶モニターの大型化の流れを受けて、デジカメ用としては大型の2.5型モジュールは、デジカメ向け製品を扱うメーカー各社でラインナップしている。

 そんな中で、携帯電話やデジタルカメラ向けの小型モジュールに特化した三洋エプソンイメージングデバイスは、「視野率100%」を謳うデジカメ用低温ポリシリコンTFTを開発品として展示。従来のNTSC表示では97%程度になっていた視野率が、V240ライン表示により100%となった(同社比)。半透過型では2型、2.2型、2.5型を、透過型では2.5型と0.48型を展示。いずれも画素数は862×240ピクセルで約20万画素、表示色数はフルカラーとなっている。

 その0.48型は、サイズからしてEVF用。高倍率ズーム機の台頭などで注目の集まるEVF用モジュールだが、会場ではあまり見かけなかった。展示品の表示は非常に鮮明だったが、実際の製品に組み込んだときの画質や画像の追従性が気になるところだ。


小型モジュールに特化した三洋エプソンイメージングデバイス
V240ライン表示で視野率100%を謳う透過型の低温ポリシリコンTFT。左が2.5型、右上がEVF用の0.48型
やはりV240ライン表示のモジュール。こちらは半透過型で、2型、2.2型、2.5型が揃う

“写真高画質”のPhotoFine液晶は3.9型326ppiと2.5型256ppiを開発品として展示
新製品の250cd/平方mの高輝度 透過型TFT液晶は1.8型8.4万画素と2.5型11.5万画素を展示
開発品の1.8型13万画素半透過型低温ポリシリコンTFTは高コントラスト、広視野角で屋外での視認性が向上したとしている

日立ディスプレイズはIPS(In-Plane Switching)のデジカメ用モジュールを展示 日立ディスプレイズはデジカメ用としては最大の3型23万画素のIPS低温ポリシリコンTFTモジュールを展示。輝度は350cd/平方mで、デジタルインターフェイスを備える やはり日立ディスプレイズの2.5型23万画素モジュール。輝度は300cd/平方m

シャープは2.5型21.5万画素と1.8型13.4万画素のモバイルASV液晶モジュールを展示。160度の広視野角、300:1の高コントラストで屋外での視認性を大幅に向上したとしている
台湾のメーカーもデジカメ向けモジュールに力を入れる。写真はAU Optronicsの2.5型23万画素モジュール
こちらも台湾。Toppoly Optoelectronicsはデジカメ用に1.5型から2.5型までラインナップ

これからの本命? 有機ELモジュールが多数出品

 高画質、低消費電力のディスプレイとして注目されてきた有機ELディスプレイだが、大小取り混ぜてさまざまなメーカーが参考出品しており、デジタルカメラにも向く2.5型品もよく見かけた。が、コストなどの問題から、実際の製品への搭載についてはあまり芳しい返答は得られなかった。


有機ELディスプレイの老舗、東北パイオニア/エルディス
東北パイオニアが参考出品した2.4型有機ELディスプレイ
日立ディスプレイズは発光期間変調方式で画質を向上させた2.5型15万画素有機ELディスプレイを参考展示

TDKは1.8型QVGAの有機ELディスプレイを参考出品。デジカメ用途も見込む
台湾はAU Optronicsは視野角170度、コントラスト比1,000:1の2型有機ELを参考出品。
SAMSUNG SDIが参考展示した2.2型QVGA有機EL

LEDバックライトの広色度域ディスプレイが多数登場

 今回有機ELと並んで目立ったのがLEDバックライトによる広色度域ディスプレイ。いずれもAdobe RGB比109%、NTSC比104%の色再現域をカバーする能力を持つ。電力と熱の関係から、デスクトップ向けの大型製品ばかりだが、デジカメ画像の鑑賞環境として注目に値するだろう。

 このほかNEC液晶テクノロジーは、先ごろ発表された10bit入出力で10億7,374万色を同時表示可能な21.3型QXGA液晶や、モバイル向け2.2型QVGAのフィールドシーケンシャルSOG液晶を展示。やはりNTSC比104%の色度域を実現しており、応答速度も2msと高速。


NEC液晶テクノロジーの10bit入出力対応液晶。従来の8bit入出力製品と比較していた こちらはLEDバックライトで広色度域を実現した21.3型液晶 フィールドシーケンシャルSOG液晶。携帯電話をターゲットとしているが、デジカメに搭載しても面白そうな技術だ

富士通ディスプレイテクノロジーズの20.1型LEDバックライトMVA液晶ディスプレイ
台湾CHI MEI OPTOELECTRONICSはLEDバックライトと冷陰極管バックライトを比較。同じく台湾のCHUNGHWA PICTURE TUBESや韓国SAMSUNG ELECTRONICSも同様なデモを行なっていた


URL
  FPD International 2004
  http://expo.nikkeibp.co.jp/fpd/japanese/


( 田中 真一郎 )
2004/10/20 18:49
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