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【Photokina 2004】アドビシステムズ、大幅に進化したPhotoshop Elements 3.0


アドビシステムズのブース
 Adobe Systems(アドビシステムズ)のブースでは米国で15日に発表されたコンシューマー向けのフォトレタッチソフト「Photoshop Elements 3.0」のデモが行なわれている。

 Photoshop Elementsのメジャーバージョンアップはおよそ2年ぶり。3.0では、同じくコンシューマー向けながら画像管理のほうに重点を置いた姉妹ソフト「Photoshop Album」の機能を統合し、写真の撮影日時をもとにしたカレンダーによる管理や、人名や場所、イベントの名前など分類および検索のキーとなる用語を写真一枚一枚に設定し、検索しやすくする「タグ」の概念など、1本でカメラからの取り込み、管理、レタッチ、印刷までこなす統合環境になった。


管理機能を搭載し、デジカメ統合環境となったPhotoshop

Photoshop Elements 3.0
 精密な範囲指定をしなくてもワンクリックで赤目補正ができる機能や、シミ除去、意図しない人物がフレームに入ってしまった風景写真から人物を取り除く機能、補正前と後を左右のウィンドウに並べて表示する機能などが追加されている。また、兄貴分にあたる「Photoshop CS」の独壇場だったRAWファイルの取り込み、16bit画像の編集といったハイエンドユーザー向けの機能も追加されている。

 これまでElementsはPhotoshopの単なる廉価版として捉えられがちだったが、今バージョンではデジタルカメラの統合環境といった味付けが強く、「Photoshop CSを持っているからElementsはいらない」とは割り切れない、Photoshopとは方向性の異なるソフトウェアに仕上がっている。

 なお、アドビは27日、米Eastman Kodakと、Webブラウザなどを使用せずにアドビのソフトから直接、コダックのオンラインプリントサービスを利用できる「Adobe Photoshop Service」を開始することを発表。本ソフトはその対応第1弾となる。

 米国価格は99ドル。ドイツでは10月中に、日本でも11月頃に発売される予定。


RAWの世界にも標準規格が登場

 アドビは27日、カメラメーカーおよび機種ごとに異なっていたRAWファイルの統一規格となるフォーマット「Digital Negative(DNG)」を発表。RAWファイルを.DNGに変換するPhotoshopプラグイン「DNG Converter」の無償ダウンロードを開始した。

 DNGは、RAWファイルの標準アーカイブ形式として開発された画像フォーマット。RAWファイルは現在、統一フォーマットがないため、メーカーごと、機種ごとに仕様がバラバラでJPEGやGIFのように、1本のソフトで一元管理できない問題点があった。

 アドビはDNGの仕様をオープンにし、カメラメーカーやソフトメーカーへの採用を働きかけている。なお、会場ではところどころにDNGのロゴのステッカーが貼られているくらいで、DNGに関して、特に目立ったデモやパネル展示は行なわれていなかった。

 29日、Photokina会場にて同社のデジタル イメージング プロダクト マネジメント ディレクターのケビン・コナー氏はDNGについて、いくつかの質問に答えてくれたので紹介する。



―DNGの技術的なバックグラウンドは?

 まず申し上げたいのは、DNG自体はなんら技術的なブレークスルーではないということです。TIFFをベースにして、ファイルの記述形式を整えた、というのが正確な表現でしょう。今回、技術的な部分よりも大事なのは、我々がコーディネーターとしてDNGというものを提案することにあります。カメラメーカーがこうした標準化を行なうことは現実的になかなか難しいものです。大きい会社はライバル会社のことが気になるでしょうし、小さい会社に関しては言うまでもありません。我々にはメーカーとのしがらみもありませんし、Photoshopという業界でも揺るぎない地位のあるプラットフォームを持っています。我々がこの問題に取り組むのが立場的にも一番適切なのではないかと思いました。

―DNGが生まれた背景は?

 RAWファイルでは、バックアップを取ってアーカイブ化した後にも、閲覧するのにわざわざ専用のソフトを使わなければなりません。バックアップした写真を後から見るのに、撮影に使ったカメラメーカーの数だけソフトを用意したり、1枚1枚Photoshopで確認するのは非現実的です。RAWは取り回しが悪く、プロ、ないしはハイアマチュアにしか利用されていないという現実があります。しかし、アマチュアでも画質がよければいいに超したことはありません。画質を求めていないから現在JPEGを使っているわけではなく、得られる画質のメリットよりも取り回しのデメリットが上回ってしまっているから使われていないだけなのです。RAWがJPEGのように身近な存在になるには、どうしてもこの面をクリアしなければならないと考えました。最終的には、OSの標準機能で閲覧できればそれが最高ですが……。

―RAWはカメラの生のデータをはじき出すフォーマット。標準化すると独自技術の発展の妨げにはならないだろうか?

 DNGはRAWデータが守るべき最低限のラインとして情報の記述形式を標準化したものです。DNGファイルとして成立するために必要な部分さえ満たしていれば、表示や管理は可能です。独自技術による能力は引き出せていないかもしれませんが、ワークフロー上に大きな変化がでることは間違いないでしょう。基本的な仕様さえ守れば、メーカーがその上に技術開発をして新しい情報をプラスしてもなんら問題はありません。むしろ、我々はそれを歓迎しています。

―DNGとアドビのビジネスとの関係は?

 我々はDNGそのものでビジネスをするわけではないのです。DNGの仕様は公開していますので、特許使用料やロイヤリティを徴収することはありません。PDFがデジタル文書の共通プラットフォームになったように、ハイエンドデジタルカメラの共通の画像フォーマットになればいいと考えています。業界標準のフォーマットをまた1つ生み出せるのなら、ロイヤリティを取らなくてもそれは大きな成果となるからです。



アドビシステムズのホームページ
http://www.adobe.co.jp/
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【9月28日】アドビ、RAWデータの統一規格「DNG」
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/accessories/2004/09/28/155.html



( 伊藤 大地 )
2004/09/30 15:13
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