デジカメ Watch
最新ニュース
【 2016/05/25 】
【 2016/05/24 】
【 2016/05/23 】
【 2016/05/20 】
【 2016/05/19 】

隅田川花火大会を撮る


カメラはD200、カメラを上方に向けやすいよう、グリップ雲台つきの三脚を使う。レンズはAF-S DX Zoom Nikkor ED 18-55mm F3.5-5.6 G。サブで富士フイルムのFinePix S2 Proも用意した
 東京で行なわれる花火で最も規模が大きいのが、隅田川花火大会。今年で第29回という。2万発(第1会場と第2会場から上がる花火の合計数)という花火の数と、テレビで毎年中継されることから、多くの人の注目を集める花火大会だ。私自身が隅田川の花火大会を撮ったのは、今から11年前。雷門の前の道路に陣取ってリバーサルフィルムで撮ったものの、撮影テクニックをよく知らず、適当にフィルム1本撮って、何とか見ることができたのが1枚くらい、と非常に難しく感じたのを覚えている。

 年に1回くらいしか撮影しないので、なかなか上達しないが「バルブで撮る」ということを習ったこと、デジタルを使いその場で確認しながら撮影するようになったことで、多少は効率よく撮影できるようになってきた。

 そこで、今年は久々に隅田川の花火を撮ろう、と意気込んで出かけた。午後3時くらいに隅田川周辺に到着したが、第1会場周辺は既に多くの人が場所取りをしており、入り込む隙間がない。隅田川両岸には公園があり、普段は川沿いまで入れるが、花火大会当日には立ち入り禁止。公園の木のある部分は撮影には向かないし、既に多くの人が場所取りを終えている。電線が入らない場所、なるべく建物が入らない場所となるとなかなか難しい。ちなみに多くの人が場所取りをしている「第1会場横の野球場」は、午前8時半から開場しているようだ。本気で撮りたいなら1日がかりになる。


 「花火だけじゃなくて、川に映った花火も入れ込んで撮りたい」となるとさらに難しい。上流の白髭橋近くの公園で、そのようなポイントがありそうだが、ここは既に場所取りがされている。また、橋は「立ち止まって花火見物」できないよう、交通整理されてしまう。

 そこで今回は「花火そのものをメインに、レンズや撮影方法、フィルターで変化をつける」ことを考えて、花火そのものが見える場所を何とかキープすることにした。

 花火を見るのにいい場所とは言い難いが、隅田川の堤防脇にレジャーシートを敷いて場所をとる。午後4時くらいだが、ここはまだ大丈夫だった。それでも浴衣を着た多くの人々が時間を待っている。


トキナーAT-X124PRO DX 12-24mm F4、ニコンAF-S DX VR Zoom Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G、トキナーAT-X840D 80-400mm F4.5-5.6の3本のレンズを用意した ひとつのものがたくさんに見えるという「ミラージュ」など特殊フィルター。大きい径のものがないので、フィルター径が52mmの18-55mmレンズを使う

 午後7時10分、第1会場の最初の花火が上がる。遅い時間まで空いていた場所だけに、ちゃんと見えるかどうか心配だったが、なんとか見える。ただ、思ったよりも遠い位置に上がり、建物と堤防の間から花火が顔を出す、という印象だ。風の向きが何度か変わり、風下になるときは、煙が画面に入ってしまう。


撮影場所は隅田川の堤防脇に確保した 右側の建物が邪魔になることもあり、必ずしもいい場所ではない

さまざまなレンズで撮ってみる

 まずは、いろいろなレンズを用意したので、レンズの焦点距離で変化をつけてみた。18-200mmで大抵カバーできそうだが、花火の光線の流れだけを見せるのに600mmクラスのレンズを使う人もいるようだ。

 今回はコンパクトなトキナーの80-400mmズームを用意した。あと、現場の情景を入れながらの撮影用に、12-24mmのワイドズームも用意した。露出はF11でバルブ。モニターを見ながら、長めにシャッターを押したもの、短めに押したものと何度もシャッターを切り、いいものを後で選ぶようにした。

※作例のリンク先は撮影画像をリネームしたものです。
※作例下の撮影データは、使用レンズ/焦点距離/絞り値/露出時間/ISO感度/使用ボディを表します。


花火との撮影距離にもよるが、この場所では200mmで花火のアップが撮れた
AF-S DX VR Zoom Nikkor ED 18〜200mm F3.5-5.6 G / 200mm / F11 / 4.9秒 / ISO100 / D200
80mmでは、複数の花火を同時におさめることができた
トキナー 80-400mm F4.5-5.6 / 80mm / F11 / 1秒 / ISO100 / D200

400mmは花火の一部を切り取ることになる。造形的な見せ方をするなら使える
トキナー 80-400mm F4.5-5.6 / 400mm / F11 / 1秒 / ISO100 / D200
広角で情景ごと写す。携帯電話で花火を周囲の人が撮っているのが面白い
トキナー 12-24mm F4 / 22mm / F11 / 5.1秒 / ISO100 / D200

撮り方で変化をつける

 花火を専門で撮っている写真家の作品解説を読むと、花火を追尾したり、花火にピントを合わせた後、ピントリングを動かしたりして、独特の作風を創りだしている。また、カメラをレンズの光軸上で回転させながら撮影する人もいる。そこで、80〜400mmの望遠レンズで、これらのテクニックを試してみた。三脚座がついているレンズなので、三脚座の固定ネジを緩めれば、光軸上でレンズを回すことができるのだ。


400mm域でピントの合った状態でシャッターを押した後、ピントリングを回す
トキナー 80-400mm F4.5-5.6 / 400mm / F11 / 1.1秒 / ISO100 / D200
ピントリングを素早く回すことができたので、ボケを大きめに作り出すことができた
トキナー 80-400mm F4.5-5.6 / 400mm / F11 / 1秒 / ISO100 / D200

シャッターを押しながらカメラを回転させる。渦巻き上の造形ができた
トキナー 80-400mm F4.5-5.6 / 135mm / F11 / 1.2秒 / ISO100 / D200
露光時間は変わらないのに、元の花火によって光量や見え方が変わってくる
トキナー 80-400mm F4.5-5.6 / 135mm / F11 / 1.1秒 / ISO100 / D200

135mm付近から望遠側に露光間ズーミング。中心から外側に向けて線ができる
トキナー 80-400mm F4.5-5.6 / 135mm〜 / F11 / 1.5秒 / ISO100 / D200

フィルターで変化をつける

 花火をより華やかに見せる方法として、1枚の写真の中に複数の花火を写し込む「多重露出」がある。D200は多重露光に対応しているが、カメラによっては多重露出の機能が入っていないものもある。

 黒く塗ったウチワでレンズ面を覆って、バルブにしたままいくつかの花火を写し込む方法も紹介されているが、ここでは「フィルターによる多重撮影」つまり特殊フィルターの「ミラージュ」を使った方法を試してみた。ワンカットで一つの花火を複数に見せることができ、花火が華やかに見えるのがメリットだ。デメリットとしては、標準域にしか対応しないこと、フィルター径が大口径に対応していないことがある。

 その他のフィルターとして、花火を造形的に面白く見せられるものを試してみた。途中でD200のバッテリーがなくなり、サブのFinePix S2 Proに切り替えている。


ひとつのものを6つに見せる「6面ミラージュ」を使ってみた。周囲に5つの虚像が写る
AF-S DX Zoom Nikkor ED 18-55mm F3.5-5.6 G / 55mm / F5.6 / 1.6秒 / ISO100 / D200
横に線が拡がる「ZS-ハーフストリーム」。右側の建物の灯りも拡がってしまった
AF-S DX Zoom Nikkor ED 18-55mm F3.5-5.6 G / 55mm / F5.6 / 2秒 / ISO100 / FinePix S2 Pro

画面の1/4部分にだけ「クロス」を発生させる「パーシャルクロス」フィルター。花火先端にクロスが見える
AF-S DX Zoom Nikkor ED 18-55mm F3.5-5.6 G / 55mm / F5.6 / 3秒 / ISO100 / FinePix S2 Pro
霧の中で撮影したように見せる「フォギーB」フィルター。花火の撮影では、光を周りに拡散してくれる
AF-S DX Zoom Nikkor ED 18-55mm F3.5-5.6 G / 55mm / F8 / 2秒 / ISO100 / FinePix S2 Pro

 今回の大きなミスは、現場についてからD200のバッテリー残量が27%しかないことに気が付いたところ。撮影結果を液晶モニターで確認しながらの撮影のため、どうしても早くバッテリーがなくなり、結局、撮影途中で撮影不能になってしまった。サブカメラか、予備のバッテリーを是非用意しておきたいところだ。

 これからあちこちで花火大会があるが、ストレートに花火を撮るだけでなく、一工夫をすれば、作品に変化がつけられる。この夏は、花火撮影にどんどんチャレンジしてみたい。



URL
  製品情報(D200)
  http://www.nikon-image.com/jpn/products/camera/digital/slr/d200/index.htm
  製品情報(AF-S DX VR Zoom Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6 G)
  http://www.nikon-image.com/jpn/products/lens/dx/zoom/af-s_dx_vr_ed_18-200mmf35_56g_if.htm
  製品情報(AT-X124PRO DX 12-24mm F4)
  http://www.tokina.co.jp/atx/4961607633908.html
  製品情報(AT-X840D 80-400mm F4.5-5.6)
  http://www.tokina.co.jp/atx/4961607634011.html
  製品情報(ケンコーフィルターシリーズ)
  http://www.kenko-tokina.co.jp/filter/


( 木村 英夫 )
2006/07/31 00:19

デジカメ Watch ホームページ
・記事の情報は執筆時または掲載時のものであり、現状では異なる可能性があります。
・記事の内容につき、個別にご回答することはいたしかねます。
・記事、写真、図表などの著作権は著作者に帰属します。無断転用・転載は著作権法違反となります。必要な場合はこのページ自身にリンクをお張りください。業務関係でご利用の場合は別途お問い合わせください。

Copyright (c) 2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.