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【伊達淳一のレンズが欲しいッ!】タムロン SP AF 200-500mm F5-6.3 Di LD IF

〜動物園や飛行機の撮影にピッタリ

SP AF 200-500mm F5-6.3 Di LD IF
 今回採り上げるのは、タムロンSP AF 200-500mm F5-6.3 Di LD IF(A08)。またまた性懲りもなく超望遠ズームだ。鳥撮りの世界では「300mmは広角、500mmでも標準」と言われており、野鳥を撮るなら焦点距離500mm以上のレンズが欲しくなる。

 500mmをカバーする超望遠ズームとしては、シグマ APO 170-500mm F5-6.3 DG(実売7万5,000円前後)、タムロンSP AF 200-500mm F5-6.3 Di LD IF(実売10万円前後)、シグマ APO 50-500mm F4-6.3 EX DG HSM(実売13万円前後)の3本があり、並の望遠ズームに比べると、値段も高いし、重さもあるが、何十万円もする単焦点の大口径望遠レンズに比べれば、比較的リーズナブルな価格で買えるのが魅力だ。


APO 170-500mm F5-6.3 DG APO 50-500mm F4-6.3 EX DG HSM

 この3本の超望遠ズームの中で、もっとも軽量コンパクトで最短撮影距離も短いのが、タムロンSP AF 200-500mm F5-6.3 Di LD IF。93.5mm×227mm(最大径×全長)、重量1,226gで、最短撮影距離はズーム全域で2.5m。焦点距離500mmのレンズとしては、近接撮影に強いのが魅力だ。また、タムロンの交換レンズ群の中でも、特に高い設計仕様に基づいた高性能レンズであることを示す「SP」と、デジタル対応設計の「Di」の型番が与えられているので、その描写性能に期待してしまうところだ。

 ちなみに、レビューに使用したSP AF 200-500mm F5-6.3 Di LD IFは“ニコンAF用”。このところキヤノンばかり超望遠を強化してしまったので、ニコンも超望遠を強化すべく、急遽自腹購入したものだ(キヤノンは純正で、「ニコンはレンズメーカー製かよ!」ってツッコミはなしね)。使用したカメラはニコンD200で、デフォルトでは素材性重視でシャープネスが控え目のセッティングなので、ノーレタッチでピクセル等倍鑑賞されることを考え、仕上がり設定をカスタマイズにして「輪郭強調=やや強(+1)」に設定、ノイズリダクションによるディテール喪失を避けるため、「ノイズ除去=しない」に設定して撮影することにした。

 SP AF 200-500mm F5-6.3 Di LD IFは、デジタル対応設計ではあるが、デジタル専用ではなく、35mm一眼レフやフルサイズのデジイチにも使用できる。D200に装着した場合には、300-750mm相当の実撮影画角が得られるので、かなりの超望遠撮影が可能だ。

 また、500mmをカバーする超望遠ズームとしては思ったよりも全長は短いが、それはあくまで収納時の話。テレ側にズームするとレンズ鏡筒が驚くほど長く伸びる。ワイド端では約23cmだったレンズ全長が、テレ端までズームすると約32cmまでググーンと伸びる。

 さらに、レンズフードも非常に懐が深く、フードを装着してテレ端までズームすると、フード先端からマウント面までなんと約46cm。500mmという焦点距離以上に超望遠に見える。なにかとやかましいご時世だけに、周囲から怪しまれないよう注意したいものである(苦笑)。


ズームワイド端(フード装着) ズームテレ端(フード装着) ズームワイド端(フード収納状態)

 ただ、見かけによらずレンズの重さはフードや三脚座込みでも1,400g弱しかなく、このクラスの超望遠レンズとしてはかなり軽量だ。また、フォーカスリングの位置がかなりマウント寄りにあり、最初はちょっと戸惑うが、実際にMFで使ってみると、レンズをホールディングする左手親指の先で軽々とピント合わせができるのは快適。脇を締めたままMF操作できるので、ホールディングも安定する。

 とはいえ、このレンズを手持ちで使うのは正直シンドイ。開放F値がF5-6.3とかなり暗く、レンズに手ブレ補正機構も搭載されていないため、ある程度、明るいシーンでないと、すぐに手ブレ補正限界のシャッタースピードを下回ってしまうのだ。正直、ボディ内手ブレ補正を搭載しているソニーα100を正直うらやましく思う。


 ちなみに、ペンタックスやオリンパスもボディ内手ブレ補正を採用しているが、残念ながらSP AF 200-500mm F5-6.3 Di LD IFは、キヤノン、ニコン、ソニーにしか対応していない。オリンパスはともかく、ペンタックスに対応していないのは非常に残念だ(SP AF 17-50mm F2.8もペンタックス用がないのはどうしたことだ!?)。


 もっとも、300mmを超える超望遠になると、手ブレ以前にファインダー像が大きく揺れて、なかなか思うように被写体を意図する構図で捉えられなかったり、ちゃんとピントが合っているかもわかりづらくなる。それに、キヤノンEOS-1D Mark IIIだったらISO1600が常用できるので、高感度にしてシャッタースピードを稼ぐこともできるが、ニコンD200だとISO400を超えるとちょっと画質的に厳しくなり、高感度に頼れない。そんなわけで、普段は手持ち撮影が基本のボクも、今回は一脚や三脚を積極的に併用して撮影することにした。

 また、どうせ三脚を使うのなら、手ブレ補正機能付きのレンズでも手持ち撮影できないようなシーンにチャレンジしてみた。夕暮れ時のアオバズク幼鳥や雨の中の大賀ハスは、500mmで1/8秒のシャッタースピードで撮影しているが、さすがにこの条件では三脚を使ってもブレやすいため、D200のストラップにカメラバッグを吊して天秤ブレを抑えつつ、D200をミラーアップさせてからワイヤードリモコンでレリーズ。夜景もほぼ同じ要領で撮影している。

 さて、タムロンSPシリーズということで、写りの良さにかなり期待してしまうところだが、さすがに300mmを超える超望遠ズームということもあって、タムロンSP AF 90mm F2.8 Di MacroやSP AF 28-75mm F2.8 XR Diなど「SP」を代表する名玉ほどキレのある描写ではない。開放F値も暗く、1〜2段絞っても劇的に画質が向上するわけでもなく、むしろ絞って撮影することでシャッタースピードが低下し、手ブレや被写体ブレを起こしてしまうリスクのほうが大きくなる。

 また、画素数が1,000万画素を超えて画素ピッチが狭くなってくると、レンズの解像力や収差の影響が如実に現れてくるようで、ピクセル等倍鑑賞でピントチェックすると、エッジ立つほどのキレの良さは感じられなかった。

 とはいえ、500mmをカバーする超望遠ズームで実売10万円前後という価格を考えると、写りは悪くないと思うし、レンズの発色、コントラストもイイ。夏という季節柄、大気の揺らぎで写りが多少甘くなってしまったという側面もあると思う。

 70-300mmクラスの望遠ズームのようなお気楽さはないシビアなレンズだが、超望遠でなければ撮れないクローズアップの世界を存分に楽しめる。本格的な野鳥撮影にはまだまだ力不足かもしれないが、都市公園に生息する野鳥ならそこそこ近寄って撮影できるし、動物園や飛行機の撮影にはピッタリ。ほかの超望遠ズームに比べると軽量で中型以上のカメラバッグなら難なく収納できるので、フットワークが鈍らないのも魅力だ。


歪曲収差チェック

 ・200mm


F5 F5.6 F8

F11

 ・300mm


F5.6 F8 F11

 ・500mm


F6.3 F8 F11

ボケ描写チェック

 ・200mm


F5 F5.6 F8

F11

 ・300mm


F5.6 F8 F11

 ・500mm


F6.3 F8 F11

実写作例

※作例のリンク先のファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです
※作例下の撮影データは、使用ボディ/記録解像度(ピクセル)/絞り値/シャッター速度/露出モード/露出補正値/ISO感度/実焦点距離を表します
※プライバシー保護の観点から、画像に一部修正を加えてあります。


D50 / 3,008×2,000 / F6 / 1/200秒 / マニュアル / 0EV / ISO1600 / 420mm D200 / 3,872×2,592 / F6.3 / 1/400秒 / マニュアル / 0EV / ISO320 / 500mm

D200 / 3,872×2,592 / F7.1 / 1/125秒 / マニュアル / 0EV / ISO320 / 300mm D200 / 3,872×2,592 / F8 / 1/500秒 / マニュアル / 0EV / ISO400 / 450mm

D200 / 3,872×2,592 / F9 / 1/250秒 / マニュアル / 0EV / ISO640 / 500mm D200 / 3,872×2,592 / F6.3 / 1/250秒 / マニュアル / 0EV / ISO800 / 500mm

D200 / 3,872×2,592 / F6.3 / 1/8秒 / マニュアル / 0EV / ISO640 / 450mm D200 / 3,872×2,592 / F10 / 1/8秒 / マニュアル / 0EV / ISO125 / 380mm

D200 / 3,872×2,592 / F6.3 / 1/320秒 / マニュアル / 0EV / ISO400 / 290mm D200 / 3,872×2,592 / F5.6 / 1/640秒 / 絞り優先AE / 0EV / ISO400 / 210mm

D200 / 3,872×2,592 / F6 / 1/80秒 / 絞り優先AE / 0EV / ISO800 / 350mm D200 / 3,872×2,592 / F8 1/400秒 / マニュアル / 0EV / ISO320 / 500mm

D200 / 3,872×2,592 / F7.1 / 1/800 秒 / 絞り優先AE / 0EV / ISO320 / 500mm D200 / 3,872×2,592 / F9 / 1/640秒 / 絞り優先AE / 0EV / ISO640 / 500mm

D200 / 3,872×2,592 / F6.3 / 1/320秒 / マニュアル / 0EV / ISO400 / 500mm D200 / 3,872×2,592 / F7.1 / 1/640秒 / マニュアル / +0.67EV / ISO400 / 380mm

D200 / 3,872×2,592 / F7.1 / 1/1,000秒 / マニュアル / 0EV / ISO250 / 200mm D200 / 3,872×2,592 / F11 / 1/500秒 / マニュアル / 0EV / ISO200 / 200mm

D200 / 3,872×2,59 / F10 / 1/1,000秒 / 絞り優先AE / 0EV / ISO320 / 360mm D200 / 3,872×2,592 / F8 / 1/1,500秒 / 絞り優先AE / 0EV / ISO320 / 200mm

D200 / 3,872×2,592 / F8 / 1/1,250秒 / 絞り優先AE / 0EV / ISO320 / 230mm D200 / 3,872×2,592 / F6.3 / 1/1,250秒 / 絞り優先AE / 0EV / ISO400 / 330mm

D200 / 3,872×2,592 / F8 / 1/1,250秒 / 絞り優先AE / 0EV / ISO400 / 200mm カメラ搭載の合成機能で月と夜景を合成
D200 / 3,872×2,592 / F10 / 6 秒 / マニュアル / 0EV / ISO100 / 200mm

D200 / 3,872×2,592 / F6.3 / 1/250秒 / マニュアル / 0EV / ISO1000 / 230mm D200 / 3,872×2,592 / F16 / 6秒 / マニュアル / 0EV / ISO100 / 330mm

D200 / 3,872×2,592 / F10 / 6秒 / マニュアル / 0EV / ISO100 / 330mm D200 / 3,872×2,592 / F5.6 / 1/60秒 / マニュアル / 0EV / ISO640 / 240mm

D200 / 3,872×2,592 / F6.3 / 1/160秒 / マニュアル / 0EV / ISO 500 / 500mm D200 / 3,872×2,592 / F6.3 / 1/125秒 / マニュアル / 0EV / ISO640 / 500mm

EOS Kiss Digital N / 3,872×2,592 / F6.3 / 1/100秒 / シャッター優先 / 0EV / ISO400 / 359mm EOS Kiss Digital N / 3,872×2,592 / F9 / 1/100秒 / シャッター優先 / 0EV / ISO800 / 427mm

D50 / 2,000×3,008 / F6.3 / 1/160秒 / マニュアル / 0EV / ISO1600 / 500mm EOS Kiss Digital N / 2,304 ×3,456 / F8 / 1/640秒 / 絞り優先AE / 0EV / ISO800 / 500mm D200 / 2,304×3,456 / F9 / 1/800秒 /絞り優先AE / 0EV / ISO800 / 500mm

D200 / 3,872×2,59 / F6.3 / 1/250秒 / マニュアル / 0EV / ISO1250 / 420mm D200 / 3,872×2,592 / F8 / 1/400秒 / マニュアル / 0EV / ISO400 / 460mm D200 / 3,872×2,592 / F10 / 1/8秒 / マニュアル / 0EV / ISO125 / 270mm

D200 / 3,872×2,592 / F6.3 / 1/800秒 / マニュアル / 0EV / ISO250 / 500mm D200 / 3,872×2,592 / F7.1 / 1/250秒 / 絞り優先AE / 0EV / ISO320 / 270mm D200 / 3,872×2,592 / F8 / 1/160秒 / 絞り優先AE / -0.33 EV / ISO400 / 420mm

D200 / 3,872×2,592 / F7.1 / 1/500秒 / マニュアル / 0EV / ISO400 / 320mm D200 / 3,872×2,592 / F11 / 3秒 / マニュアル / 0EV / ISO100 / 210mm D200 / 3,872×2,592 / F8 / 1/400秒 / マニュアル / 0EV / ISO400 / 200mm

D200 / 3,872×2,592 / F6.3 / 1/1,600 秒 / 絞り優先AE / 0EV / ISO400 / 440mm D200 / 3,872×2,592 / F7.1 / 1/320秒 / マニュアル / 0EV / ISO400 / 380mm D200 / 3,872×2,592 / F6.3 / 1/400秒 / マニュアル / 0EV / ISO400 / 500mm

D200 / 3,872×2,592 / F6.3 / 1/250秒 / マニュアル / 0EV / ISO640 / 450mm D200 / 3,872×2,592 / F6.3 / 1/2秒 / マニュアル / 0EV / ISO640 / 500mm EOS Kiss Digital N / 3,872×2,592 / F5.6 / 1/100秒 / シャッター優先AE / 0EV / ISO800 / 300mm


URL
  タムロン
  http://www.tamron.co.jp/
  製品情報
  http://www.tamron.co.jp/news/release/news0402_a08.html


( 伊達 淳一 )
2007/09/04 00:11
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