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K10D。装着レンズはDA 16-45mm F4 ED AL
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ペンタックスは、APS-Cサイズの有効1,020万画素CCDを搭載するデジタル一眼レフカメラ「K10D」を10月下旬に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は12万円前後の見込み。
また、標準ズームレンズ「DA 18-55mm F3.5-5.6 AL」を同梱する「K10Dレンズキット」も用意する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は13万円台半ばの見込み。
■ コーティング+SRを利用した振動によるゴミ除去機能
CCDシフト方式手ブレ補正機構「SR」(Shake Reduction)と、これを利用したローパスフィルター表面のゴミ除去機能「DR」(Dust Removal)を搭載する。
ローパスフィルターの表面に、同社のレンズでも採用しているSP(Super Protect)コーティングを施した。同コーディングによりローパスフィルター表面の凹凸を無くし、ゴミの付着を軽減。さらに、付着したゴミはCCDを上下に動かすことで落下させる。落下したゴミはミラーボックス下部の吸着シートで捕らえる。吸着シートはメンテナンスフリーで長期間使用可能。DR機能は起動時に自動で動作させるか、任意のタイミングで実行させるかを選択できる。
手ブレ補正のCCDシフトは、K100Dなどと同様に磁気駆動で行なう。K10Dでは、マグネットとコイルの強化に加え、手ブレ補正アルゴリズムを改良。これにより、シャッタースピード換算で最大約4段分の手ブレ補正が可能になったとしている。
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CCDを上下に振動させゴミを落とす
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手ブレ補正駆動用コイルも強化した
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■ 新開発の画像エンジンとA/Dコンバーター
新開発となる画像エンジン「PRIME」(PENTAX Real Image Engine)を搭載。彩度、明るさ、ホワイトバランスなどをバランスよく調整することで、色再現性に優れた画質を実現したという。また、メモリには高速転送が可能なDDR2を採用。微細化を行うことで高速処理と低消費電力化を図った。
また、A/Dコンバーターには22bit(420万階調)タイプを採用した。一般的な12bit(4,096階調)タイプに比べて内部で1,024倍のデータを扱うことが可能になっている。
■ ボディは防塵・防滴に
本体のシャッターボタンや各操作レバーなど72カ所にシーリングを施した防塵・防滴構造を採用した。また、同時発売のバッテリーグリップ「D-BG2」にも38カ所のシーリングを施した。
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赤い部分がシーリングの箇所
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バッテリーグリップにもボディと同様のシーリングを施した
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■ ユーザーインターフェースを大幅に改善
撮影モードには、「感度優先」(Sv)モードと「シャッター速度&絞り優先」(TAv)モードを新設した。Svモードは、使用したいISO感度に応じてシャッター速度と絞りを自動的に設定するもの。ISO感度の変更は電子ダイヤルを回すことで行なえる。TAvモードは、使用したいシャッター速度と絞りに応じて、適切な感度を自動的に設定する。
JPEG記録とRAW+JPEG記録の切り替えを行なうRAWボタンをボディに新設した。またカメラ内でのRAW現像に対応。画像サイズ、画質、ホワイトバランス、増減感などのパラメータが設定可能。
ホワイトバランスの設定は、プリセット選択のほか十字グラフでの微調整にも対応。色温度での指定も可能で、3つまで設定値を保存できる。デジタルプレビューを備え、ホワイトバランスの設定値を反映したプレビューが可能となっている。
■ 同社初のオーバー1,000万画素CCD搭載機
撮像素子には、APS-Cサイズの有効1,020万画素CCDを採用。読み出しは2チャンネル。35mm判換算の焦点距離は実焦点距離の1.5倍となる。対応レンズマウントは、K、KA、KAF、KAF2。また、アダプターを使用することで、スクリューマウント、645用、67用のレンズも装着できる。マウント内には、今後発売を予定している超音波モーター内蔵レンズのための電源供給接点を新たに設けた。
連続撮影は3コマ/秒。JPEG撮影時は無限連写が可能。RAW撮影時は最大連続9コマまでとなっている。液晶モニターは、上下左右に約140度の視野を持つ約21万画素の2.5型TFT。
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ガラスペンタプリズムを採用
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ガラスペンタプリズムを使用したファインダーは視野率約95%。倍率は0.95倍。フォーカシングスクリーンは交換式。ざらつきを改善したナチュラルブライトマットIIスクリーンを採用した。
シャッターユニットはK100Dと同スペックながら、品質を見直し約10万回の動作に耐えられる信頼性を確保したという。シャッタースピードはバルブ、30~1/4,000秒。最大シンクロ速度は1/180秒。ISO感度はISO100~1600。測光は16分割測光、中央重点測光、スポット測光を備える。
AFユニットには、被写体が画面中央から外れてもカメラが自動的にピント合わせを行う「SAFOX VIII」を採用。測距点は11点で、中央9点はクロスタイプとなっている。また、ピントのあった測距点が赤く点灯するスーパーインポーズ機能も備える。
バッテリーには専用のリチウムイオン充電池を採用した。CIPA規格準拠で約500枚の撮影が可能。なお、単三型電池は使用できない。対応メディアはSDHC/SDメモリーカード。カードスロットのカバーはK100Dがスライド式だったのに対し、K10Dではツマミを回してロックを解除するタイプになった。
内蔵ストロボはガイドナンバー11。35mm判換算で28mmの画角をカバーする。PC接続はUSB 2.0。本体サイズは141.5×70×101mm(幅×奥行き×高さ)、重量は710g(本体のみ)、790g(バッテリーとメモリカードを含む)。
RAW現像ソフトとして、市川ソフトラボラトリーの汎用現像ソフト「SILKYPIX」のエンジンを採用した「PENTAX PHOTO Laboratory 3」を同梱する。同ソフトのMacintosh版はIntel製プロセッサを搭載したMacintoshに対応したユニバーサルバイナリ版となっている。
リチウムイオン充電池1個を内蔵できるバッテリーグリップ「D-BG2」は、シャッターボタン、プレビューレバー、電子ダイヤル、AEロックボタン、グリーンボタンを備え、グリップ内に、別売りのリモコンと予備のSDメモリーカードを収納できる。価格は24,150円。
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同時発売のバッテリーグリップ「D-BG2」
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K10Dに取り付けたところ
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■ 主な仕様
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K10D |
K100D |
撮像素子 |
APS-CサイズCCDセンサー |
有効画素数 |
約1,020万画素 |
約610万画素 |
最大解像度 |
3,872×2,592 |
3,008×2,000 |
画角変化 |
レンズ表記焦点距離の約1.5倍に相当 |
ISO感度 |
ISO100~1600相当 |
ISO200~3200相当 |
手ブレ補正(シャッター速度換算) |
CCDシフト式 (約2.5~4段分) |
CCDシフト式 (約2~3.5段分) |
ゴミ除去機能 |
あり |
なし |
記録形式 |
RAW、JPEG、RAW+JPEG |
ファインダー倍率 (50mmレンズ時) |
約0.95倍 |
約0.85倍 |
ファインダー視野率 |
約95% |
約96% |
フォーカシングスクリーン |
交換式 |
固定式 |
スクリーンのタイプ |
ナチュラルブライトマットII |
測距点 |
11点 |
測光 |
16分割測光 中央部重点測光 スポット測光 |
シャッター速度 |
30~1/4,000秒、バルブ |
ストロボ同調速度 |
1/180秒 |
最大連続撮影速度 |
約3コマ/秒 |
約2.8コマ/秒 |
最大連続撮影枚数(JPEG) |
メモリカード一杯まで |
5コマまで |
最大連続撮影枚数(RAW) |
9コマまで |
3コマまで |
液晶モニター |
2.5型 約21万画素 |
記録メディアスロット |
SD/SDHC |
PCインターフェイス |
USB 2.0 |
内蔵ストロボ |
あり |
電池 |
リチウムイオン充電池 |
単三型電池×4 |
サイズ (幅×奥行き×高さ、mm) |
141.5×70×101 |
129.5×70×92.5 |
重量(g、本体のみ) |
710 |
560 |
■ お問い合わせ先
お客様相談センター
Tel.03-3960-3200
【お詫びと訂正】記事初出時、お問い合わせ先電話番号を誤って記載しておりました。お詫びして訂正いたします。
■ URL
ペンタックス
http://www.pentax.co.jp/
ニュースリリース
http://www.pentax.co.jp/japan/news/2006/200645.html
製品情報
http://www.digital.pentax.co.jp/ja/35mm/k10d/feature.html
■ 関連記事
・ ペンタックス、PIE2006に「DA 70mm F2.4 Limted」を参考出品(2006/03/22)
・ 【PMA 2006】ペンタックス、1,000万画素一眼レフや中判デジタルなどを参考出品(2006/02/27)
■ URL
レンズ交換式デジタルカメラ関連記事リンク集(K10D)
http://dc.watch.impress.co.jp/static/ship/index.htm
( 本誌:武石 修 )
2006/09/14 10:14
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