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BモードでAFが可能に――E-330の新ファームウェアを試す


E-330
 オリンパスのデジタル一眼レフカメラ「E-330」は、撮像素子のスルー画を液晶モニターに常時表示できる「ライブビュー」が特徴だ。コンパクトデジタルカメラで一般的な方式になったため、今となっては光学ファインダーより、こちらの方が馴染みやすいユーザーも多いだろう。

 ただしE-330のライブビューには、コンパクトデジタルカメラのような手軽さはない。ユーザーはAFが利用可能な「フルタイムライブビュー」(Aモード)と、MFのみの「マクロライブビュー」(Bモード)の使い分けを強いられる。Aモードは視野率92%で測距位置3点、その代わり光学ファインダーと同じようにAFが利用できる。測距センサーもミラーボックス内のものを使い、小型CCDでキャプチャしたファインダースクリーンの状況を液晶モニターに出力する仕組みだ。一方、Bモードは視野率100%で測距位置を自由に変更可能、ただしフォーカスはMFのみとなる。

 BモードでAFが効けば、こうしたまどろっこしい問題はクリアされるだろうが、「撮像素子を使った像面AFの精度が実用に堪えない」(オリンパス)という理由で、現状の二重構造に至っているという。ユーザーは「AモードとBモードはどちらも一長一短」と、割り切って使うしかなかった。


新ファームウェアでBモードが進化

アップデートを行なうOLYMPUS Masterの「カメラのアップデート」機能。ほぼ自動でファームアップできる
 その問題をクリアするのが、22日公開の最新ファームウェアVer.1.2だ。BモードでAF動作を可能にするもので、ファームウェアは従来通り、付属ソフト「OLYMPUS Master」からUSB経由で更新する。アップデートは約2分で完了し、カメラ側で特に設定することなく、BモードでのAFが可能になる。

 新機能の操作と仕組みは次の通り。ミラーアップ(一般的なBモードの状態)→AEL/AFLボタンを押す→ミラーダウン→液晶モニターがAモードと同じ表示に→AFセンサーが測距→合焦→ミラーアップ→液晶モニターの表示がBモードに戻る。

 つまりミラー光路内の測距センサーを利用するため、瞬間的にBモードからAモードに切り替えて、測距してすぐBモードに戻るという仕組みになる。この方式は、今回のファームウェア公開前日の21日に松下電器が発表したライブビュー一眼レフカメラ「LUMIX DMC-L1」と同じタイプだ。DMC-L1は、撮像素子のLive MOSセンサーをはじめ、ミラーボックスなどファインダー周りがE-330と共通している。


測距前の画面。通常のBモードと同じ AEL/AFLボタンを押すとAモードと同じ表示に

測距後、自動的にBモードに戻る

Bモードの活用度が飛躍的にアップ

 実際に利用すると、これまでのBモードの使い勝手が大きく変わるのがわかる。BモードでAEL/AFLボタンを押すと「カチッ」という音とともにAモードに変更、すぐにBモードに戻る。その際、視野率が100%→92%→100%と変わるのがわかり、Aモードにおける視野率の狭さを改めて実感できる。動作速度は予想以上に高速で、動かない被写体なら特にストレスはないだろう。AEL/AFLボタンは小さいが、ほかのボタンから離れていることもあり、慣れればブラインドで押せる。

 最も実用的なのが、ある程度AFで合わせておいて、その後MFでじっくり合わせるという使い方。Zuiko Digitalレンズはフォーカスリングの追随性があまり良いとはいえず、BモードのMFで効率的に合焦させるには、ある程度の慣れが必要だった。これなら、レンズ交換直後のフォーカス合わせでの苦労が減ることだろう。

 また、モードを意識することなくAFが使えるとなれば、Bモードを積極的に利用しようという気になる。これまでBモード=三脚使用が前提というイメージが強かったが、AFが効くなら手持ちでも利用範囲が広がりそうだ。Aモードに移行するときだけ視野率や色身が一瞬変わるが、これはすぐ慣れる。

 ただしBモードでのAF測距点は、Aモードと同じ中央横3点のみとなる。10倍拡大との併用も可能だが、現実的には合わせたい位置をAFでおおよそ捉えてから、10倍拡大で追い込むという作業になるだろう。また、撮影まで時間がかかるため、高速で動く被写体や、構図を素早く決めて撮影しなければならない場合は、素直にAモードや光学ファインダーを使ったほうが良さそうだ。


10倍拡大の例。緑の枠内を拡大する 拡大後。ここからMFでフォーカスを追い込める

 もう1つ気になるのが、これからE-330を購入したとしても、購入直後に即上記のBモードAFが利用できないこと。ファームウェアが1.0のまま出荷されるためで、これはオリンパスのほかの製品にも共通する方針だという。従ってユーザーは購入後、OLYMPUS Masterをインストールしてアップデート作業を行なう必要がある。OLYMPUS Master自体は使いやすいソフトだが、余計な手間がかかるのは間違いない。

 もっと欲をいえば、Bモードで自由な測距位置を指定し、その場所をAFで合わせた後、10倍拡大しながらMFで追い込む……という流れになってほしいところだ。デジタル一眼レフで高速かつ精度の高い像面AFが可能になる日まで、楽しみに待つことにしよう。

※本記事の初出時、Aモードの説明において「測距センサーも光学ファインダー内のものを使い」、「小型CCDをキャプチャした測距センサーの画像を」という誤表記を、それぞれ「測距センサーもミラーボックス内のものを使い」、「小型CCDキャプチャしたファインダースクリーンの状況を」に変更しました。



URL
  オリンパス
  http://www.olympus.co.jp/
  製品情報
  http://olympus-esystem.jp/products/e330/
  レンズ交換式デジタル一眼レフカメラ機種別記事リンク集(E-330)
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/link/dslr.htm#e330


( 本誌:折本幸治 )
2006/06/27 17:44
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