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【インタビュー】オリンパスE-1で親子の写真を撮るブルース・オズボーン氏

〜デジタルで細かいコントロールがしやすくなった

ブルース・オズボーン氏
 23日〜29日まで、東京のオリンパスギャラリーでブルース・オズボーン氏の写真展「親子」が開催される。同写真展は、オズボーン氏が23年来のライフワークとして取り組んでいる、親子のポートレート約60点を展示するもの。

 オズボーン氏は、7月第4日曜日を「親子の日」として提唱しており、2004年の親子の日には、オリンパスのデジタル一眼レフカメラ「E-1」で100組の親子を撮影する「スーパーフォトセッション」を行なった。今年は機材をE-300に換えて、同様のイベントを行なうという。

 写真展には、23年前からの銀塩プリントと、昨年の親子の日に撮影したデジタルプリントが展示されている。

 オズボーン氏に「親子」の写真へのこだわりや、デジタルフォトとの関わりなどを伺った。なお本稿は、6月23日に同写真展会場で行なわれたインタビューを、編集部が再構成したものである。


親子とのコミュニケーションが大切

−−「親子」の写真を撮り始めたきっかけを教えてください。

オズボーン 雑誌の依頼で「アナーキー」というパンクバンドのメンバーを撮影したのがきっかけでした。パンクに見えない雰囲気で撮ったら面白いと思い、彼のお母さんに一緒に写ってもらいました。パンクの人たちは、親なんかいそうに見えませんから、親と並べてどんな関係になるのか、ギャップがあるのかを見てみたいと思ったのです。その頃、プライベートで子どもが産まれる直前だったのも影響しています。

 親子で写ってもらうと、確かにギャップもあるけど、お母さんもパワーがあって、息子に負けない個性があって、面白い関係が見えたのです。

 その後、展覧会をやることになったのですが、雑誌で撮った親子の写真が面白かったので、展覧会のテーマとすることにしました。対象をお相撲さんや消防士、お坊さん、普通のサラリーマンといったいろいろな立場の親子に広げて、親子に日本の社会が見えると面白いなと考えたのです。

 この展覧会の評判がよくて、本を出版したり、さらに展覧会を開いたりしました。

 最近では、初期に撮影した親子を、20年経った今、もう一度撮影したりもしています。


会場の様子。こちらは銀塩で撮影されたもの
昨年の親子の日に、E-1で撮影されたパネル

−−有名人なら写真を撮られ慣れているでしょうが、一般の人たちは撮影されるとなると照れたりするのではないでしょうか。しかし、オズボーンさんの写真ではみな自然な感じで写っています。なにかコツがあるのでしょうか。

オズボーン 照れるのも大切なことです。それと、写る人はカメラマンの鏡になっています。僕は、被写体となる人をリラックスさせるのがうまいかもしれません(笑)。

 こちらからポーズを指示したりはしません。広くて何もないスタジオに立つと不安になって「何かしなきゃ」という気分になります。そこからコミュニケーションが始まります。僕も彼らと元気に会話をしながら撮っていると、みんなのってきてくれます。親子と僕のコミュニケーションが大切です。なかなか表現しにくいところなのですが。

−−E-1での作品も含めて、すべてモノクロで撮影されているのはなぜですか?

オズボーン 昔からモノクロが好きでした。また、親子の関係にフォーカスしたいので、シンプルな白いバックと、色のないシンプルなモノクロを選んでいます。親子以外に気を散らすものが何もない、親子だけの状態を作りたいのです。カラーで撮るとスナップ写真のようになってしまいがちですが、モノクロ写真にはパワーがあると思います。


デジタルで、1カ月も暗室に篭らなくてよくなった

写真展のレセプションで挨拶するオズボーン氏。隣は共に「親子の日」を推進する奥様
−−1組の撮影にはどのくらいの時間をかけるのですか?

オズボーン 親子の日の写真は、1日で100組撮らなければなりませんから、1組5分弱です。それ以前の銀塩プリントでは、1組に半日かけたケースもありますが。

−−親子の日のE-1を使った作品では、1組あたり何枚ほど撮影するのですか?

オズボーン だいたい20〜40枚は撮ります。データは全部で45GBにもなりますから、E-1をコンピュータにつないで、撮影した画像を直接コンピュータに保存しました。コンピュータは保存用、バックアップ用、プリント用と3台用意しました。

 今年の親子の日は、800万画素のE-300を使う予定なので、データ量が増えます。データの保存にはRAID(レイド。複数のハードディスクに自動的にバックアップを取るシステム)を使おうと考えています。

−−45GBもあるとセレクトが大変そうですね。

オズボーン ええ、セレクトだけで2週間ほどかかります。その後、データの加工に1カ月から1カ月半かかります。すべてRAWで撮影してますから、現像して、トリミングして、レタッチするのです。

−−モノクロ画像には、コンピュータ上で変換するのですか?

 そうです。E-300にはモノクロ撮影機能がありますが、E-1にはありません。

 Olympus STUDIOでRAWを現像していますが、この時、銀塩のモノクロ写真を焼くときのように、赤やオレンジや黄色のフィルターをかけて、コントラストやトーンをコントロールすることができます。

−−銀塩とデジタルの違いは、どんなところで感じられますか?

オズボーン 夏は白い洋服を着ている親子が多いのですが、フィルムでは白いバックを飛ばして、洋服の質感を残すことができます。デジタルでは撮影時にバックを飛ばすと洋服も飛んでしまうので、少し暗めに撮って、後でバックだけ飛ばすようにしています。

 しかし、フィルムの時は撮影後に1カ月も暗室に篭らなければならず、地獄のようでした(笑)。また、デジタルでは暗室作業よりも細かいコントロールがしやすくなりました。


−−E-1によるデジタルプリントはパネル貼りですが、銀塩プリントはキャンバスに貼られているのが印象的です。

 キャンバスに貼ったのは、銀塩のアナログなフィーリングを大切にするためです。

 11月に金沢21世紀美術館で展覧会をやりますが、大きなスペースを使えるので、どんなプリントにしようかと考えているところです。デジタルプリントになることは間違いないでしょう。


夏休み前に、親子について考える

−−最後に、オズボーンさんが提唱されている親子の日をアピールしてください。

オズボーン 母の日や父の日のように、年に1回、親子について考え、親子で一緒に時間を共有し、電話でも写真でもいいのですが、コミュニケーションをとる日があってもいいと考えました。

 母の日や父の日はプレゼントをあげたりして、一方通行のコミュニケーションになりがちですが、親子の日は双方向のコミュニケーションをとるのが特徴です。

 親子の日を7月の第4日曜日にしたのは、母の日が5月の第2日曜、父の日が6月の第3日曜だから、おぼえやすいと思いました。

 また7月の第4日曜日は夏休みが始まる日でもあります。子どもが学校から家庭に戻ってくる日ですから、夏休みが始まる前に、親子についてみんなで考えてみたいと思ったのです。

−−どうもありがとうございました。



URL
  Ozone(ブルース・オズボーン氏のサイト)
  http://www.intheozone.net/
  ブルース・オズボーン写真展「親子」
  http://www.olympus.co.jp/jp/gallery/opg/2005/opg050623.cfm
  親子の日
  http://www.oyako.org/

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オリンパス、ブルース・オズボーン氏写真展「親子」を開催(2005/06/16)


( 本誌:田中真一郎 )
2005/06/24 15:15
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