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【新製品レビュー】ソニー サイバーショット DSC-P200

〜ソニースタイル限定発売のPシリーズ最新機種

 従来は普通の流通ルートに乗せていたソニーのサイバーショット「Pシリーズ」だが、今回の「DSC-P200」はソニーの直販サイト、ソニースタイル限定商品として発売される。

 外観は基本的に従来のPシリーズを踏襲。メニューなどの操作性もほとんど変わらず、従来のPシリーズのユーザーが買い換えるための商品と位置付けているようだ。

 そのためということか、購入者がメモリースティックを持っていることを前提として、メディアは同梱されない。また、既存ユーザー向けの製品のため、Duoではなく、通常のメモリースティックスロットを採用している。有効画素数720万画素の1/1.8型CCDを採用。最大出力は3,072×2,304ピクセル。バッテリーはインフォリチウムRタイプを使用し、CIPA基準で370枚/185分の撮影が可能。撮影時重量は180g。

 レンズはCarl Zeissブランドの光学3倍ズーム。35mm判換算で38〜114mmに相当する画角を持つ。明るさはF2.8〜5.2。一般的な消費者ニーズとして望遠が長い方が喜ばれるという傾向があるようだが、筆者の感覚では広角側が38mm相当というのはちょっとせまい。28mmとまで言わないので、せめて30mmとか32mmとか、30mm代前半程度の広角はほしいと思うが、これは好みの問題だろう。

 ただ望遠側で明るさがF5.2まで落ちてしまうのは残念な部分。実質的には、コンパクトズーム機によく採用されているF4.8でもF5.2でも大差があるわけではないが、どんどんレンズが暗くなる傾向に歯止めをかける意味で、作る側にも「せめてF5の桁には乗せない」といったこだわりがあっても良いのではないだろうか。レンズの暗さは「手ブレによる失敗写真」という形でユーザーに影響を及ぼしているはずで、それを防ぐために増感してノイズが増える問題も起きる。レンズが暗くなる傾向がこれ以上加速されないことを願う次第だ。






Pシリーズ伝統のインターフェイス

 基本的なボタン類の配置は従来とほぼ換わらない。三脚座はボディ下の中央付近で、ややレンズよりの位置。理想的には、レンズ、ファインダー(液晶モニター)、三脚座は同軸に配置されているのがベストと考えるが、この手のコンパクトデジカメの場合、多少ずれていても大きな問題ではないだろう。

 ボディ上部のPOWERボタンで起動、終了が行なえる。沈胴式レンズの動きもキビキビしており、軽快である。背面にはモードダイヤル、ズームレバー、十字型ボタン、ディスプレイ、メニュー、画素数選択/削除のボタンがある。メニューも従来からのスタイルを踏襲しており、慣れている人には全く違和感がないだろう。メニューはカーソルを動かすだけで選択でき、いちいちOK(あるいはSETなど)ボタンを押す必要がないため、慣れると素早い操作が可能である。

 AFモードはシングルAFと、シャッターボタンの半押しなしでも被写体に対してピントを合わ続けるモニタリングAFを搭載。AFエリアはマルチポイントAFの5点自動測距と、中央重点AF、スポットAF。フォーカスプリセットとして0.5m / 1.0m / 3.0m / 7.0m / ∞が選べる。


【撮影時画面】 【露出補正】 【ホワイトバランス】

【フォーカス】 【測光モード】 【カメラ設定1】

 液晶画面を拡大するなどしてMFを細かく設定させる機種もあるのだが、液晶の視認性と、コンパクトデジカメの深い被写界深度の関係から、筆者はこのようなプリセットの方が実用的だと考えている。今回は使用していないが、お祭りなど近距離で素早い撮影が必要な場合に、1m、あるいは3mなどにプリセットしておいて、AFを省略して撮影するような使い方をする。過去の経験から言うと、2mのプリセットがあればさらに使いやすいだろう。

 撮影モードはプログラムAEとマニュアル露出、それに9種類のシーンモードだ。夜景、夜景&人物、風景、ソフトスナップ、キャンドル、スノー、ビーチ、打ち上げ花火、高速シャッターがある。フルオートモードもプログラムオートと別途に用意されている。シャッター速度はフルオートで1/8〜1/2,000秒。プログラムオートは1〜1/2,000秒。マニュアル露出の場合は30〜1/1,000秒までとなっている。ISO感度は100/200/400とオート。


ワンプッシュホワイトバランスを装備

 ホワイトバランスには、ワンプッシュのカスタム設定が加わっている。このクラスに必要かどうかという議論はあるだろうが、室内光はいろいろな反射が混じり合って色が濁るものなので、ワンプッシュを便利に使う人も出てくるのではと思う。白い紙と言っても、普通のコピー用紙などではペラペラで使いにくい。かといって厚手のしっかりした白い紙を用意するのも案外面倒なものだ。それでも、個人商店のWebサイトやオークション出品など、商品撮影をするような場合などをはじめ有効性は高い。

 保存ファイルの圧縮率としてファインとスタンダードが選べる。最も記録解像度の高い「7M」(3,072×2,304ピクセル)の場合、ファイルサイズはファインで約3MB、スタンダード画質で1.5MB強というところか。画素数が720万画素と多いので、プリント時の引き伸ばし率は比較的低い。よほどでない限りはスタンダード画質を常用していて問題はないだろう。

 連写機能は通常の連写に加え、1コマに16分割で写し込むマルチ連写を選べる。マルチ連写は秒7.5/15/30コマから選択できる。マルチ連写をDSC-P200で再生すると、分割された画像がコマ送りで再生されるので、なかなか面白い。秒30コマあればゴルフスイングなどを撮影しても有効だろう。通常の連写は7Mファインで5コマまでの連写ができるが、かなり遅いので、使う場面は限られるだろう。

 動画はMPEGムービーVX。記録方式はMPEG-1。メモリースティックPRO、もしくはPRO Duoを使用する場合は、640×480ピクセルで30fpsの撮影が可能。その他メディアでは17fps。撮影中のズームはできない。動画撮影で不便に感じたのは、セットアップの設定内容が静止画と動画で共通してしまうこと。たとえば動画はオートホワイトバランスで、モニタリングAFに設定し、静止画はホワイトバランスをデーライト、シングルAFにしておきたいというニーズは存在すると思うのだが、設定した項目が他方にも反映されてしまうため、切替たい場合は、その都度設定し直す必要が出てくる。

 カラーエフェクトは、セピアとモノクロの2種類。以前はソラリゼーション、ポスタリゼーションなどの効果があったのだが、最近は一部の機種を除いて省略される傾向にある。使用頻度が低いのだろうか。しかし、デジタルカメラならではの遊びの機能といえる。撮影時に二者択一では使う人は少ないのだろうが、再生モードで加工できるような遊びは、増えた方がデジカメとしてより楽しい。

 背面にはPシリーズで最大の2型液晶を搭載している。光学ファインダーも搭載しているが、当然のように何の撮影情報も表示されず、窓の脇の合焦ランプが目に入る程度。かなり小さくて、視認性も良いとはいえない。視度補正もないが、あったとしてもファインダーが小さく、有効ではないだろう。


 この製品を設計するとき、3つの選択肢があったはずだ。1つ目は、光学ファインダーを廃止してさらに小さいボディにすること。2つ目は、光学ファインダーを廃止して、やや大きくなるものの2.5型液晶を搭載すること。3つ目の選択肢が現在のように、2.0型と光学ファインダーを両立させることだろう。筆者が開発責任者ならば、まさにこの順番で選択をしたはずだ。

 光学ファインダーを否定するわけではないが、何の情報表示もなく、アバウトに写る範囲を確認するだけの光学ファインダーならば、その有効性には疑問を持つ。どうせ光学ファインダーをつけるならば、せめて絞りとシャッタースピードくらいは確認できる、視野率も95%程度の光学ファインダーをつけてもらいたい。そのような光学ファインダーなら歓迎するが、この程度の光学ファインダーの存在には、疑問を持っている。

 再生は、最初に粗い画像が表示され、数秒後に高精細な画像に切り替わる方式。粗い画像の段階でコマ送りをすると高速にめくれるため、ざっと見るには便利な仕様である。一コマめくって即座に拡大したいというニーズだと、「アクセス中」の表示が出て少し待たされる。といって最初から高精細表示にするためコマ送りが遅くなるようでは困るので、一般的には便利な仕様であり、評価できる考え方だろう。


まとめ

 ソニーでは直販専用モデルの扱いだが、店頭売りが難しいほど個性が強い製品、というほどではなく、むしろPシリーズの正常進化系であり、このシリーズのユーザーなら違和感なくステップアップできるオーソドックスな機種である。300万〜400万画素程度のPシリーズをお使いなら、買い換えを検討するのも良いだろう。


※作例のリンク先は、撮影した画像データそのものです(ファイル名のみ変更してあります)。縦位置のものは、サムネールのみ回転していますが、拡大画像はあえて回転せずに掲載しています。クリックすると撮影した画像が別ウィンドウで表示されます。

※キャプション内の撮影データは、画像解像度(ピクセル)/露出時間/絞り値(F)/ISO感度/露出補正値(EV)/焦点距離(mm)です。


画角

3,072×2,304 / 1/160(秒) / 5.6 / 100 / 0 / 7.9
 右は道路脇で見かけたショベルカーの運転席。これを撮影するにも、一歩下がらないと収まりきらなかった。広角側38mmは、感覚的に広角と言うよりは標準域に近いように思う。


【広角端】3,072×2,304 / 1/100(秒) / 5.6 / 100 / 0 / 7.9 【望遠端】3,072×2,304 / 1/250(秒) / 5.2 / 100 / 0 / 23.7

【広角端】3,072×2,304 / 1/250(秒) / 2.8 / 100 / -0.3 / 7.9 【望遠端】3,072×2,304 / 1/25(秒) / 5.2 / 100 / -0.3 / 23.7

ISO感度

 ISO400の画像を20×26.67cm(292.608dpi)の大きさに印刷し、プリントで評価した。壁や天井などのグレーの部分にはノイズが感じられるものの、実用上の問題はないレベルと考える。画素数が増えた分だけノイズのサイズも小さくなるので、同一サイズのプリントならより目立たなくなる。


【ISOオート】3,072×2,304 / 1/15(秒) / 2.8 / 100 / 0 / 7.9 【ISO100】3,072×2,304 / 1/6(秒) / 2.8 / 100 / 0 / 7.9

【ISO200】3,072×2,304 / 1/13(秒) / 2.8 / 200 / 0 / 7.9 【ISO400】3,072×2,304 / 1/25(秒) / 2.8 / 400 / 0 / 7.9

ホワイトバランス

 オートで2カット撮影したらホワイトバランスがこれだけ異なる結果になった。他の作例でも、1コマごとに大きく動いている。使えないほど大幅に狂ったケースはなかったものの、もう少し安定してほしいものだ。

 ワンプッシュのホワイトバランスを使うケースとしては、商品撮影、日陰のポートレート、室内での撮影が主になると思われる。特に商品撮影では内蔵フラッシュを使わない方が良好な結果が得られる。三脚にセットしてワンプッシュホワイトバランスを取った写真なら、オークションの入札額も少しは上がるかもしれない。


【オート】3,072×2,304 / 1/250(秒) / 5.6 / 100 / -0.3 / 7.9 【オート】3,072×2,304 / 1/320(秒) / 5.6 / 100 / -0.7 / 7.9

【オート】3,072×2,304 / 1/250(秒) / 5.6 / 100 / 0 / 7.9 【太陽光】3,072×2,304 / 1/320(秒) / 5.6 / 100 / 0 / 7.9

【オート】3,072×2,304 / 1/25(秒) / 2.8 / 400 / 0 / 7.9 【ワンプッシュ】3,072×2,304 / 1/25(秒) / 2.8 / 400 / 0 / 7.9

シャープネス

 ノーマル、強、弱の3種類を設定できる。強にするとかなりエッジが立ってしまうので、あまり使う場面が思い浮かばない。弱はまたぐっとソフトになるので、ソフトフォーカス的に使うこともできそうだ。強弱共に中間の設定がほしい。


【標準】3,072×2,304 / 1/200(秒) / 5.6 / 100 / 0 / 7.9 【強】3,072×2,304 / 1/200(秒) / 5.6 / 100 / 0 / 7.9 【弱】3,072×2,304 / 1/200(秒) / 5.6 / 100 / 0 / 7.9

タイムラグ

 駅と駅の中間なので電車もスピードを出している区間。あらかじめAFロックをかけておき、液晶モニターの中でタイミングを計ってシャッターを押したが、画面の中にちゃんと収まった。液晶モニターでの確認だから1/30秒以上の遅れはあるはずなので、かなり良い方だろう。これは最初の1枚、一発で撮影したもの。


3,072×2,304 / 1/200(秒) / 5.6 / 100 / 0 / 7.9

ストロボ

 日中シンクロを行なって、影を薄くしてみたもの。晴天の場合、逆光のみならず順光でも、人物撮影などでは強制発光モードを使うとうまくいくことが多い。


3,072×2,304 / 1/400(秒) / 5.6 / 100 / 0 / 7.9 3,072×2,304 / 1/400(秒) / 5.6 / 100 / 0 / 7.9

歪曲収差

 一見、コンパクトとしては歪みの少ないレンズに見えるが、38mm相当の準標準程度の画角だと考えると、結構歪みが大きいといえる。最近は28mm相当の画角の機種でもこの程度に収まっているので、38mmならもっと補正してもらいたい。


【広角端】3,072×2,304 / 1/125(秒) / 5.6 / 100 / 0 / 7.9 【望遠端】3,072×2,304 / 1/160(秒) / 5.2 / 100 / 0 / 23.7

逆光順光

 同じ畑を両側から逆光と順光で撮影している。逆光の空が白飛びしているが、この真上に太陽があるのでやむを得ない。むしろ順光において、描写がおとなしいのが物足りなく感じられる。

 実際の天気は写真に近く、忠実な描写ではあるのだが、最近のコンパクトデジカメはより青空を強調して印象的に写る機種が多い。忠実ではあるが、写した人の期待値に近いかどうかは、また別の基準となろう。


【順光】3,072×2,304 / 1/400(秒) / 5.6 / 100 / 0 / 7.9 【逆光】3,072×2,304 / 1/80(秒) / 10 / 100 / 0 / 23.7

マクロ

 マクロモードでのワイド端の最短撮影距離は6cmなので、それほどマクロに特徴を持つ機種ではない。Tシリーズでは1cmのマクロもできるので、Pシリーズにももう一息頑張ってもらいたい部分である。


3,072×2,304 / 1/200(秒) / 2.8 / 100 / 0 / 7.9 3,072×2,304 / 1/640(秒) / 5.6 / 100 / 0 / 7.9

3,072×2,304 / 1/250(秒) / 2.8 / 100 / 0 / 7.9 3,072×2,304 / 1/320(秒) / 5.6 / 100 / 0 / 7.9

夜景

 夜景モードにすると、増感せずにスローシャッターになる。夜景モードというからには三脚の使用を前提に考えるものであり、正しい選択だろう。


【ISO100】3,072×2,304 / 1/1.3(秒) / 2.8 / 100 / 0 / 7.9 【ISO200】3,072×2,304 / 1/2.5(秒) / 2.8 / 200 / 0 / 7.9 【ISO400】3,072×2,304 / 1/5(秒) / 2.8 / 400 / 0 / 7.9

【ISOオート】3,072×2,304 / 1/1.3(秒) / 2.8 / 100 / 0 / 7.9 【夜景】3,072×2,304 / 1/13(秒) / 2.8 / 100 / 0 / 7.9

連写




彩度

【標準】3,072×2,304 / 1/500(秒) / 5.6 / 100 / -0.3 / 7.9 【強】3,072×2,304 / 1/500(秒) / 5.6 / 100 / -0.3 / 7.9 【弱】3,072×2,304 / 1/500(秒) / 5.6 / 100 / -0.3 / 7.9

カラー

【標準】3,072×2,304 / 1/100(秒) / 2.8 / 100 / 0 / 7.9 【セピア】3,072×2,304 / 1/125(秒) / 2.8 / 100 / 0 / 7.9 【モノクロ】3,072×2,304 / 1/100(秒) / 2.8 / 100 / 0 / 7.9

そのほか

 全般的にクリアーで使いやすい画質といえる。写真的にはヌケがよいというが、ソニーらしい良好な画質である。特にシャドー部の描写に優れ、極端につぶれてしまうことがなく、ファミリーユースには好適だろう。


3,072×2,304 / 1/400(秒) / 5.6 / 100 / 0 / 7.9 3,072×2,304 / 1/500(秒) / 5.6 / 100 / 0 / 7.9

3,072×2,304 / 1/200(秒) / 5.6 / 100 / 0 / 7.9 3,072×2,304 / 1/100(秒) / 5.6 / 100 / 0 / 7.9

3,072×2,304 / 1/500(秒) / 7.1 / 100 / 0 / 13.7 3,072×2,304 / 1/30(秒) / 2.8 / 100 / -0.7 / 7.9

3,072×2,304 / 1/250(秒) / 2.8 / 100 / -0.7 / 7.9


URL
  ソニー
  http://www.sony.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.sony.jp/products/di-world/cyber-shot/news/news050602b.html
  製品情報
  http://www.sony.jp/products/Consumer/DSC/DSC-P200/
  ソニースタイル販売ページ
  http://www.jp.sonystyle.com/Product/Dsc_mvc/Dsc-p200/

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ソニー、720万画素光学3倍ズームの「サイバーショット DSC-P200」(2005/06/02)


( 安孫子 卓郎 )
2005/06/13 00:04
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