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三菱電機、カラーマネジメントソフト「EASYCOLOR! 2」を解説

~測色器なしで簡単な操作を実現

三菱電機デジタルメディア事業部映像情報計画部長の村田光司氏
 三菱電機は20日、ディスプレイ用カラーマネジメントソフト「EASYCOLOR! 2」の記者向け説明会を開催した。

 EACOLOR! 2は、同社製液晶ディスプレイ用のカラーマネジメントソフト。測色器を用いずにディスプレイのカラーキャリブレーションを行なうことが可能。対応製品に同梱するほか、Webサイトから無償でのダウンロードもできる。対応モデルは、「RDT261WH」、「RDT204WM-S」、「TDR223WM」「RDT223WM-S」。対応OSはWindows Vista。

 説明会では、三菱電機デジタルメディア事業部映像情報計画部長の村田光司氏がソフトの解説を行なった。

 村田氏は冒頭、ディスプレイ表示とプリントの色が合わない原因を解説した。上下の視野角が比較的狭いTN方式パネルや、ノートPCのディスプレイはカラーマッチングには不向き。また、長期間使用し表示品質が劣化したディスプレイも色あわせは難しい。カラーキャリブレーションを行なう場合は、視野角の広いVAまたはIPSパネルを使用したディスプレイが適している。

 さらに、ディスプレイの色温度(白色点)とディスプレイの輝度が、環境光と整合していないことが色の不一致を起こす大きな要因。「多くの場合、ディスプレイに表示される画像にプリントを近づける方法を採る人が多いが、プリントを基準にしてディスプレイの表示を合わせていくアプローチが手間が少なく確実」とした。プリンターは、メーカーの推奨設定やプリンタプロファイルの使用など正しい使い方をすれば、大きく色がずれることはないという。


色が合わない要因 色の不整合は、ディスプレイの調整が不十分である場合が多い

「高性能なディスプレイを使った方が、容易に色合わせができる」(村田氏) デモで使用した同社の広色域ディスプレイ「RDT261WH」。Adobe RGB比95%で、IPSパネルを採用する

EASYCOLOR! 2の動作
 EASYCOLOR! 2は、Windows Vistaでサポートしているディスプレイとの双方向通信「DDC/CI」(Display Data Channel Command Interface)を用いて、ディスプレイの色情報を自動検出してプロファイルを自動生成し、インストールすることが可能。なお、Macintosh版も開発中で、数カ月後の公開を目指しているという。

 これまで、ハードウェアキャリブレーション作業に必要だった、ターゲット値の設定や、オンスクリーンディスプレイでの設定が不要で、簡単にキャリブレーションが行なえる。また、ディスプレイ色調整用チャートと見比べながら作業を進めるため、直感的な操作で調整できるのもメリット。


調整用チャート。「無彩色となる、石膏像とグレーの背景を見ながら調整するのがポイント」(村田氏)
 EASYCOLOR! 2のモードは、色温度と輝度調節のみの「かんたんモード」と、微調整が可能な「詳細モードに分かれている。色温度と輝度調整を行なうだけで60点をクリアできる。さらに、良いディスプレイと微調整をすることで90点になる」と紹介した。

 簡単モードでは、ディスプレイの前に調整用チャートを置き、白色プリセット(蛍光灯の色)を選択する。次にチャートと画面の画像が同じ明るさになるように輝度調節のスライダーを操作する。この2つで設定は完了する。

 詳細モードでは、さらに白色点マップ上をクリックすることで、色味の微調整を行なう。グリーンまたはマゼンタの調整も可能。シアン/イエロー方向だけでなく、グリーン/マゼンタ方向の調整ができるソフトは少ないとのこと。チャート内の石膏像と背景で合わせるのがポイント、無彩色部分に色被りが無いように操作する。なお、詳細モードでは白色点マップのほかに、カラーバリエーションから選択する方法も使用できる。


EASYCOLOR! 2の調整ウィザードを起動したところ。画面のようにチャートをセットする チャートをセットしたところ

始めに蛍光灯の色温度を選択する。ほとんどの場合、左側の昼白色で問題ない 次にチャートと画面見比べながら輝度を調節すれば、かんたんモードでの調整は完了

詳細モードでは、カラーマップかカラーバリエーションで調節可能 カラーマップで調整しているところ

ディスプレイ調整後のプリント(右)との比較。画像データはAdobe RGB ほぼ同じ色味に調整できているのがわかる

任意の画像を見ながらの微調整も可能
 また、自分で作成したプリントと比べての調整もできる。特にグリーン/マゼンタの追い込みで、精度が向上する。EASYCOLOR! 2で設定した白色点と輝度をターゲットにして、市販の測色器を用いることで、さらに精度の高いキャリブレーションも可能。

 基本的にはシングルディスプレイ環境にしか対応していないが、デュアルディスプレイでもプロファイルを入れ替えることで使用できる。方法は、1台目のディスプレイをシングルディスプレイ状態でキャリブレーションしたICCプロファイルをリネームして保存する。次に、2台目のディスプレイに切り替えてキャリブレーションを行なう。最後に1台目のディスプレイを再接続し、リネームしておいたICCプロファイルを適用する。

 なお、調整用チャートはディスプレイへの同梱が始まっているが、以前にディスプレイを購入したユーザーはWebサイトから申し込むと、郵送でチャートを受け取ることができる(無償)。


測色器を併用することで、ディスプレイの個体差や経年変化を考慮した調整ができる


URL
  三菱電機
  http://www.mitsubishielectric.co.jp/
  製品情報
  http://www.mitsubishielectric.co.jp/visual/cmf/easycolor/index.html

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三菱電機、カラーマネジメントソフト「EASYCOLOR! 2」(2008/10/20)


( 本誌:武石 修 )
2008/11/20 16:46
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