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【インタビュー】着実な進化がみてとれるアドビ「Lightroom 2」


マーケティング本部クリエイティブソリューション部デザイングループの日下部徳彦氏
 2007年3月の正式版の発売以来、何度もバージョンアップを重ねてきたアドビの「Photoshop Lightroom」。さらに4月には、大幅な機能アップをはたした「2.0 Beta」が公開された。

 その正式版が、9月中旬発売の「Photoshop Lightroom 2」になる。価格は、通常版が3万3,600円、通常版ダウンロード価格が3万2,000円。対応OSはWindows XP/Vista、Mac OS 10.4.11〜10.5.2。

 Lightroom 1.xの日本語版正規登録ユーザーには、アップグレード版も用意される。価格は1万1,340円。アップグレード版ダウンロード価格なら1万800円で購入できる。

 強化点やコンセプトを中心に、日本法人のマーケティング本部クリエイティブソリューション部デザイングループの日下部徳彦フィールドマーケティングマネージャーにLightroom 2の特徴を訊いた。





Photoshopより先に64bit OSに対応

Photoshop Lightroom 2。ライブラリモジュールを表示した状態


――予想以上に早いメジャーバージョンアップと感じますが、この時期にリリースする理由は?

 正式版を公開後も機能を追加してきましたが、マイナーアップデートの規模では対応できない機能の要望が増えてきました。フィードバックを反映させたくてもできなくなってきたのです。そこで、メジャーバージョンアップに踏み切りました。

 また、海外ではナローバンドのユーザーも多く、30〜40MBのアップデータのダウンロードがきついという話もききます。「メディアで対応できないか」という声もありましたが、現在、CD-ROMなどでの配布は基本的に行なっていません。

――Lightroomは今までにないコンセプトの製品でした。Ver.1.41までのユーザー層は想定通りでしたか?

 国内ではプロ写真家とハイアマチュアが合わせて50%、残りの50%はハイアマチュアを除くコンシューマーです。おかげさまで、プロ写真家には口コミやSNS経由などで購入いただいたケースもあります。

 ただし、プロ写真家は国内に5万人といわれており、まだ伸びる余地があることは認識しています。

 そうした中、2007年のカメラグランプリ特別賞をいただいたのは励みになりました。写真に特化したソフトウェアが、プロ写真家の世界で評価をいただけるまで、非常に長い時間がかかりました。その努力が報われたと思います。

――製品コンセプトに変わりはありませんか?

 Lightroom 2でもコンセプトは基本的に同じです。プロ写真家のワークフローに特化し、デジタル写真の管理、現像、公開などを担当します。

 加えて、入門者にも訴求したいと考えています。というのも、デジタル一眼レフカメラを購入された初心者の場合、1年前だとJPEGでの撮影がほとんどでした。しかし、最近ヒアリングした結果、RAWで撮影する方がかなり増えている。初心者であってもRAWを使いたい方や、ハイアマチュア一歩手前の方にもアピールできればと思います。


――今回から64bitのOSに対応しました。具体的なメリットは?

 メモリ容量を増やせることでしょう。最近は画像そのもののファイルサイズが大きくなり、さらに撮影枚数が増えている傾向にあります。すると、メモリを2GB搭載していても、場合によっては速度が遅くなる。64bitなら大量のメモリをつめるので、画像の枚数が多い人なら、速度の向上を体感できると思います。アドビのソフトで64bit対応は初めてです。

――Photoshopの64bit対応はまだでしょうか。

 Photoshopは昔からの製品なので、移植をするのにもう少し時間がかかる見込みです。開発ペースがLightroomとPhotoshopで違い、Lightroomの方が速く対応できました。

――4月に公開されたBeta 2.0をインストールしている場合、正規版を上書きしてインストールして良いのですか?

 Beta 2.0をいったん削除することをお勧めします。なお、2.0は1.0のカタログ形式を扱えませんが、インポートすると変換作業が自動的に始まります。

――Beta 2.0と正式版に違いはありますか?

 Beta 2.0には「段階フィルタ」が入っていませんでした。今回の目玉といえる機能です。それにBeta 2.0はインターフェイスが固まる以前のものだったので、見た目がかなり違っています。例えば、デュアルモニターのスイッチャーの位置などが違いますね。


強力な検索機能と「段階フィルタ」

新機能のライブラリフィルタ。メタデータなどでの絞り込みが容易に行なえる
――ライブラリモジュールでは、検索のインターフェイスが大幅に変わりました。新機能の「スマートコレクション」と「ライブラリフィルタ」に統合されたと考えて良いのでしょうか。

 大量の画像を扱うと、これまでのフォルダやコレクションの管理では限度がありました。スマートコレクションは、条件に合った画像を自動的に絞り込む機能で、条件の組み合わせでいかようにも検索できます。AND、OR、NOTも設定できます。

――現像モジュールに移動すると、右側のスマートコレクションパネルが消えてしまいますね。検索結果をそのまま現像モジュールに表示させられないのでしょうか。

 現像するときは、スマートコレクションは適用外になります。現像するということは、現像すべき写真を選んだ後の状態である考えています。

――1.41でもBeta 2.0でも、「選別」では複数画像の同時等倍表示ができませんでした。今回も同じですか?

 できません。2画像までなら「比較」で行なえます。

――新機能の「補正ブラシ」は、どういう使い方を想定しているのですか?

 ある部分だけ明るさや彩度などを変えたいときに威力を発揮します。例えば覆い焼きや焼き込みです。モノクロの一部だけコントラストを強くするなど、使い方は多彩です。ただし、ピクセル単位で修正したい場合は、Photoshopにデータを渡して行なった方が良いと思います。


「段階フィルタ」で空などのグラデーションを調整できる

――新機能では「段階フィルタ」が一番派手に感じます。グラデーションを調整したいという要望は多いのでしょうか。

 はい。特に空や海を美しく仕上げたいときでしょう。ブラシツールではべたっとした効果にならない反面、段階フィルタならグラデーションを調整できるので、奥行き感が欲しいときに活用できます。

――「ディテール」に等倍表示のウィンドウがつきました。色収差を補正するときは、3倍など等倍以上にして見たいのですが……

 現在のバージョンでは等倍のみです。

――プリントモジュールの新機能「ピクチャーパッケージ」とは? コンタクトシートと何が違うのでしょうか。

 ひとつの写真を複数並べるもので、余白を減らす方向で配置されます。証明写真などでの利用を想定しています。


Photoshopとの連携も強み

――デュアルモニター環境への対応も今回の目玉だと思います。要望は多かったのですか?

 ワークスペースを広く取りたいという要望は多くありました。その答えのひとつがデュアルモニターへの対応です。サブウィンドウを「ルーペ」にしたときのライブ表示の速さ(メインウィンドウのカーソル付近をリアルタイムで等倍表示する)は、32bit OSでも速度を最適化し、今まで以上の高速化を実現したためです。

 ちなみに、サブウィンドウを「スライドショー」にすると、メインウィンドウの操作と関係なくスライドショーを流しっぱなしにできます。スライドショーはデュアルモニターと相性の良い機能です。自分のポートフォリオをスライドショーで見ていると、新たな発見があるといわれたこともあります。

――最後に、アップルの「Aperture 2」に対する優位性をお聞かせください。

 Lightroomの検索機能は今回かなり充実したので、Aperture 2より優れていると自負しています。それに、独自の段階フィルタも強力です。次は放射状にグラデーションをつける要望が出ると思いますが、とにかく、立体感を写真の中に付けられるのがLightroom 2の強みでしょう。

 Photoshopとの連携もLightroom 2の特徴になります。データをPhotoshopに渡すとスマートフィルタになるので、その後の作業が簡単です。HDRやパノラマ合成の素材としても渡せます。Photoshopでイメージ通りの効果を与えられるのが強みですね。



URL
  アドビ
  http://www.adobe.com/jp/
  製品情報
  http://www.adobe.com/jp/products/photoshoplightroom/

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( 本誌:折本 幸治 )
2008/08/27 00:46
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