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Photoshopの伝道師「ドクター」ラッセル・ブラウンにインタビュー

〜Lightroom 1.0は来年早々に

ラッセル・ブラウン氏
 米Adobe Systemsのラッセル・ブラウン氏は「シニアクリエイティブディレクター」という肩書きを持っているが、一般には「Photoshopエバンジェリスト」という呼び名のほうが知られている。エバンジェリストとは「伝道師」、つまりPhotoshopの魅力や使い方をユーザーに伝え、開発者とユーザーの仲立ちをするのがその仕事だ。

 さらに言えば、ブラウン氏はAdobeの社員というよりも、「名うてのPhotoshop遣い」として有名だ。Webサイト( http://www.russellbrown.com/ )やポッドキャスティング、製品に付属するCD-ROMやセミナーなどで数々のTipsを発信することで、高機能と引き換えに複雑でわかりにくくなったPhotoshopの使い方を教えてくれる。その語り口はショーアップされ、「ソフトの使い方のお勉強」というイメージからはほど遠い。

 28〜29日に東京で開催されたPhotoshopユーザーのイベント「Photoshop world」でも、海賊姿やマッドサイエンティストのコスチュームで、TipsやPhotoshop CS3の新機能を披露してくれたが、そのときの格好そのままでインタビューに応じてくれた。


シンプルなカラー補正はLightroomで

Photoshop worldでのLightroom
−− まず、写真家にとって今最も話題のLightroomについて教えてください。

ブラウン ええ、Lightroomはホットトピックであるべきソフトウェアです。デジタルフォトグラファーが行なうあらゆる処理を迅速にこなします。写真家は忙しいですから、写真を1枚1枚ペイントしたり調整するような贅沢はゆるされていませんが、Lightroomがあれば多数の写真を高速に処理できます。

 今回のPhotoshop worldでお見せしたLightroom β5には、スポット修正機能(クローン/ヒール)が付きました。写真に写り込んだデジタルカメラのセンサーのゴミを除去できるので、写真家の皆さんにLightroomを採用していただく強い動機付けのひとつになるでしょう。

−− 今「β5」とおっしゃいましたが、ステージ上で見せられたLightroomには「1.0」と書いてあったように記憶しています。

ブラウン よく見てますねぇ。β5は完成版に非常に近いバージョンだろうと思います。

−− 1.0の前にβ5が公開されるんですか?

ブラウン 答えは「No」です。来年早々には正式発表できるでしょう。

−− LightroomとPhotoshop CS2はどのように使い分けるべきなのでしょう。

ブラウン 私のバックグラウンドはグラフィックデザイナーですから、Photoshopなしではやっていけません。Lightroomの機能で調整できることよりも、もっといろいろなことをやりたいので、LightroomとPhotoshopを連動させて使うことになるでしょう。シンプルなカラー補正はLightroomで、“クレイジーな”補正はPhotoshopでやるというのがいいでしょう。私はこのとおり見た目もクレイジーですし。

−− 100〜1,000枚単位の画像を読み込むと、Lightroomの動作が遅くなるという声があります。

ブラウン 現在提供しているのはパブリックβですから、枚数を制限した形でご試用いただいてます。


CS3にはまだ見せていない機能が

Photoshop worldでのPhotoshop CS3
−− Photoshop worldではもうひとつ、Photoshop CS3が公開されました。

ブラウン まず、法律的な文言(リーガルステートメント)を入れておきましょう。ステージでお見せしたものは「テクノロジーデモンストレーション」です。最終的な製品には変更があるかもしれませんし、ないかもしれません。テクノロジーのデモであって製品のアナウンスメントではありません。Photoshop CS3には、まだお見せしていないエキサイティングな多くの機能があります。

−− 非常に高速に起動するのが印象的でしたが、ステージではどんなマシンを使っていたのですか?

ブラウン (手元のMacBook Proを指して)これです。2GHzのIntelプロセッサと2GBのRAMを積んでいます。2.66GHzのプロセッサを積んだMac Proなら、起動時間をあと2秒は縮められるでしょう。あくまで推測ですが。

−− CS3の新機能として紹介された「スマートフィルター」ですが、「調整レイヤー」とはどう違うのですか?

ブラウン 調整レイヤーは基本的にトーンカーブなどの色調補正に使うもので、フィルターでは使えませんでした。調整レイヤーと同じように、ピクセルを傷つけずにフィルター効果をかけられるのがスマートフィルターです。Camera RAWは、オリジナルのRAWファイルを変更せずに、変更履歴を別ファイルとして持つことができますが、これと同じようなことができるわけです。


写真家向けのお勧めTips

Photoshop worldでのドクター・ラッセル・ブラウン
−− ポッドキャストされたりCD-ROMに収録されているThe Russell Brown Showでは20ほどのTipsが紹介されていますが、写真家に関係するTipsは3つほどです。ちょっと少ないんじゃないでしょうか?

ブラウン The Russell Brown ShowのWebサイト( http://www.russellbrown.com/ )で、ほかにいくつかのTipsが紹介されています。

 写真家の皆さんにおすすめしたいのが「The Day With No Sky」( http://av.adobe.com/russellbrown/NoSkyOneSM.movhttp://av.adobe.com/russellbrown/NoSkyTwoSM.mov )です。まだ日本語に訳されていませんが、見ているだけでも参考になると思います。

 これは、写真の中の空が白トビしたときに、違う背景で空を置き換えるTipsです。同じ写真の中のピクセルを使って空を置き換える方法と、違う写真から空を持ってくる方法を紹介しています。米国の写真家には、違う写真を合成することを好まない人もいるので、そうした方たちに配慮して2つの方法を紹介しています。

 Photoshop worlodの2日目の基調講演では「ドクターブラウンの1-2-3プロセス」を紹介しました。これもWebサイトで見ることができます( http://av.adobe.com/russellbrown/Basic123ProcessSM.mov )。

 これは100以上の画像を自動的にJPEGに変換するTipsです。RAWもTIFFもPhotoshop形式(.PSD)もすべて処理できます。さらにアクションを追加して機能を拡張することもできます。何千もの写真を撮るウェディングフォトグラファーなどに実用的でしょう。

 これを使えば、Photoshopに変換処理を任せてランチに出かけることができます。フォトグラファーは何もしていないのに、ランチに出かけている間の料金もクライアントに請求できるわけです(笑)。これはドクター・ブラウンがプロ写真家向けに作ったもので、何千ドルもの価値がありますが、無料で提供させてもらってます。



URL
  アドビシステムズ
  http://www.adobe.co.jp/
  The Russell Brown Show
  http://www.russellbrown.com/

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Photoshopユーザーの祭典「Photoshop world“BIG DEBAT"」が開幕(2006/11/28)


( 本誌:田中 真一郎 )
2006/12/04 14:28
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