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コーレル、検索機能など強化した「PaintShop Pro Photo XI」

~拡張型無料画像「Snapfire」も発表

 コーレルは12日、無償ソフト「Snapfire(スナップファイヤー)」など、画像ソフト3製品を新たに発表した。また、同日に都内で発表会を開催し、来日した米Corelのディビット・ダブスンCEOがプレゼンテーションを行なった。


初心者向け新ブランドの「Snapfire」

Snapfireのオーガナイザ画面(サムネイル表示画面)
 Snapfireは、画像の取り込み、整理、補正、プリントなどが行なえる初心者向けのソフト。同社初の無償ソフトで、12日現在、専用サイトからダウンロードできる。対応OSはWindows 2000/XP。

 また同社は、Snapfireにビデオ編集機能などを追加したパッケージソフト「Snapfire Plus」も発表。価格は通常版が7,980円、乗り換えアップグレード版が5,480円、アカデミック版が4,480円となっている。

 キャプションの入力や5段階のレーティングにも対応。検索機能を使い、ファイル名、撮影日、比率(レーティング)、キャプションによる絞り込み検索が行なえる。検索結果の保存にも対応する。

 同社の「Paint Shop Pro」シリーズと同様のエンジンを採用し、回転、トリミング、自動修正、赤目修正、モノクロ変換などの編集が可能。

 サムネイル表示画面での動画の管理にも対応する。通常の再生に加え、サムネイル表示のまま再生する機能も備えている。

 静止画や動画のメール送信も利用できる。ファイルをサイズの小さな「snapfireショーファイル」に自動的に変更する機能もあり、受け取った側は、Snapfireをインストールすることで再生できる。

 有料パッケージ版のSnapfire plusには、Snapfireに非搭載の機能が加わる。基本的なビデオ編集、Snapfireショーをビデオとして保存、Snapfireショーのトランジションと効果のフルコントロール、クイックディスク、画像のサイズ変更、傾き補正、フレームやエッジの追加、テキストの追加、証明書および雑誌の表示の作成など。PaintShop Pro Xにあったメークオーバーツールや、ピクチャチューブもSnapfire proで利用できる。

 またSnapfireファミリーは、モジュールの追加で機能を拡張できるのが特徴。現在のところ、Snapfire plusのユーザー向けに、DVDオーサリング機能を追加する予定があるという。


左下のクイックガイドをクリックすると、チュートリアルなどが表示される 修正画面。パラメーター調整を必要としない自動修正も利用できる

写真愛好家向けを狙う「Paintshop Pro Photo XI(イレブン)」

 Windowsプラットフォームで歴史の長いフォトレタッチソフト。パッケージの商品名に今回から「PHOTO」の文字を入れ、写真愛好家によりアピールを強めたという。価格は、通常版が13,980円、乗り換えアップグレード版が9,980円。アカデミック版が7,980円、アップグレード版が6,980円。対応OSはWindows XP。

 主な新機能は9つ。「スキンのスムース化」は、人物の肌のきめを整える顔専用ツール。「カラーチェンジャー」は、特定色の変換機能。実世界の照明によって発生する明るさのバリエーションを検出・分析し、リアルな効果が得られるという。

 「タイムマシン」は、ダゲレオタイプ、青写真、箱形カメラなど7種類のカメラの歴史をシミュレートする機能。選んだ時代に合わせたエフェクトがかかる。「フィルム」および「フィルタ」も同様に、銀塩フィルムやカラーフィルターの効果を反映する機能。

 「フィールドの奥行き」は、背景のボケを変化させ、被写界深度を調整する機能。Snapfireが採用する「フォトオーガナイザー」も利用でき、キーワード検索などが同様に行なえる。検索条件と結果の保存にも対応。動画の再生や動画から静止画の抜き出しも可能になった。

 RAWデータの読み込みにも対応する。ただし同社の資料によると、最新モデルへの対応は遅れており、例えばキヤノンでは「EOS 20D」や「EOS Kiss Digital N」、ニコンでは「D70s」や「D50」、ペンタックス「*ist D」、オリンパスでは「E-1」など、2006年発売のモデルはサポートしていない。


管理画面のフォトオーガナイザ 編集画面

ボケ量を調節できる「フィールドの奥行き」 写真の歴史が楽しめる「タイムマシン」

無料ダウンロードというビジネスモデル

 発表会では、ダブスンCEOがコーレルの現状について解説した。その中で、動画に強いInterVideoの買収について触れ、よりユーザーにとって有益なソフトを提供する可能性が高まったと解説。また、日本市場を「北米に次ぐ第2位のグラフィック市場」、「ITリテラシーの高さから最重要マーケット」と位置づけ、日本に対する投資を継続する意向を述べた。InterVideoが大口株主となっているUleadについては、「日本で強力な認知度があるので、ブランドネームはそのままにしたい」とした。

 また、デジタルイメージング部門のゼネラルマネージャー、ブレイン・マシュー氏はSnapfireのターゲットを、「ハイアマチュアというより、ファミリー層などスナップ写真を楽しむユーザ―、マスマーケットに向けたもの」と解説。モジュール拡張についても触れ、「一部のモジュールはダウンロード版、plusともに提供する。急ピッチな拡張を考えている」とした。なお、同氏によると、今回のソフトはWindows Vistaへの対応も完了しているという。


ディビット・ダブスンCEO デジタルイメージング部門ゼネラルマネージャーのブレイン・マシュー氏

 PaintShop Pro XIのデモは、写真家の諏訪光二氏が行なった。同氏が撮影した作品をもとに、新機能や強化点などを解説する内容で、「僕も1回も説明書を見てないけど、ラーニングセンター(機能に合わせてリアルタイムで表示される解説、前バージョンから搭載)のおかげで、皆さんも分かると思う」、「メイクオーバーツールはいかにも処理しましたという感じにはならない。撮像素子のほこりの映り込みも取れるなど、工夫次第で違う使い方ができるかも」と、各機能の利点を解説した。

 また、「プロはPhotoshopしか使わないかというと、実はそうでもない。機能によっては、PaintShop Proにもっと使いやすく、きめ細かいツールがあるのでそちらを使う。アマチュアだとこの1本でまかなえるのでは」とまとめた。

 日本法人の下村慶一社長は、「無償ダウンロードというビジネスモデルは初めて。今まで店頭を中心に部ランディングしてきたが、PCへのバンドルで得た既存のユーザ―マーケットを含め、よりインストールベースで認知を上げる。もちろん、従来どおりに店頭での認知強化も図る」との販売戦略を述べた。


写真家の諏訪光二氏。「アマチュアだとこの1本で問題ない」 メイクオーバーツールのデモ。左端ががラーニングセンター

日本法人の下村慶一社長 新製品のマーケティングポジション


URL
  コーレル
  https://www.corel.jp/
  ニュースリリース
  https://www.corel.jp/pressroom/pr20060912_02.html
  Snapfireダウンロードページ
  http://www.snapfire.jp/


( 本誌:折本 幸治 )
2006/09/12 21:50
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