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アドビ、プロ写真家向けソフト「Lightroom」をデモ

〜発売は2006年後半、Windows版も開発中

Lightroom。「Grid」モードの状態
 アドビシステムズ株式会社は2日、米国で9日にパブリックベータ版を公開したプロ写真家向けソフト「Lightroom」のマスコミ向け説明会を開催した。

 Lightroomは、画像取り込み、セレクト、現像など写真家向けの機能に主眼を置いたソフト。公開中のパブリックβ版はMac OS X用で、利用者からのフィードバックを得るため公開されている。正式版の発表は2006年後半の見込み。Windows版も準備中だという。日本語版の発売は未定。

 同ソフトは、ダウンロードページのサイトが「labs.macromedia.com」のため、Adobeが買収した旧Macromediaの開発と思われがちだ。しかし実際はAdobeが暖めていたソフト。また、「Photoshop CS2の低価格バージョン」といった感想が多く聞かれるが、あくまでも写真家向けのソフトで、Photoshopとは別のコンセプトで設計し、Photoshopを補完するものとしている。

 なお、同サイトにはパブリックβ版利用者のフォーラム(一般、バグレポート、機能リクエスト)も設けられている。日々フィードバックが寄せられており、そのため、説明会で紹介されたパブリックβは、発売時に機能が変わる可能性がある。また、モジュール型のアプリケーションのため、モジュール構成や機能セットが変化することも考えられる。


Photoshopとは別のコンセプト

 デモを行なったマーケティング本部デジタルイメージング&ビデオ部フィールドプロダクトマネージャーの栃谷宗央氏によると、コマーシャルフォトグラファーが編集に使用するフォーマットを構成比で見ると、JPEGが57%、RAWが55%、DNGが19%となっており、RAWへの傾注が見られることを解説。また、デジタル化が写真家のワークフローを変えた結果、プレビュー、セレクトの効率的な方法が必要とされていることを強調した。

 その上で、オープンで標準化されたワークフロー、多彩なフォーマットやカメラへの対応、OSを越えたクロスプラットフォーム環境などを写真家のニーズとしてあげた。


マーケティング本部デジタルイメージング&ビデオ部フィールドプロダクトマネージャーの栃谷宗央氏 米Adobeデジタルイメージングシニアプロダクトマネージャー中川葉子氏

 従来これらは、Photoshopなどを核に据えることで実現してきた。CS2からの「Adobe Bridge」はこうしたワークフローのハブ的存在を推し進めたソフトといえる。今回、さらに写真家に特化し、Photoshopを補完する存在がLightroomになるという。

 なお、Lightroomが採用するモジュール構造の場合、「現像モジュールが現像を行ないながら、そのほかのモジュールがやりたいことを連続して行なう」といった使い方が可能になる。一方、Photoshopなどのプラグイン形式では、プラグインをその都度立ち上げ、ほかの作業を中断しなければならないという。モジュールはSDKとして提供する構想もあり、ユーザーサイドやカメラメーカーなどから新しいモジュールが生まれる可能性もあるという。


メイン機能はセレクトと現像

Loupeモードで等倍に表示した状態。ワンクリックで拡大する
 Lightroomの場合、画像取り込みは一般的な画像ソフトと同じく、メモリカード、HDDなどからのインポートに対応。取り込み時に日付ごとや指定フォルダごとなどのフォルダ分けが行なえる。また、ファイル名のリネーム、キーワードや著作権表示の付加もここで行なえる。GPSデータにも対応し、取り込み後、Google Mapと連携し、撮影場所の表示も可能。また、インポートファイルをDNG形式に変換するオプションも搭載している。

 セレクトは「Grid」、「Loupe」、「Compare」の各モードを切り替えながら行なう。Gridがサムネイル一覧、Loupeが拡大表示、Compareが複数枚同時表示にあたる。

 GridではBridgeと同じようにサムネイルの大きさをシームレスに変化させることができ、Loupeでは、マウスクリックの箇所をワンクリック等倍に表示する。現在のパブリックβ版ではCompareとLoupeの併用はできず、「等倍表示で複数枚を比較」といった使い方には対応していない。セレクトにおけるアップルの「Aperture」との違いはこのあたりが大きい。ただし、この仕様も製品版では変更になる可能性がある。


現像機能。テンプレートから選び、微調整するスタイル
 現像は、左枠の「Presets Browser」からテンプレートを選び、右端の「ToneCurve」、「Detail」など詳細ツールで微調整する方式。テンプレートを選ぶごとにプレビューが出る。白黒については、詳細ツールに「Grayscale Mixer」が用意され、RGBごとの調整が可能。単なるグレースケール化にとどまらない現像が行なえる。

 現像エンジンはCamera Rawと同等。また、「なるべく素のRAWデータを現像する方向性」(米Adobeデジタルイメージングシニアプロダクトマネージャー、中川葉子氏)ということで、キヤノンの「ピクチャースタイル」といったカメラメーカー側の味付けは反映されない。このあたりもCamera Rawと同じコンセプトだという。

 プリント機能も搭載し、コンタクトシートをはじめ多彩なテンプレートを持つ。また、「Identity Plate Editor」という機能もあり、個人名表記をプリントに付加できる。この表記はソフト左肩の製品名ロゴと置き換えることも可能。

 スライドショー機能も利用でき、ファイルとして書き出す機能もある。書き出しフォーマットにはFlashも含まれている。


コンタクトシートのテンプレートを選択したところ Identity Plate Editor。自分のサインがプリントなどに付加できる

 最後に中川氏は、Lightroom、Bidge、Photoshopの役割について言及した。「BridgeはCSのハブで、デザイナーやクリエイター向け。Photoshopはクリエイティブツールの集大成。Lightroomはスタンドアローンのソフトで、あくまでも写真家のワークフローに向けたもの」とまとめた。



URL
  米Adobe(英文)
  http://www.adobe.com/
  ダウンロードページ(英文)
  http://labs.macromedia.com/technologies/lightroom/

関連記事
米Adobe、プロ写真家向けソフト「Lightroom」ベータ版を公開(2006/01/10)


( 本誌:折本 幸治 )
2006/02/02 18:28
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