私はこれを買いました!

カメラであり、カメラのお供でもあり

アップル iPhone 12 Pro(鈴木誠)

年末恒例のお買い物企画として、写真家・ライターの皆さんに、2020年に購入したカメラ関連製品をひとつだけ挙げていただきました。(編集部)

iPhone Xから3年ぶりに機種変更した。スマートフォンに超広角カメラが備わる便利さに憧れつつ、iPhone Xにあった望遠側のカメラがなくなるのも寂しい。先を考えればLiDARセンサーもあったほうが面白そう。ということで、重さ・大きさを我慢してiPhone 12 Proに決めた。

13mm相当の超広角は、まさに"あったら便利"なところがスマホにお似合いだ。車の助手席に座った状態で、ドライバーと前方景色の半分ぐらいが写る。簡単に撮りたい時に使うスマホこそ、引きをとらずに状況を写しこめる超広角が便利だと思った。

画作りは必要にして十分と言えるし、用途で使い分けてこそ様々なカメラを楽しめるというもので、特に何の感想もなく普通に使っている。速写性が魅力のスマートフォンなので、特殊なカメラアプリを立ち上げることもない。オプションでスマートHDRやシーン認識機能をオンオフしつつ、自分にとって違和感のない写りが得られるように模索しているところだ。

ポートレートモードを試してみた。背景に点光源があると、口径食を再現したようなラグビーボール型のボケになる。芸が細かい?(左:画面上のスライダーをF1.4に設定、右:同F5.6)

現時点では、ホワイトバランスが青味に振れがちなのと、手ブレ補正機構の揺り戻しのせいか、シャッターボタンを押す直前のライブビューと実際に記録された写真では、特に望遠カメラでフレーミングのズレが目立つような気がする。派手な点ゴーストが改善されていなかったのも残念だが、どうしてもというシーンではレタッチアプリで処理すればいいだろう。使いこなしの余地があるとも言える。私の普段使いには十分に写るため、贅沢は言わない。

本体は、側面がフラットになったことで、丸みを帯びていたiPhone Xより厚みを感じる。画面サイズの大型化に伴って指を伸ばして操作する機会も増えたため、片手操作派は背面にフィンガーループの備わるケースを用意したほうがよさそうだ。現状はCLCKRのスタンド&グリップ付き(メーカーではQi対応を謳っている)を選んだが、手元のQi充電器では充電が開始されないものが多い。とりあえずはLightningケーブルを使いつつ、次の選択肢も探しているところだ。

Peak Designバッグの愛用者としてはPeak DesignモバイルラインのEveryday Loop Caseが楽しみな一方、iPhone Xで「OLE stand」を使ってからスタンド内蔵ケースの便利さに魅了されているため(iPhone 12 Pro対応のOLE stand IIも買ったが、スタンド機能のスマートさと安定感に不満)、今のところはCLCKRケースのまま充電環境をどうにかするほうが現実的かなと考えている。

私のカメラ専用機事情としては、日頃はライカM10(2017年)がファーストコールで、一眼レフな気分の時はニコンDf(2013年)という2台で満足しており、カメラより優先すべきものがある状況ではリコーGR III(2019年)か、いまだ最高の記者カメラであるパナソニックLUMIX TX2(2018年)の出番となる。また、フィルムカメラのサブ&お供にはiPhone 12 Proが活躍といったところで落ち着いている。

ひとつ言い訳すれば、今年は在宅ワークが増え、それに伴いカメラ以外の出費がとても多かった。2021年1月にはフォクトレンダー「APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical VM」が発売予定で、こちらはすでに予約済みのため、来年の本企画にはしっかりカメラ/レンズで参戦できそうだ。

近況報告

本誌副編集長。いろいろと、ままならない1年でした。と締めくくれるかどうかも、ままならない状況。プライベートではグループ写真展の延期・中止があり、バンド演奏で出演予定だったライブも2つ中止になりました。最近は足腰が弱ることに危機感を覚え、なわとびを始めました。とはいえ、毎日漫然と飛ぶだけです。安いし、かさばらないし、ものの数分でヘトヘトだし、いろいろ好都合。皆さんもいかがですか?

本誌:鈴木誠