私はこれを買いました!

“自分でブツ撮り“のために、安さ重視の照明機材

GODOX MS300/TT600/X1T-O(猪狩友則)

今年も年末恒例のお買い物企画「私はこれを買いました!」が始まります。写真家・ライターの皆さんに、2020年に購入したカメラ関連製品をひとつだけ挙げていただきました。(編集部)

照明機材を安いGODOXで揃える

足りないのは、ストロボだった。手持ちの機材で撮れなくもないが、やはり手間がかかってしまう。

アサヒカメラ休刊に伴い、編集部常駐の業務委託編集者としての仕事がなくなったのだが、一方で自分で製品の写真を撮らなければならないことが増えてきた。カメラやレンズはある。問題なのは照明のほうだ。手持ちの古いクリップオンストロボでは光量が足りないし、連続発光にも難がある。乾電池の交換も面倒くさい。

カメラメーカー純正で光量の大きいクリップオンストロボの購入も考えたが、それはちょっと大げさだし、ほかのメーカーのカメラで使いづらい。なにより高機能だけあって高価だ。そこで選んだのが、比較的安価な製品が多い中国メーカーのGODOX。もちろんピンキリなのだが、選んだのはキリ側のほう。とりあえず安く済ませようという作戦だ。

まず300Wsのモノブロックストロボ「MS300」(税込1万3,900円、3,197ポイント付与)とコマンダーの「X1T-O」(税込5,700円)を購入。あとから、クリップオンストロボのTT600(税込8,000円)を追加した。ポイントを考慮すれば合計2万4,403円。すべてAmazonで注文。並行輸入品なので壊れた時の修理は面倒くさそうだが、そんなことは気にしちゃいけないくらいの値段だ。
(※編注:KPIが扱う正規輸入品には、国内でのサポートと翻訳マニュアルが付属)

TTLオートの調光はできない組み合わせだが、ブツ撮りでは問題にならない。オリンパス用のコマンダーだが、ホットシューのX接点部分だけ通るようなアダプタを挟めば他社のカメラでも使える。300Wsと控えめだが、狭い部屋での撮影だし、小さいものを撮るには十分に光を回せる。特に問題はない。モデリングランプがあるのも、コマンダーを使った手元でのワイヤレスで光量調整できるのもやはり便利。手持ちの古いクリップオンストロボを足すこともあるが、用途的にはほぼこの2灯で済ませられる。効率よく撮影できるようになった。

ただ、これらが揃って改めて気付かされたのは、足りないのはストロボ機材だけではなく、私の撮影の腕もだったということだ。

モデリングランプはコーン型のLEDに交換している。E26口金だったので、口金変換アダプタを介して調光対応の高演色タイプを装着。熱くならないので、すぐ片付けられるのがいい。モデリングランプで撮影前でも光線状況を確認できるのも大型ストロボのメリット。

近況報告

編集をしていたアサヒカメラの休刊だったり、手を手術したりと、個人的には激動だったわけですが、いまいちそれを感じないのは、やはり新型コロナ騒ぎの自粛ムードのせいでしょうか。

猪狩友則

(いがり とものり)フリーの編集者、ライター。アサヒパソコン編集部を経て、2006年から休刊までアサヒカメラ編集部。新製品情報や「ニューフェース診断室」などの記事編集を担当する傍ら、海外イベントの取材、パソコンやスマートフォンに関する基礎解説の執筆も行う。カメラ記者クラブでは、カメラグランプリ実行委員長などを歴任。