私はこれを買いました!
見た目はクラカメ、中身はデジカメ。その名は……
ライカM10/本誌:鈴木誠
2017年12月26日 19:00
2017年を締めくくるにあたり、本誌のレビュー系記事にご寄稿いただいた皆様に今年新品で購入したデジタルカメラ、レンズのうち、特に思い入れのある製品について語っていただきました。(敬称略)
ライカMデジタルの「古いフィルムカメラっぽいけど背面を見たらデジタルカメラ」というユーモアは随一で、機能性が磨き上げられたデジタルカメラや、フィルムのM型ライカともまた違った面白さがあり、それぞれを楽しんでいます。
公式セールスポイントである「(半世紀前の)フィルムライカと同じ厚さになった」というのは最新の高密度実装技術のおかげだそうで、ライカM(Typ240)が登場した5年前には実現できなかったこと。最新技術で時代を遡るというのが面白いじゃありませんか。
技術はあくまで手段であって、デジタルカメラはそれをどう製品にまとめるかという作り手のセンスや決断にこそ、各社・各機種の個性が宿ると感じています。
そのライカM10を取材すべくドイツのライカ本社を訪れたのは1月下旬。お披露目セレモニーは夕刻にスタートしました。生バンドの演奏に迎えられてライカの始祖「Ur-Leica」と共に入場してきたのが、新入りのライカM10。カメラ誌らしい新旧ツーショットを撮影しつつ、ガラスケースに阻まれる前にウル・ライカ単体の写真も押さえておくのは編集者の性です。
あれから約1年かと思うと月日は早いですね。これまでのペースを踏まえると、次の新しいライカはまた4年後ぐらいでしょうか。今度は重さもフィルムライカ並みに軽くなったらいいなあ、いつかはバルナックライカぐらいに小型化するだろうか、などと妄想していますが、おかげさまでしばらくは目移りと無縁のカメラ生活を過ごせそうです。
と思っていたのも束の間。今になって1年を振り返れば、古いフィルムカメラがいろいろと増えていました。ニコマートEL、コンタックス139Q、ミノルタα-9xi+ファンタジー2カード、ライカDIII+ヘクトール5cmなど。これぞ博愛主義でしょうか。
プロフィール & 近況報告:本誌編集記者。カメラの歴史的な話、マニアな話をレポートする機会が増えました。仕事を通じて知識が付いてきた部分もあるでしょうが、逆に、覚え立てだからこそ周りに言いたくて仕方ないのかもしれません。来年はバルナックライカを愛する仲間達で展示をやろうと盛り上がっています。