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ライカ、クラシックシリーズ第3弾のMレンズ「ノクティルックスM f1.2/50mm ASPH.」
通常版のブラックと、世界限定100本のシルバーを用意
2021年1月29日 10:26
ライカカメラジャパンは、Mマウント交換レンズ「ライカ ノクティルックスM f1.2/50mm ASPH.」を2月から順次発売する。通常版となるブラックアルマイト仕上げが税別90万円で2月に、世界限定100本のシルバークローム仕上げが税別190万円で3月にそれぞれ発売となる。なお、シルバークローム仕上げはライカストアのみで取り扱う。
ライカMレンズの「クラシックシリーズ」として、ライカ ズマロンM f5.6/28mm、ライカ タンバールM f2.2/90mmに続く3本目。本レンズは写真用レンズとして世界で初めて非球面レンズを採用したことで知られる「ライカ ノクティルックスM f1.2/50mm」(1966〜1975年)をベースにした"復刻版"を謳う。
光学設計はオリジナルに可能な限り近づけ、ほぼ同じ描写を再現できるように配慮したという。これにより、絞り開放ではソフトで幻想的な雰囲気が得られ、F2.8まで絞り込めばシャープな描写も可能だとしている。
細部仕様は鏡筒カラーにより異なる。ブラックアルマイト仕上げは鏡筒素材にアルミを採用。1966年当時のオリジナルに付属していた保管用レンズケースが付属する。シルバークローム仕上げは真鍮鏡筒で、化粧リングには「LEICA」の代わりに当時流の「LEITZ WETZLAR」と刻印。保管用レンズケースに加え、パッケージデザインも当時のライカ製品に近いデザインを採用した。
レンズ構成は4群6枚(非球面2枚を含む)。最短撮影距離は1m。E49フィルターをレンズ前面に直接装着できる。
鏡筒の外形寸法は、直径約61mm(フード含まず)、長さ約52mm(フード含まず)・約79mm(フード含む)。クリップオンタイプのレンズフードが付属する。
ライカの発表資料によると、1966年当時のライカMレンズはシルバー鏡筒が一般的で、フォトジャーナリスト向けの特別モデルとしてのみ、目立たないブラック仕上げを採用していた。しかしオリジナルのノクティルックス50mm F1.2がブラック仕上げを採用したことを転機に、以降はブラックアルマイト仕上げが一般的になっていったという。
また、オリジナルのノクティルックスM f1.2/50mmの生産本数はブラックが1,757本、シルバーは発売前のプロトタイプがわずか5本ほど製造されたのみで、どちらも人気の高いコレクターズアイテムだとしている。
なお、直近のライツ・フォトグラフィカ・オークションの結果によると、オリジナルのノクティルックスM f1.2/50mm(ブラック、箱なし)の落札価格は概ね2万ユーロ前後。
1/30追記:非球面レンズの加工方法について
ライカカメラジャパンを通じてライカカメラ本社から得た回答によると、オリジナルのノクティルックスM f1.2/50mmに採用された非球面レンズはほとんどが手磨きだったが、新しいノクティルックスM f1.2/50mm ASPH.では、高精度なフライス盤を用いて表面を研磨に近いレベルまで正確に研削し、高精度研磨技術で仕上げているという。現在一般的なモールド/プレス加工は用いられていない。