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富士フイルム、大型グリップ+ボディ内手ブレ補正の小型モデル「X-S10」

X-T4ゆずりの静止画・動画性能 バリアングル式モニター採用

富士フイルムは、ミラーレスカメラ「FUJIFILM X-S10」を11月19日に発売する。カラーはブラックのみ。ボディ単体のほか複数のレンズキットでの展開で、ボディ単体の店頭予想価格は税別12万円。

大型グリップ+ボディ内手ブレ補正機構を採用

ボディ中央部にファインダーを配置した、“センターファインダースタイル”に類別できるモデル。同じくセンターファインダースタイルを採用するX-Tふた桁シリーズに近いボディサイズながら、大型グリップを採用したX-H1のようなグリップ形状を有している。

外形寸法は126×85.1×65.4mmで、重量は約465g(バッテリー・メモリーカードを含む)。センターファインダースタイル機で小型軽量性を特徴とするX-T30(118.4×82.8×46.8mm、約383g[バッテリー・カードを含む])に近いボディサイズながら、ボディ内手ブレ補正機構も搭載している。奥行きと重量の差は、大型化したグリップ部と手ブレ補正ユニットによるところが大きいといえるだろう。

手ブレ補正機構はセンサーシフト式の5軸補正タイプとなっており、最大で6.0段分の補正効果が得られるとしている。ちなみにX-T4は最大6.5段、X-H1は最大で5.5段となっている。

背面モニターは、X-T4と同じバリアングル式を採用。Vlogなど、自撮りを含めた動画撮影ニーズへの対応も訴求点としている。

また、天面右側にモードダイヤルを搭載。あらかじめ撮影設定を4つまで登録しておくことができるカスタムポジション(C1〜C4)を設けている。

バッテリーはX-Pro3やX-T3などと同じNP-W126Sを採用。X-T4で採用された新型バッテリー「NP-W235」は本モデルでは採用されていない。また、USB Type-C端子経由での充電および給電にも対応している。

富士フイルム独特の描写がより手軽に楽しめる

センサーおよび画像処理エンジンは、同社APS-C機で最新世代となる有効約2,610万画素のX-Trans CMOS 4センサーとX-Processor 4の組み合わせとなっている。同様の組み合わせを採用している機種(レンズ交換式)にはX-Pro3やX-T4がある。同社カメラの特徴でもあるフィルムシミュレーションは、X-T4と同じ。クラシックネガやETERNAブリーチバイパスも搭載している。

またシーンに合わせた最適な撮影モードを自動で設定してくれる「AUTO」/「SP(シーンポジション)」モードのアルゴリズムも刷新された。明瞭度やダイナミックレンジ等をシーンに応じた最適な設定に自動で調整してくれるというもので、風景ではより明瞭かつ鮮やかに、ポートレートでは背景の自然を際立たせながら人物を美しく、といったかたちで細かな設定・調整をすることなく手軽に美しい写真が撮れるとしている。

このほか、カラークロームエフェクトやカラークロームブルーも利用することができる。

低輝度環境でのAF性能もXF50mmF1.0 R WR使用時という条件つきながら-7.0EVに対応。顔や瞳AF機能についても搭載している。

撮影性能

連写は、メカニカルシャッターで最高約8コマ/秒、電子シャッター使用時では最速約30コマ/秒に対応している。

ファインダー部は、低照度優先、解像度優先、フレームレート優先の3モードから設定が可能。利用シーンに応じた表示設定を選ぶことが可能となっている。

動画面では、4K 30p(4:2:0 8bit)のカメラ内記録が可能。HDMI出力では4:2:2 10bitの4K 30p記録にも対応している。また、フルHD 240p記録も可能となっており、最大で10倍のスローモーション撮影も可能となっている。

ラインアップと店頭予想価格

ボディ単体

税別12万円

レンズキット(XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ)

税別13万円

レンズキット(XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS)

税別16万5,000円

ダブルズームレンズキット(XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ、XC50-230mmF4.5-6.7 OIS II)

税別15万円

各レンズを装着した状態

XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZを装着
XC50-230mmF4.5-6.7 OIS IIを装着
XF18-55mmF2.8-4 R LM OISを装着

主な仕様

有効画素数

約2,610万画素(X-Trans CMOS 4センサー)

画像処理エンジン

X-Processor 4

ISO感度

標準:ISO 160~12800
拡張:ISO 80〜51200

シャッタースピード

メカニカルシャッター:4秒~1/4,000秒(Pモード)、30秒~1/4,000秒(Aモード)、15分~1/4,000秒(S/Mモード)、最長60分(バルブ)
電子シャッター:4秒~1/32,000秒(Pモード)、30秒~1/32,000秒(Aモード)、15分~1/32,000秒(S/Mモード)、1秒固定(バルブ)
メカニカル+電子シャッター:4秒~1/32,000秒(Pモード)30秒~1/32,000秒(Aモード)、15分~1/32,000秒(S/Mモード)、最長60分(バルブ)
動画:1/4,000秒~1/24秒(FHD。※フレームレートによって異なる)

フラッシュ同調速度

1/180秒以下

連写

メカニカルシャッター:約8コマ/秒
電子シャッター:約20コマ/秒(1.25×クロップでは約30コマ/秒)

手ブレ補正

センサーシフト方式5軸補正(最大6.0段)

EVF

サイズ:0.39型
ドット数:約236万ドット(有機EL)
アイポイント:約17.5mm
ファインダー倍率:0.62倍

背面モニター

3.0型、約104万ドット・バリアングル式タッチパネルつきTFT

撮影可能枚数(静止画)

約325枚(ノーマルモードかつXF35mmF1.4 Rを組み合わせた場合)

連続記録可能時間(動画)

4K:約55分(29.97p時)
フルHD:約65分(59.94p時)
※顔検出をOFFにした場合

バッテリー

NP-W126S

記録メディア

SD/SDHC/SDXCメモリーカード(UHS-I対応)

入出力端子

USB Type-C(USB3.2 Gen1)
HDMIマイクロ端子(Type D)
3.5mmステレオミニジャック(マイク、リモートレリーズ兼用)

無線

Wi-Fi:IEEE802.11b/g/n
Bluetooth:Bluetooth Ver. 4.2(Bluetooth low energy)

フィルムシミュレーション

PROVIA、Velvia、ASTIA、クラシッククローム、PRO Neg.Hi、PRO Neg.Std、モノクロ、モノクロ+Yeフィルター、モノクロ+Rフィルター、モノクロ+Gフィルター、セピア、ACROS、ACROS+Yeフィルター、ACROS+Rフィルター、ACROS+Gフィルター、ETERNA、クラシックネガ、ETERNAブリーチバイパス

外形寸法

126.0×85.1×65.4mm

質量

約465g(バッテリー、 SDメモリーカード含む)
約415g(本体のみ)

本誌:宮澤孝周