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富士フイルム、テレコンにも対応する望遠ズーム「XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR」
税別11万円 同クラスのXFレンズとの仕様比較も
2021年1月27日 23:12
富士フイルム株式会社は、APS-Cセンサーを採用するミラーレスカメラXシリーズ用の交換レンズ「フジノンレンズ XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR」を3月に発売する。希望小売価格は11万円(税別)。
35mm判換算で107-457mm相当の画角が得られる望遠ズームレンズ。光学式の手ブレ補正機構を搭載しており、最大で5.5段分の補正効果が得られるとしている。ボディ内手ブレ補正機構を搭載する機種と組み合わせた場合は5軸での協調補正となる。
AFの駆動にはリニアモーターを採用しており、素早いAFにより動体撮影の瞬間的なピント合わせにも対応するという。
レンズ構成は非球面レンズ1枚とEDレンズ2枚を含む12群17枚。テレコンバーターの装着にも対応しており、1.4倍の「XF1.4X TC WR」装着時では98〜420mm(35mm判換算149〜640mm相当)、2倍の「XF2X TC WR」では140〜600mm(35mm判換算213~914mm相当)の画角が得られることになる。
最短撮影距離はズーム全域で83cm。0.33倍の最大撮影倍率(35mm判換算0.5倍相当)をいかして、望遠マクロとして花や昆虫などの小さな被写体もダイナミックに撮影できると案内している。2倍のテレコンバーター装着時には最大撮影倍率も0.66倍(35mm判換算等倍相当)となる。
また製品名にWRとあるとおり、防塵・防滴・耐低温構造を採用。鏡筒に10カ所のシーリング処理を施しており、悪天候な条件であったり土埃が舞うようなシーンであっても安心して撮影を楽しめるとしている(防塵・防滴・耐低温に対応するボディが必要)。
最大径×全長は75×132.5mmで、質量は580g。フィルター径は67mm。
Xシリーズ用ズームレンズのラインアップから、本レンズに近い焦点距離の製品を見てみると、XFシリーズでは「XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS」と「XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR」が、XCシリーズに「XC50-230mmF4.5-6.7 OIS II」がある。
各レンズを比較すると以下のようになる。
35mm判換算時の焦点距離 | レンズ構成 | 最短撮影距離 | 最大撮影倍率 | テレコン対応 | フィルター径 | 外形寸法 | 質量 | 希望小売価格(税別) | |
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XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR | 107mm-457mm相当 | 12群17枚 (非球面レンズ1枚、EDレンズ2枚を含む) | ズーム全域83cm | 0.33倍 | 1.4×:○ 2×:○ | 67mm | 75×132.5mm | 580g | 11万円 |
XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS | 84-305mm相当 | 10群14枚 (非球面レンズ1枚、異常分散レンズ2枚を含む) | 1.1m マクロ1.1〜3m | 0.18倍(T端) | 1.4×:× 2×:× | 62mm | 75×118mm(W端) 75×177mm(T端) | 580g | 9万3,000円 |
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR | 152 - 609mm相当 | 14群21枚 (EDレンズ6枚、スーパーEDレンズ1枚を含む) | ズーム全域1.75m | 0.19倍(T端) | 1.4×:○ 2×:○ | 77mm | 94.8×210.5mm(W端) 94.8×270mm(T端) | 1,375g | 28万1,000円 |
XC50-230mmF4.5-6.7 OIS II | 76-350mm相当 | 10群13枚 (非球面レンズ1枚、異常分散レンズ1枚を含む) | ズーム全域1.1m マクロ1.1〜3m | 0.2倍(W端) | 1.4×:× 2×:× | 58mm | 69.5×111mm(W端) 69.5×177mm(T端) | 375g | 5万3,000円 |
上表に照らし合わせて見ていくと、XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISとサイズは大きく違わず、質量自体は同等となっていることがわかる。F値がわずかに抑えられていることが、このサイズと質量実現に貢献しているものと推測される。サイズ・質量ともに大きく異なるXF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WRは、同社が高品質ラインとして位置づけているレッドバッジシリーズに属する製品ということもあり、価格面でも別格の存在となっている。
普及価格帯で、かつ超望遠域に手が届く1本として、本製品はこれら2本の間を埋めてくれる位置づけということになりそうだ。