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FUJIFILM X-H1発表会レポート
ボディ内手ブレ補正実現のブレークスルーとは
2018年2月15日 19:13
富士フイルム株式会社は2月15日、ミラーレスカメラの新モデル「FUJIFILM X-H1」の新製品発表会を都内で開催した。ここではその模様をお伝えする。カメラについての詳細は記事末のリンクを参照されたい。
新コンセプトのXシリーズ
X-H1は、Xシリーズで初めてボディ内手ブレ補正機構を搭載し、シリーズ最高のパフォーマンスを謳うモデル。
富士フイルム 光学・電子映像事業部 事業部長の飯田年久氏は、「これまでとは一線を画する新しいコンセプトで、Xシリーズの新しいカテゴリーのカメラ」と紹介した。
飯田氏は、既存のFUJIFILM X-T2が小形軽量で持ち運びやすい一方、ボディの剛性感やしっかりした操作性をX-H1の棲み分けのポイントとして挙げた。
中判ミラーレスカメラFUJIFILM GFX 50Sと同じ上面パネルも搭載している。
ボディ剛性もアップ
2018年秋の投入を予定している大口径望遠レンズ「XF200mm F2」などの装着も想定して、ボディのマグネシウム合金を厚くして、従来比2倍の強度を持たせたことなどを説明した。
また、マウントやボディ前面には内部に1mmのリブを設けて剛性を高めた。
縦位置パワーブースターグリップ「VPB-XH1」もオプションで用意される。
ボディ内手ブレ補正実現の要因
ボディ内手ブレ補正について同社はこれまで、画質低下に繋がるとして搭載を見送ってきたが、手ブレ補正機構非搭載レンズやオールドレンズユーザーからのニーズが強かったため、搭載を決めたという。
手ブレ補正ユニットのベースに高精度に加工したステンレスのフレームを採用。加えて、精度の高いセラミックボールを使用することなどで画質劣化を抑えつつ最大5.5段分の手ブレ補正が実現できたとした。
レンズに手ブレ補正機構が備わっている場合はそちらを優先し、足りない補正軸をボディ内手ブレ補正で補う。同一軸について、レンズとボディの両方で補正を行うことはしていないという。
X-H1の手ブレ補正は、ジンバルを併用したドローンでの撮影でも相性が良いとのことで、ドローンによる空撮動画も上映された。
シャッターショックによるブレを軽減できるダンパーも組み込んだ。
防塵防滴のためのシーリングも施した。40名の写真家によるフィールドテストでは1度も故障はなかったとのこと。
シャッターフィーリングにもこだわり
操作性の向上もトピック。シャッターボタンは「フェザータッチシャッター」(飯田氏)と呼ぶリーフスプリング式のシャッターボタンを採用。「ブレを抑えてシャッターチャンスにクイックに反応する」(飯田氏)とした。
また、いわゆる「親指AF」で使用するための独立したAF-ONボタンも背面に新搭載している。
エテルナの絵作り
画素数や画像処理エンジンはFUJIFILM X-T2やFUJIFILM X-Pro2と同じで、絵作りは従来と同じ。
一方で、動画向けの新フィルムシミュレーション「エテルナ」が搭載された。「シネマルックをデジタルで追求した」(飯田氏)とのことで、「落ち着いた発色と豊かなシャドウトーン」となっている。
フィルムシミュレーション「Provia」に対して、黒ツブレと白トビが起こりにくくなっている。彩度はProviaよりも低いのが特徴。ただし、単純に彩度を下げているわけではなく、色相を回転させるといったノウハウが投入されているとした。
また動画向け市場を強化するため、Xマウントのシネマレンズ2本を6月に発売する。ラインナップは標準ズームレンズの「MKX18-55mmT2.9」(税別希望小売価格は54万9,500円)と望遠ズームレンズの「MKX50-135mmT2.9」(同59万9,500円)。