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アドビ、Lightroomをクラウドベースアプリに
従来版は「Classic」に Photoshop CCもアップデート
2017年10月19日 11:12
アドビは10月19日、米国でのカンファレンス「Adobe MAX」において、Creative Cloud製品のアップデートを発表。写真関連のアプリケーションにもいくつか変更が見られた。
Lightroom CC
写真管理編集アプリ「Lightroom」の名を冠しているが、前年のAdobe MAXにおいて紹介されたクラウド写真管理アプリ「Project Nimbus」の正式リリースにあたると見られる。
管理すべき写真データをすべてクラウドにおき、そこにデスクトップ、モバイル、Webアプリを問わずアクセスが可能。どのプラットフォームでもフル解像度の写真データに対し、管理や編集を可能とする。RAWデータも扱える。
その代わり写真データに自動的に検索用のキーワードが加えられるなど、機械学習技術「Adobe Sensei」の技術が取り入れられた。階層アルバムの作成が可能になるなどの強化も行われている。iOSアプリはHEIFデータにも対応。
編集機能も設けられている。ただし現状では基本的な機能にとどまり、高度な範囲選択を伴う補正などは、後述するLightroom Classic CCが受け持つ形になりそうだ。
ちなみに、既存のスマートフォンアプリ「Lightroom モバイル」は継続して配布される。
Lightroom Classic CC
既存の「Lightroom CC」がこれにあたる。新しいLightroom CCがクラウドベースなら、こちらはローカルベースのアプリ。
これまでどおり写真に特化した編集機能が盛り込まれており、従来のLightroom CCに対し、特に範囲選択が強化された。具体的には色域や輝度で範囲マスクを作れるようになるなど、よりPhotoshop CCの編集能力に近づいている。
また、既存のLightroomから、パフォーマンスの向上も図られている。プレビューの生成、ライブラリ←→現像モジュール間の移動といったところだ。
Photoshop CC
大きなアップデートとしては、Lightroomとの連携強化がある。これまではLightroomからPhotoshopに編集したい画像を送るだけだったが、今回からLightroomの写真にPhotoshopからアクセスできるようになり、よりLightroomでのコンテンツ管理が有用になった。
また、360度パノラマ画像の編集も強化された。例えば、3Dの状態でスポット修復が可能なっている。
ブラシ関連の強化もトピック。ブラシツールのカスタマイズやグルーピングが可能になり、マウスで操作した時のブラシのカクカク感を低減するスムージングオプションが加わっている。ブラシの中心や進行方向が明示されるなど、ブラシ自体の操作性も向上した。
ベジェ曲線を扱う曲線ペンツールにも変更が見られる。従来、白く細い線だったパスの太さや色の変更が可能になり、視認性が高まった。
その他、パフォーマンスの向上、HEIFデータへの対応などが盛り込まれている。
新しいサブスクリプションプランが始動
Lightroomが2ラインとなったことで、従来のフォトグラフィプランが変更になる。
1TBのストレージが廉価に得られ、ある程度の写真編集が必要なだけなら「Lightroom CC プラン」。
高度な編集やローカルでの保存を重視する場合は「フォトプラン」という使い分けになりそうだ。
ちなみに、Cleative Cloud コンプリートプランにもLightroom CCは含まれる。
Lightroom CC プラン
アプリ:Lightroom CC
ストレージ:1TB
※追加購入可能
料金:980円/月
フォトプラン(1TBストレージ付き)
アプリ:Lightroom CC、Lightroom Classic CC、Photoshop CC
980円/月
ストレージ:1TB
料金:1,980円/月
※既存メンバーは初年度限定で1TBが1,480円/月に
フォトプラン
アプリ:Lightroom CC、Lightroom Classic CC、Photoshop CC
ストレージ:20GB
料金:980円/月