一般的なデジタルカメラに搭載されるイメージセンサーの大きさは様々である。特に最近では一時期消えていた2/3型の復活や、これまでなかった1型も登場しており、まさに百花繚乱といえる状態となっている。
また、イメージセンサーの特性上、画素ピッチに余裕のある大きいイメージセンサーほうが画質的に有利であることはよく知られていることだが、裏面照射型のようなイメージセンサーの登場や、映像エンジンの進化などにより、小さなイメージセンサーでもこれまでより高画質な描写が得られるようになってきている。
そこで少々乱暴なのは承知の上で、センサーサイズ別での簡単な画質比較を行なうことにしてみた。比較は遠景撮影による解像感や階調など、近距離撮影でのボケの度合い、高感度でのノイズとしている。
用意したカメラは7台。いずれもそれぞれのセンサーサイズを現時点で代表するカメラとして選んでみた。内訳は以下のとおり。
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35mm判相当:キヤノンEOS 5D Mark II | APS-Cサイズ相当:キヤノンEOS 7D |
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4/3型:OLYMPUS PEN E-P3 | 1型:Nikon 1 J1 |
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2/3型:FUJIFILM X10 | 1/1.7型:PowerShot S100 |
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1/2.3型:PENTAX Q |
比較撮影にあたり、カメラの設定は次のとおりとしている。
画像フォーマットはJPEG、記録画像サイズはL(ラージ)など最大、圧縮比が選べるカメラの場合は最低圧縮に、ホワイトバランスはオートを選択。仕上がり設定やダイナミックレンジ拡大機能、ノイズリダクションなどはデフォルトとしている。
設定する感度は、高感度特性の比較以外はベース感度に設定、露出モードは絞り優先AEモードを使用。FUJIFILM X10とPowerShot S100を除くカメラに装着したレンズは、レンズキットに付属する標準ズームもしくはそれに準ずるものとしている。
撮影では三脚にセットし、ピント合わせは全てAF任せとした。画角、アングルに関してはなるべく揃うように頑張ってみたが、いかんせん目視で調整しているため、画面の傾きなども含め違いが生じてしまっていることをお許しいただきたい。
絞りの設定はF8を基本としている。これは、レンズの焦点距離によって絞り値の選択に幅が無く、確実に選択できる絞り値として選んだ結果だ。○○の一つ覚えのようにF8ばかりと思われるかもしれないが、そういう事情をご承知いただければ幸いである。
画像をチェックする環境としては、モニターにEIZO ColorEdge CG243Wと同ColorEdge CG241Wを使用。Mac OS X用のAdobe Photoshop CS5で画像を展開し、適正と思われる鑑賞距離による評価としている。画像の拡大率は、主にモニターのサイズに合わせた全画面表示と50%に拡大したとき、それと100%(等倍)で見たときとしている。
いくつかのサンプルを用意したが、撮影した個体や被写体、そのときの状況により、今回の結果とは異なる結果が生じる可能性がある。また、研究室など厳密な測定環境で撮影したものではないので、大まかな傾向を見るための参考として見ていただきたい。
- 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
■遠景
まずは遠景における解像感であるが、モニターでの拡大率が50%くらいまでならいずれも解像感の著しい低下などは感じられない。センサーサイズの小さいPENTAX QやPowerShot S100も、まずますの解像感だ。コントラストの高い被写体なら、どれもシャープに見えることだろう。
100%となると、やはりセンサーサイズの大きいカメラのほうが解像感は押し並べて高くなる。サイズとしては1型のNikon 1 J1あたりからその傾向が強くなりはじめ、細かなディテールもはっきりと見えはじめる。レンズ自体の光学特性も見極めやすい。
小さなセンサーのカメラはというと正直厳しいが、それでも以前の同じサイズのセンサーのものにくらべれば、大きく向上しているように思われる。
なお、一部センサーサイズが大きくても解像感の低い画像もあるが、それはAFに要因があるものと思われる。
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EOS 5D Mark II / EF 24-105mm F4 L IS USM / 約10.0MB / 5,616×3,744 / 1/250秒 / F8 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 58mm | EOS 7D / EF-S 18-135mm F3.5-5.6 IS / 約8.7MB / 5,184×3,456 / 1/400秒 / F8 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 38mm |
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E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R / 約5.5MB / 4,032×3,024 / 1/640秒 / F8 / 0.0EV / ISO200 / WB:オート / 30mm | Nikon 1 J1 / 1 NIKKOR VR 10-30mm F3.5-5.6 / 約6.4MB / 3,872×2,592 / 1/250秒 / F8 / -0.3EV / ISO100 / WB:オート / 21.1mm |
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FUJIFILM X10 / 約4.8MB / 4,000×3,000 / 1/320秒 / F8 / +0.3EV / ISO100 / WB:オート / 14.8mm | PowerShot S100 / 約3.2MB / 4,000×3,000 / 1/160秒 / F8 / 0.0EV / ISO80 / WB:オート / 12mm |
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PENTAX Q / PENTAX-02 STANDARD ZOOM / 約3.2MB / 4,000×3,000 / 1/320秒 / F8 / 0.0EV / ISO125 / WB:オート / 9.2mm |
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EOS 5D Mark II / EF 24-105mm F4 L IS USM / 約7.8MB / 5,616×3,744 / 1/250秒 / F8 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 24mm | EOS 7D / EF-S 18-135mm F3.5-5.6 IS / 約8.5MB / 5,184×3,456 / 1/250秒 / F8 / +0.3EV / ISO100 / WB:オート / 18mm |
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E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R / 約5.9MB / 4,032×3,024 / 1/400秒 / F8 / +0.3EV / ISO200 / WB:オート / 14mm | Nikon 1 J1 / 1 NIKKOR VR 10-30mm F3.5-5.6 / 約6.3MB / 3,872×2,592 / 1/200秒 / F8 / -0.7EV / ISO100 / WB:オート / 10mm |
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FUJIFILM X10 / 約4.7MB / 4,000×3,000 / 1/240秒 / F8 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 7.1mm | PowerShot S100 / 約2.7MB / 4,000×3,000 / 1/125秒 / F8 / 0.0EV / ISO80 / WB:オート / 5.2mm |
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PENTAX Q / PENTAX-02 STANDARD ZOOM / 約3.2MB / 4,000×3,000 / 1/250秒 / F8 / 0.0EV / ISO125 / WB:オート / 5mm |
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EOS 5D Mark II / EF 24-105mm F4 L IS USM / 約8.4MB / 5,616×3,744 / 1/250秒 / F8 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 28mm | EOS 7D / EF-S 18-135mm F3.5-5.6 IS / 約8.1MB / 5,184×3,456 / 1/250秒 / F8 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 18mm |
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E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R / 約6.5MB / 4,032×3,024 / 1/400秒 / F8 / 0.0EV / ISO200 / WB:オート / 14mm | Nikon 1 J1 / 1 NIKKOR VR 10-30mm F3.5-5.6 / 約6.1MB / 3,872×2,592 / 1/250秒 / F8 / -0.7EV / ISO100 / WB:オート / 11.4mm |
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FUJIFILM X10 / 約4.8MB / 4,000×3,000 / 1/240秒 / F8 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 8.3mm | PowerShot S100 / 約3.0MB / 4,000×3,000 / 1/100秒 / F8 / 0.0EV / ISO80 / WB:オート / 6.7mm |
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PENTAX Q / PENTAX-02 STANDARD ZOOM / 約3.1MB / 4,000×3,000 / 1/200秒 / F8 / 0.0EV / ISO125 / WB:オート / 5mm |
■階調
今回撮影した画像を見る限り、階調再現性はどれも似たり寄ったりといったところ。比較する画像の明るさの違いはあるものの、ハイライトからシャドーまで滑らかに再現できている。
画素ピッチの小さいイメージセンサーの階調再現性は画素ピッチの大きいものにくらべ一般的に劣るといわれるが、EOS 5D Mark IIやEOS 7Dで撮影した画像とPENTAX QやPowerShot S100で撮影した画像を見比べてもその差はさほど感じられない。これは主に、映像エンジンやダイナミックレンジ拡大機能などによるところが大きいのだろう。
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EOS 5D Mark II / EF 24-105mm F4 L IS USM / 約9.9MB / 5,616×3,744 / 1/80秒 / F8 / -0.7EV / ISO100 / WB:オート / 28mm | EOS 7D / EF-S 18-135mm F3.5-5.6 IS / 約9.2MB / 5,184×3,456 / 1/80秒 / F8 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 18mm |
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E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R / 約5.1MB / 4,032×3,024 / 1/160秒 / F8 / -0.3EV / ISO200 / WB:オート / 14mm | Nikon 1 J1 / 1 NIKKOR VR 10-30mm F3.5-5.6 / 約6.1MB / 3,872×2,592 / 1/60秒 / F8 / -0.7EV / ISO100 / WB:オート / 10mm |
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FUJIFILM X10 / 約4.7MB / 4,000×3,000 / 1/85秒 / F8 / -0.7EV / ISO100 / WB:オート / 7.1mm | PowerShot S100 / 約3.3MB / 4,000×3,000 / 1/50秒 / F8 / -0.7EV / ISO80 / WB:オート / 6mm |
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PENTAX Q / PENTAX-02 STANDARD ZOOM / 約4.0MB / 4,000×3,000 / 1/80秒 / F8 / -0.7EV / ISO125 / WB:オート / 5.1mm |
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EOS 5D Mark II / EF 24-105mm F4 L IS USM / 約5.5MB / 5,616×3,744 / 1/60秒 / F8 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 47mm | EOS 7D / EF-S 18-135mm F3.5-5.6 IS / 約6.0MB / 5,184×3,456 / 1/100秒 / F8 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 30mm |
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E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R / 約5.3MB / 4,032×3,024 / 1/160秒 / F8 / 0.0EV / ISO200 / WB:オート / 25mm | Nikon 1 J1 / 1 NIKKOR VR 10-30mm F3.5-5.6 / 約5.1MB / 3,872×2,592 / 1/80秒 / F8 / -1.0EV / ISO100 / WB:オート / 18.2mm |
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FUJIFILM X10 / 約4.4MB / 4,000×3,000 / 1/85秒 / F8 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 11.3mm | PowerShot S100 / 約2.2MB / 4,000×3,000 / 1/50秒 / F8 / -0.3EV / ISO80 / WB:オート / 10.4mm |
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PENTAX Q / PENTAX-02 STANDARD ZOOM / 約2.2MB / 4,000×3,000 / 1/100秒 / F8 / 0.0EV / ISO125 / WB:オート / 8.2mm |
■ボケ
改めて述べるまでもなく、センサーサイズの大きいほうが同じ絞り値でも大きいボケが得られるが、実際比較するとその違いに驚かされる。
レンズの画角や撮影距離によっては、1型を切るFUJIFILM X10、PowerShot S100、PENTAX Qでは画面全体のディテールが認識できるケースでも、EOS 5D Mark II、EOS 7D、OLYMPUS PEN E-P3ではピントの合った部分以外はボケてしまい、ディテールが確認できないことも多い。
さらに、絞り値1段違いによるボケの度合いもセンサーサイズによって異なり、センサーが大きいほど絞りによるボケの違いがより明確となる。反対に小さいイメージセンサーではそれほど変わらないように思える。
ちなみに今回ミニマムサイズとなる1/2.3型を搭載するPENTAX Qには画像処理により背景のボケをつくる「BC(ボケコントロール)」機能を搭載しているのがユニークなところ。ピントの合った部分とボカす部分の見切りが若干甘いこともないわけではないが、小さいイメージセンサーの苦手とする大きなボケのある画像を手軽に楽しむことができる。コンパクトカメラでもこういう機能が広く搭載されることを望みたい(今回は使用していない)。
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F5.6 / EOS 5D Mark II / EF 24-105mm F4 L IS USM / 約3.9MB / 5,616×3,744 / 1/100秒 / +0.3EV / ISO100 / WB:オート / 70mm | F8 / EOS 5D Mark II / EF 24-105mm F4 L IS USM / 約4.3MB / 5,616×3,744 / 1/50秒 / +0.3EV / ISO100 / WB:オート / 70mm |
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F5.6 / EOS 7D / EF-S 18-135mm F3.5-5.6 IS / 約4.8MB / 5,184×3,456 / 1/160秒 / +0.3EV / ISO100 / WB:オート / 42mm | F8 / EOS 7D / EF-S 18-135mm F3.5-5.6 IS / 約4.8MB / 5,184×3,456 / 1/50秒 / +1.0EV / ISO100 / WB:オート / 42mm |
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F5.6 / E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R / 約4.2MB / 4,032×3,024 / 1/160秒 / +0.7EV / ISO200 / WB:オート / 35mm | F8 / E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R / 約4.3MB / 4,032×3,024 / 1/80秒 / +0.7EV / ISO200 / WB:オート / 35mm |
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F5.6 / Nikon 1 J1 / 1 NIKKOR VR 10-30mm F3.5-5.6 / 約4.2MB / 3,872×2,592 / 1/80秒 / +0.3EV / ISO100 / WB:オート / 24.4mm | F8 / Nikon 1 J1 / 1 NIKKOR VR 10-30mm F3.5-5.6 / 約4.3MB / 3,872×2,592 / 1/40秒 / +0.3EV / ISO100 / WB:オート / 24.4mm |
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F5.6 / FUJIFILM X10 / 約4.5MB / 4,000×3,000 / 1/100秒 / +0.7EV / ISO100 / WB:オート / 16.7mm | F8 / FUJIFILM X10 / 約4.5MB / 4,000×3,000 / 1/45秒 / +0.7EV / ISO100 / WB:オート / 16.7mm |
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F5.6 / PowerShot S100 / 約2.2MB / 4,000×3,000 / 1/60秒 / +0.3EV / ISO80 / WB:オート / 14.6mm | F8 / PowerShot S100 / 約2.2MB / 4,000×3,000 / 1/30秒 / +0.3EV / ISO80 / WB:オート / 14.6mm |
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F5.6 / PENTAX Q / PENTAX-02 STANDARD ZOOM / 約2.1MB / 4,000×3,000 / 1/60秒 / +1.0EV / ISO125 / WB:オート / 11.7mm | F8 / PENTAX Q / PENTAX-02 STANDARD ZOOM / 約2.2MB / 4,000×3,000 / 1/30秒 / +1.0EV / ISO125 / WB:オート / 11.7mm |
■高感度
高感度特性については、まずISO400までなら等倍に画像を拡大してもどの画像もノイズはほとんど目立たずシャープネスも高い。安心して使えるレベルといってよいだろう。
ISO800になると50%程度の拡大率までならいずれもさほど目立たないものの、等倍で見ると小さいイメージセンサーで撮影した画像はノイズが現れ始める。さらに、ノイズリダクションが効きはじめるためか、1/2.3型のPENTAX Qや2/3型のX10はシャープネスがわずかに低下し画像のエッジがユルくなったように感じられる。しかし、画質に強くこだわるつもりでなければ、まだまだ実用レベルといってよいだろう。
ISO1600では、50%の拡大率で見てもセンサーサイズによってはノイズが容易に見極めることができるようになる。一部のカメラでは色調も変化し始める。ISO3200となると小さいイメージセンサーは、フルサイズやAPS-Cサイズにまったく太刀打ちできなくなるので、ISO1600あたりまでが、現時点での1型未満の限界といってよいかもしれない。ただし、以前にくらべればノイズレベルは格段に低く、いずれもよく頑張っているといってよい。
ここで特筆すべきなのが、1型のイメージセンサーを積むNikon 1 J1で、撮影した画像を見るかぎりノイズレベルやエッジのシャープネスは4/3型のOLYMPUS PEN E-P3を上回る。OLYMPUS PEN E-P3の画質がそれほど劣るようには思えないので、これはNikon 1 J1がよく頑張った結果なのだろう。
35mmフルサイズのEOS 5D Mark IIとAPS-CサイズのEOS 7Dに関しては、やはりセンサーサイズが大きく、画素ピッチに余裕のあるものほど高感度特性がよいことを改めて知る結果となった。
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ISO100 / EOS 5D Mark II / EF 24-105mm F4 L IS USM / 約5.0MB / 5,616×3,744 / 1/8秒 / F8 / 0.0EV / WB:オート / 50mm | ISO200 / EOS 5D Mark II / EF 24-105mm F4 L IS USM / 約5.1MB / 5,616×3,744 / 1/15秒 / F8 / 0.0EV / WB:オート / 50mm |
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ISO400 / EOS 5D Mark II / EF 24-105mm F4 L IS USM / 約5.4MB / 5,616×3,744 / 1/30秒 / F8 / 0.0EV / WB:オート / 50mm | ISO800 / EOS 5D Mark II / EF 24-105mm F4 L IS USM / 約5.5MB / 5,616×3,744 / 1/60秒 / F8 / 0.0EV / WB:オート / 50mm |
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ISO1600 / EOS 5D Mark II / EF 24-105mm F4 L IS USM / 約5.8MB / 5,616×3,744 / 1/125秒 / F8 / 0.0EV / WB:オート / 50mm | ISO3200 / EOS 5D Mark II / EF 24-105mm F4 L IS USM / 約6.3MB / 5,616×3,744 / 1/250秒 / F8 / 0.0EV / WB:オート / 50mm |
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ISO6400 / EOS 5D Mark II / EF 24-105mm F4 L IS USM / 約8.0MB / 5,616×3,744 / 1/500秒 / F8 / 0.0EV / WB:オート / 50mm |
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ISO100 / EOS 7D / EF-S 18-135mm F3.5-5.6 IS / 約5.0MB / 5,184×3,456 / 1/15秒 / F8 / 0.0EV / WB:オート / 31mm | ISO200 / EOS 7D / EF-S 18-135mm F3.5-5.6 IS / 約5.0MB / 5,184×3,456 / 1/30秒 / F8 / 0.0EV / WB:オート / 31mm |
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ISO400 / EOS 7D / EF-S 18-135mm F3.5-5.6 IS / 約5.5MB / 5,184×3,456 / 1/60秒 / F8 / 0.0EV / WB:オート / 31mm | ISO800 / EOS 7D / EF-S 18-135mm F3.5-5.6 IS / 約5.7MB / 5,184×3,456 / 1/125秒 / F8 / 0.0EV / WB:オート / 31mm |
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ISO1600 / EOS 7D / EF-S 18-135mm F3.5-5.6 IS / 約6.0MB / 5,184×3,456 / 1/250秒 / F8 / 0.0EV / WB:オート / 31mm | ISO3200 / EOS 7D / EF-S 18-135mm F3.5-5.6 IS / 約6.5MB / 5,184×3,456 / 1/500秒 / F8 / 0.0EV / WB:オート / 31mm |
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ISO6400 / EOS 7D / EF-S 18-135mm F3.5-5.6 IS / 約7.9MB / 5,184×3,456 / 1/1,000秒 / F8 / 0.0EV / WB:オート / 31mm |
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ISO200 / E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R / 約5.1MB / 4,032×3,024 / 1/13秒 / F8 / +0.3EV / WB:オート / 25mm | ISO400 / E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R / 約4.9MB / 4,032×3,024 / 1/25秒 / F8 / +0.3EV / WB:オート / 25mm |
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ISO800 / E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R / 約4.8MB / 4,032×3,024 / 1/50秒 / F8 / +0.3EV / WB:オート / 25mm | ISO1600 / E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R / 約5.4MB / 4,032×3,024 / 1/100秒 / F8 / +0.3EV / WB:オート / 25mm |
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ISO3200 / E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R / 約5.8MB / 4,032×3,024 / 1/200秒 / F8 / +0.3EV / WB:オート / 25mm | ISO6400 / E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R / 約5.2MB / 4,032×3,024 / 1/400秒 / F8 / +0.3EV / WB:オート / 25mm |
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ISO12800 / E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R / 約4.0MB / 4,032×3,024 / 1/800秒 / F8 / +0.3EV / WB:オート / 25mm |
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ISO100 / Nikon 1 J1 / 1 NIKKOR VR 10-30mm F3.5-5.6 / 約5.6MB / 3,872×2,592 / 1/6秒 / F8 / -0.3EV / WB:オート / 20.3mm | ISO200 / Nikon 1 J1 / 1 NIKKOR VR 10-30mm F3.5-5.6 / 約5.8MB / 3,872×2,592 / 1/15秒 / F8 / -0.3EV / WB:オート / 20.3mm |
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ISO400 / Nikon 1 J1 / 1 NIKKOR VR 10-30mm F3.5-5.6 / 約5.7MB / 3,872×2,592 / 1/30秒 / F8 / -0.3EV / WB:オート / 20.3mm | ISO800 / Nikon 1 J1 / 1 NIKKOR VR 10-30mm F3.5-5.6 / 約5.3MB / 3,872×2,592 / 1/50秒 / F8 / -0.3EV / WB:オート / 20.3mm |
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ISO1600 / Nikon 1 J1 / 1 NIKKOR VR 10-30mm F3.5-5.6 / 約5.2MB / 3,872×2,592 / 1/125秒 / F8 / -0.3EV / WB:オート / 20.3mm | ISO3200 / Nikon 1 J1 / 1 NIKKOR VR 10-30mm F3.5-5.6 / 約5.6MB / 3,872×2,592 / 1/250秒 / F8 / -0.3EV / WB:オート / 20.3mm |
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ISO6400 / Nikon 1 J1 / 1 NIKKOR VR 10-30mm F3.5-5.6 / 約5.6MB / 3,872×2,592 / 1/400秒 / F8 / -0.3EV / WB:オート / 20.3mm |
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ISO100 / FUJIFILM X10 / 約4.5MB / 4,000×3,000 / 1/6秒 / F8 / 0.0EV / WB:オート / 11.7mm | ISO200 / FUJIFILM X10 / 約4.6MB / 4,000×3,000 / 1/9秒 / F8 / 0.0EV / WB:オート / 11.7mm |
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ISO400 / FUJIFILM X10 / 約4.5MB / 4,000×3,000 / 1/15秒 / F8 / 0.0EV / WB:オート / 11.7mm | ISO800 / FUJIFILM X10 / 約4.6MB / 4,000×3,000 / 1/30秒 / F8 / 0.0EV / WB:オート / 11.7mm |
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ISO1600 / FUJIFILM X10 / 約4.5MB / 4,000×3,000 / 1/60秒 / F8 / 0.0EV / WB:オート / 11.7mm | ISO3200 / FUJIFILM X10 / 約4.6MB / 4,000×3,000 / 1/125秒 / F8 / 0.0EV / WB:オート / 11.7mm |
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ISO80 / PowerShot S100 / 約2.3MB / 4,000×3,000 / 1/5秒 / F8 / 0.0EV / WB:オート / 10.8mm | ISO100 / PowerShot S100 / 約2.3MB / 4,000×3,000 / 1/6秒 / F8 / 0.0EV / WB:オート / 10.8mm |
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ISO200 / PowerShot S100 / 約2.3MB / 4,000×3,000 / 1/13秒 / F8 / 0.0EV / WB:オート / 10.8mm | ISO400 / PowerShot S100 / 約2.2MB / 4,000×3,000 / 1/25秒 / F8 / 0.0EV / WB:オート / 10.8mm |
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ISO800 / PowerShot S100 / 約2.1MB / 4,000×3,000 / 1/50秒 / F8 / 0.0EV / WB:オート / 10.8mm | ISO1600 / PowerShot S100 / 約2.1MB / 4,000×3,000 / 1/100秒 / F8 / 0.0EV / WB:オート / 10.8mm |
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ISO3200 / PowerShot S100 / 約2.4MB / 4,000×3,000 / 1/200秒 / F8 / 0.0EV / WB:オート / 10.8mm | ISO6400 / PowerShot S100 / 約2.8MB / 4,000×3,000 / 1/400秒 / F8 / 0.0EV / WB:オート / 10.8mm |
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ISO125 / PENTAX Q / PENTAX-02 STANDARD ZOOM / 約2.6MB / 4,000×3,000 / 1/10秒 / F8 / 0.0EV / WB:オート / 8.8mm | ISO200 / PENTAX Q / PENTAX-02 STANDARD ZOOM / 約2.8MB / 4,000×3,000 / 1/15秒 / F8 / 0.0EV / WB:オート / 8.8mm |
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ISO400 / PENTAX Q / PENTAX-02 STANDARD ZOOM / 約2.7MB / 4,000×3,000 / 1/30秒 / F8 / 0.0EV / WB:オート / 8.8mm | ISO800 / PENTAX Q / PENTAX-02 STANDARD ZOOM / 約2.7MB / 4,000×3,000 / 1/60秒 / F8 / 0.0EV / WB:オート / 8.8mm |
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ISO1600 / PENTAX Q / PENTAX-02 STANDARD ZOOM / 約2.6MB / 4,000×3,000 / 1/125秒 / F8 / 0.0EV / WB:オート / 8.8mm | ISO3200 / PENTAX Q / PENTAX-02 STANDARD ZOOM / 約2.5MB / 4,000×3,000 / 1/250秒 / F8 / 0.0EV / WB:オート / 8.8mm |
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ISO6400 / PENTAX Q / PENTAX-02 STANDARD ZOOM / 約2.7MB / 4,000×3,000 / 1/500秒 / F8 / 0.0EV / WB:オート / 8.8mm |
■まとめ
今回の比較では、小さいイメージセンサーもよく健闘しているように思えた。画素ピッチが小さいだけに描写に不利な要素は多いが、それを克服してきているといってもよい。もちろん大きなイメージセンサーとの絶対的な違いはあるが、ちょっと前のものとくらべると明らかに進化している。日進月歩といわれるデジタルカメラであるが、大きいイメージセンサーも含め今後もますます期待していってよいだろう。
なお、このような比較記事は正確に結論を出すのは難しい。メーカーによって、絵作りの考え方が異なるし、使用するレンズも同一スペックではない。何よりイメージセンサーに合わせて画角を揃えたり、アングルを完全に統一することは不可能で、完全にイーブンな条件とはならないからである。そのようなことをご理解いただき、この企画を楽しんでもらえればと思う。