オリンパスは、同社マイクロフォーサーズラインナップのフラッグシップモデル「OLYMPUS PEN E-P3」を7月22日に発売する。カラーはシルバー、ホワイト、ブラックを用意する。
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E-P3(シルバー、M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II Rを装着) | E-P3(ホワイト、M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II Rを装着) |
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E-P3(ブラック、M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II Rを装着) |
品番 | 付属レンズ | 発売日 | 店頭予想価格 |
PEN E-P3 (ボディ) | (ボディのみ) | 7月 (受注生産) | 9万円前後 |
PEN E-P3レンズキット | 14-42mm F3.5-5.6 II R | 7月22日 | 10万円前後 |
PEN E-P3ツインレンズキット) | 14-42mm F3.5-5.6 II R 17mm F2.8 | 12万円前後 |
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OLYMPUS PEN E-P3 CMイメージカット。CMキャラクターは引き続き宮崎あおいさん(“崎”は本来異なる漢字です) |
同社が2009年12月に発売した「E-P2」の後継モデル。外観は、これまでの“E-P”系列の流れを汲む。E-P2でモードダイヤルがあった位置には、ポップアップ式の内蔵ストロボを搭載した。E-Pシリーズがストロボを内蔵するのは初めて。モードダイヤルは、従来電源ボタンのあった位置に移動した。引き続きフルメタル外装を採用。グリップは新たに着脱式になった。
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シルバー。M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II Rを装着 |
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新たにファンクションボタン「Fn2」を新設した |
■「FAST AF」システムを初搭載
デジタル一眼レフカメラが採用する位相差AFよりも高速だとするコントラストAF「FAST AF」(Frequency Acceleration Sensor Technology)システムを初めて搭載した。同社のMSC(Movie & Still Compatible)機構搭載レンズとの組み合わせにより、シングルAFでは世界最速を実現した(M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 IIを装着したE-P3において、実焦点距離35mmで無限遠から1m先の被写体に合焦して露光を開始するまでの時間)としている。
撮像素子を新開発とすることで、センサーを従来の倍となる120fpsで駆動。AFに必要な信号をより早く得られるようにした。また、映像信号からコントラスト信号を生成しフォーカス度合いを判断する演算処理の速度も向上させた。加えて、MSC機構との相乗効果やシャッターボタンを押してからAFシステムを起動するレスポンスを改善するなど、AFシステムを一新。従来比では約3倍の合焦速度を達成したとする。
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シルバー。M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2(同時発表)を装着 | フード装着時 |
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シルバー。M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8(同時発表)を装着 | フード装着時 |
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シルバー。M.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8(発売済み)を装着 | M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R(同時発表)とフードを装着 |
フォーカスエリアは、従来の11点から35点に増えた。個々のAFポイントサイズをこれまでより小さくすることで、ピンポイントのAFが広い範囲で行なえるようになった。さらに、縦3×横3エリアを選択できる「グループエリア選択機能」を搭載。動きのある被写体を捕捉する場合に適するとしている。追尾AFでは新たなアルゴリズムを開発し、追尾中に被写体の形状が変化したり、一時的に隠れても追い続けられるとする。
シャッターボタンを押さなくても常時ピントを合わせ続ける「フルタイムAF」機能も搭載した。カメラを被写体に向けるだけで、シャッターボタン半押しで起動するシングルAF(S-AF)をより素早く行なえる。「E-PL2」で搭載した瞳検出機能では、OFF、近距離の目優先、左目優先、右目優先の切り替えができるようになった。ポートレート撮影時はピントを合わせる眼を固定していることが多いことや、敢えて遠い眼にピントを合わせるような手法に対応したもの。また、AF補助光をペンシリーズで初めて搭載した。
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シルバー。M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II Rを装着 |
■「センサー内ライン加算」で動画も高画質に
撮像素子では、フォーサーズ機「E-5」で採用した「ファインディテール処理」を採用。パワーを弱めたローパスフィルターと画像処理により、モアレを低減しつつ解像感を高めている。さらに、これまで再現が難しかったというエメラルドグリーンや黄色などの色再現性や階調性を向上できる「リアルカラーテクノロジー」を搭載した。画素数は有効1,230万画素で、「E-PL2」を据え置いている。
階調オート設定時に暗部の階調を改善する「SAT」(シャドー・アジャストメント・テクノロジー)においては、逆光補正性能や手前の人物の明るさをより最適にできる「ASAT」(アドバンスド・シャドー・アジャストメント・テクノロジー)に進化している。
撮像素子は、従来タイプの「ハイスピードLive Mos」から高速化と高感度化を図っており、動画では1,920×1,080ピクセル、60i(センサー出力は30fps)のAVCHD記録が可能になった。「フレーム間ちらつきノイズ低減処理機能」も備えた。
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E-P3の透視図 | センサーユニット。センサーシフト式手ブレ補正機構と超音波によるゴミ除去機能を引き続き搭載 |
新センサーでは「センサー内ライン加算」を採用している。これまではフルHDで出力する際に、画素配列の読み出し選択行のうちいずれか1行を選択していた。センサー内ライン加算は、複数の読み出し選択行の信号を加算して出力するもので、動画やライブビューにおいて滑らかな斜め線や低ノイズを実現したという。オプションのEVF「VF-2」のライブビュー画像も高品位になったとしている。
画像処理エンジンも新開発の「TruePic VI」を搭載。デュアルコア化したことで、画像記録と液晶モニターへの表示を並列して処理できるようになった。これにより、撮影直後のブラックアウト時間を短縮。連続撮影時のレスポンスが向上したとする。従来のTruePic Vはシングルコアだったため、記録処理が完了してからライブビュー処理を行なっていた。
■新アートフィルターを追加
アートフィルターには、従来のデイドリームの暖色版となる「デイドリームII」を新バリエーションとして加えた。従来からのアートフィルターは、ポップアート、ファンタジックフォーカス、デイドリーム、ライトトーン、ラフモノクローム、トイフォト、ジオラマ、クロスプロセス、ジェントルセピア、ドラマチックトーンが利用できる。
またアートエフェクトの新モードとして、光の交差効果を出す「スターライト」および柔らかなボカし効果を出す「ホワイトエッジ」が加わった。これまでのアートフレーム効果、ピンホール効果、ソフトフォーカス効果とともに、アートフィルターと重ねても使用できる。
「アートフィルターブラケット」機能を新搭載し、1枚の撮影で複数のアートフィルターまたは仕上りモードで記録できるようになった。
なお、3Dフォト機能でもアートフィルターを反映可能(スターライト効果を除く)になった。
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ホワイト |
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M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II Rとフードを装着したところ | M.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8を装着したところ |
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内蔵ストロボをポップアップさせたところ |
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ブラック |
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M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II Rとフードを装着したところ | M.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8を装着したところ |
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内蔵ストロボをポップアップさせたところ |
■有機ELのタッチパネルを搭載
液晶モニターは、タッチパネル式の3型有機ELパネルを採用。実画素は61万ドットながら、特殊な配列により約92万ドット相当の映像データを表示できるという。締まりのある黒や広い色再現特性を活かした鮮やかな写真表現が可能としている。有機ELパネルの色合いはVIVIDかNATURALのいずれかを選べる。
タッチパネルは静電容量式。タッチ操作により、シャッターレリーズ、画面拡大、ライブガイド、AFエリア選択、AFエリア拡大などが可能。再生時にはコマ送りなどのほか、ダブルタップによる一発拡大もできる。なおタッチパネルはOFFにすることもでき、従来通りボタンのみでも操作は可能。カバーとパネルの隙間は光学糊で封止しており、空気層による反射を防ぐという。
グラフィックのユーザーインターフェースも見直し、高品位フォントなどによるより視認性の高いメニューなどにした。
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内蔵ストロボをポップアップさせたところ | 「PENPAL PP-1」を装着したところ |
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記録メディアおよびバッテリー室 |
■グリップの交換でカスタマイズが可能
グリップ部分は、ペンシリーズでは初めてとなる着脱式を採用した。同梱の標準タイプを外して、オプションのグリップ「MCG-2」(3,675円、7月22日発売)に交換できる。MCG-2ではグリップにより厚みが生まれ、ホールド性が高まる。望遠レンズなどとの組み合わせにも適するという。カラーはブラックとホワイトの2色。E-P3はグリップを外した状態でも使用可能。なお、E-P3付属のグリップが「MCG-1」となる。
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標準装備のグリップ「MCG-1」。左からブラック、ホワイト |
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オプショングリップ「MCG-2」。左からブラック、ホワイト |
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グリップを外したシルバーボディ | MCG-2を装着したところ |
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グリップを外したホワイトボディ | MCG-2を装着したところ |
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グリップを外したブラックボディ | MCG-2を装着したところ |
またカスタマイズアイテムとして、プレミアムカメラグリップ「MCG-3PR」を6種類用意する。価格はいずれも5,040円。8月に数量限定で発売する。ラインナップはブラック、シルバー、ホワイト、カーボンファイバー柄、べっ甲柄、大理石柄。いずれも銀塩カメラ「オリンパス・ペンF」にあった花文字をあしらった。
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MCG-3PR(ブラック) | シルバー |
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ホワイト | カーボンファイバー柄 |
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べっ甲柄 | 大理石柄 |
また、プレミアムカメラグリップと柄を合わせたプレミアムレンズキャップ「LC-37PR」(37mm径用))も8月に発売する。価格はブラック、シルバー、ホワイト、シャンパンゴールドが1,570円。カーボンファイバー柄、べっ甲柄、大理石柄が2,520円。ブラック、シルバー、ホワイト、シャンパンゴールドは数量限定。シャンパンコールドのみ、同柄のグリップはない。
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ブラック | シルバー |
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ホワイト | シャンパンゴールド |
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カーボンファイバー柄 | べっ甲柄 |
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大理石柄 |
■本革フロント&ボディケース「CS-29FBC」
E-P3専用の本革製フルカバーケース。発売は7月22日。価格は9,450円。M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R、「M.ZUIKO DIGITAL 9-18mm F4-5.6」、「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8」、「M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2」、「M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8」のいずれかを装着した状態で収納および速写が可能。
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CS-29FBC |
■本革ボディジャケット「CS-30B」
E-P3専用の本革製ボディージャケット。発売は7月22日、価格は5,670円。カラーはホワイト、ブラック、ブラウン。。装着した状態で、液晶モニターを見ながらの撮影と再生ができる。
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CS-30B(ブラック) | ブラウン |
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ホワイト |
主な仕様機種名 | E-P3 | E-P2 (参考) | E-PL2 (参考) |
発売年月 | 2011年7月22日 | 2009年12月4日 | 2011年1月28日 |
発売時価格(ボディのみ) | 9万円前後 | 10万5,000円前後 | 8万円前後 |
撮像素子 | 4/3型ハイスピードLive MOSセンサー |
有効画素数 | 約1,230万 |
感度(拡張設定含む) | ISO200-12800 | ISO200-6400 |
手ブレ補正 | センサーシフト式 |
背面モニター | 3型約92万ドット相当 | 3型約23万ドット | 3型46万ドット |
タッチパネル | ○ | ― | ― |
アクセサリーポート | AP2 | ― | AP2 |
内蔵ストロボ | GN.10(ISO200) | ― | GN.10(ISO200) |
最高シャッター速度 | 1/4,000秒 |
連写性能 | 約3枚/秒 |
動画(最大) | AVCHD(1,920×1,080、60i) | Motion JPEG(1,280×720、30fps) |
記録メディア | SDXC/SDHC/SD | SDHC/SD | SDXC/SDHC/SD |
バッテリー | BLS-5(同梱) BLS-1 | BLS-1(同梱) BLS-5 | BLS-5(同梱) BLS-1 |
撮影可能枚数 | 約330枚 | 約300枚 | 約280枚 |
幅(mm) | 約122 | 約120.5 | 約115.4 |
高さ(mm) | 約69.1 | 約70 | 約72.7 |
奥行き(mm) | 約34.3 | 約35 | 約42 |
質量(g)本体のみ | 約321 | 約335 | 約317 |