【 2016/05/26 】
【 2016/05/25 】
【 2016/05/24 】
【 2016/05/23 】
【 2016/05/20 】

キヤノン、ファインダー視野率100%のAPS-C最上位機種「EOS 7D」

〜19点クロスAFセンサー、8コマ/秒記録、フルHD動画など

 キヤノンは、約8コマ/秒の連写性能を持つデジタル一眼レフカメラ「EOS 7D」を10月2日発売する。価格はオープンプライス。

商品名 価格 店頭予想価格 発売時期
EOS 7Dボディ オープンプライス 19万円前後 10月2日
EOS 7D EF-S18-200ISレンズキット
EOS 7D+EF-S 18-200mm F3.5-5.6 IS
26万円前後
EOS 7D EF-S15-85ISUレンズキット
EOS 7D+EF-S 15-85mm F3.5-5.6 IS USM
27万円前後

EOS 7D。装着レンズはいずれもEF-S 15-85mm F3.5-5.6 IS USM

 「EOS 50D」(2008年9月発売)の上位に位置するミドルクラスモデル。「妥協のないスペックの実現と視覚・聴覚・触覚に訴える本物の質感」をコンセプトのひとつとしており、例えばファインダー視野率は、APS-Cサイズ相当のCMOSセンサーを搭載するEOS DIGITALとして初の100%を実現している。加えてAFセンサー、連写性能、AEシステムなどをEOS 50DやEOS Kiss X3からブラッシュアップすると同時に、フルHD動画記録にも対応した。

 なお、EF-S15-85ISUレンズキットに付属する新レンズ「EF-S 15-85mm F3.5-5.6 IS USM」や、EOS 7Dに装着可能なワイヤレストランスミッター「WFT-E5」については、それぞれ別ページで紹介したい。

本体のみで8コマ/秒の連写が可能

 撮像素子はAPS-Cサイズ相当の有効1,800万画素CMOSセンサー。クラス最多の画素数となる。RAWの記録画素数は5,184×3,456ピクセル。2,592×1,728ピクセルのS-RAWに加え、3,888×2,592ピクセルのM-RAWの記録も可能。sRAW1、sRAW2という呼称ではなくなった。

 常用感度はISO100〜6400。感度拡張で最高ISO12800での撮影も行える。有効撮影画角はレンズ表記焦点距離の1.6倍相当で、EFマウントおよびEF-Sマウントに対応する。

 画像処理エンジン「DIGIC4」を2つ搭載。EOS-1D/1Ds系と同様のデュアルエンジンの考え方を継承するもので、画像処理に余裕が生まれ、データ書き込みなどの動作が高速化するという。ちなみにEOS 50DはDIGIC4を1つ搭載するシングル構成だった。

 高速連写性能も向上した。本体のみで約8コマ/秒の撮影が可能。また、CFスロットはUDMAに対応する。JPEGラージ/ファインでの連続記録枚数は、最大約126コマとなっている。また、書き込み中にスロットカバーを開いても、書き込み操作を中断しない特徴を持っている。

 液晶モニターは3型約92万ドット。数値上はEOS 50Dと同等だが、液晶パネルと保護パネルの間に光学弾性体を充填し、真空状態に加工する「ソリッド構造」を採用することで、外光下での見やすさが向上したという。液晶パネルと保護カバーの間にゴミが入る問題も解消した。従来のクリアビュー液晶と同様、反射・汚れ・キズ防止のマルチコートも施している。

19点すべてをクロスセンサー化

 測距点数はEOS 50Dの9点から19点に増加した。センサーの配置は菱形で、すべてのAFセンサーにクロスセンサーを採用する。さらに中央には、斜め十字にF2.8光束対応、縦横十字にF5.6光束対応のデュアルクロスセンサーを搭載。測距エリア選択モードとして、19点から任意の1点を選ぶ「1点AF」、指定したゾーン内で被写体を自動検出する「ゾーンAF」、カメラが19点から自動的に選ぶ「自動選択」の3つから選べるようになった。このうちゾーンAFモードは、5分割されたゾーンから任意のゾーンを選択可能。自動選択モードでは、AIサーボAF時に被写体追随表示も可能という。測距点の選択は電子ダイヤル、またはマルチコントローラーで行なえる。

 また、EOS-1D/1Ds系の「AFフレーム領域拡大」を継承。選択した測距点を被写体が外れても、上下左右の測距点が自動でアシストする。そのほか、使用しないAFフレームを表示させないようになっている。加えてAIサーボAFが「AIサーボAF II」に進化。手持ちでのマクロ撮影でも効果があるという。

ファインダー内でのAF測距点表示 測距範囲

 AF関連ではそのほか、AFスタートボタンに選択AFフレーム、AEロックボタンに登録AFフレームを割り当てる(逆も可能)ことが「AF開始位置選択」で可能になり、AFフレーム選択のステップを簡略化できるようになった。なお登録AFフレームへの移動はマルチコントローラー中央押しでも可能。

 もうひとつの新機能「AF制御切替登録」では、絞り込みボタンおよびレンズボタンに、測距エリア(スポット、任意、領域拡大、ゾーン、19点全自動)、AIサーボ追従便感度、AIサーボ時の測距点選択特性、AIサーボ1/2コマ目以降の動作のいずれかを割当てられる。動く被写体の性質にあわせて、シーン毎の使い分けが可能だ。

視野率100%・倍率1倍のファインダーを装備

 ファインダー視野率はEOS 50Dの約95%から広がり、約100%を実現した。倍率も約0.95倍から約1.0倍に拡大。EFレンズ使用時、肉眼とほぼ同じ大きさで被写体を見ることができるという。また、透過型液晶デバイスを用いた「インテリジェントビューファインダー」を採用。EOS DIGITALとして初の機能で、「AFフレーム表示」、「視野内表示」、「グリッドライン表示」、「スポット測光表示」、「ファインダー内水準器表示」を切り替えられる。その代わりフォーカシングスクリーンの交換ができなくなった。

 測光システムにも手が加えられている。縦2層構造の63分割デュアルレイヤー測光センサーを新開発し、AF情報、色情報を利用する「iFCL(intelligent Focus Color Luminas)測光システム」を組み込んだ。19点のAFフレームに対し、どのAFフレームで被写体を捉えても、その測光エリアに適切にウェイトがかけられる。構図に関わらず、主被写体と背景の露出バランスを最適化するという。測光モードとしては、従来と同じく「評価測光」、「部分測光」、「スポット測光」、「中央部重点平均測光」から選択が可能だ。

 ライブビューは顔優先ライブモードに対応。独自の電子先幕シャッター方式による静音モードもEOS 50D同様に利用できる。

24pや60pでのHD動画記録が可能

 EOS 50Dになかった動画記録にも対応する。EOS DIGITALでは、EOS 5D Mark II、EOS Kiss X3に次ぐ搭載となる。引き続き「EOSムービー」の名称で訴求するという。圧縮方式は従来と同様にMPEG-4 AVC。音声はリニアPCM。

 記録解像度およびフレームレートは、1,920×1,080ピクセルが30p・25p・24p。1,280×720ピクセルが60p・50p。640×480ピクセルが60p・50pとなっている。24p、25p、60p、50pは今までのEOSムービーになかったフレームレート。また、音声サンプリング周波数が44.1kHzから48kHzになった。

 また、ファームウェアップデート後のEOS 5D Mark IIと同様、動画記録でのマニュアル露出にも対応。内蔵マイクでの簡易録音(モノラル)に加え、3.5mmステレオミニジャック経由での外部マイク接続も利用できる。

 また、EOS DIGITAL初の電子水準器を搭載。水平および前後の2軸に対応し、ライブビュー撮影時、ファインダー撮影時、動画記録時のすべてで利用できる。撮影待機中にも表示が可能で、三脚設定時に傾きを見る目安になる。

動画解像度の設定 デュアルアクシス水準器表示

内蔵ストロボにトランスミッター機能を搭載

 内蔵ストロボにトランスミッター機能を内包したのもトピック。これまでEOS DIGITALでは、外部クリップオンストロボによるワイヤレスライティングを行なう際、マスターとなるスピードライトトランスミッター「ST-E2」や、クリップオンストロボ上級機の「スピードライト580EX II」をホットシューに装着する必要があった。EOS 7Dでは、内蔵ストロボがトランスミッター機能を有し、本体のみでの多灯制御が可能になった。

内蔵ストロボ機能設定。テスト発光機能もある

 内蔵ストロボの照射角は15mm(35mm判換算で24mm相当)をカバー。これまでは17mmだった。キットレンズEF-S 15-85mm F3.5-5.6 IS USMの広角端で、ケラレることなくストロボ撮影ができる。

 シャッターユニットも新しくなった。物理的な接触面がない非接触式ロータリーマグネットを採用。EOS 5D Mark IIのシャッターユニットから基本構造を継承すると同時に、EOS-1D/1Ds系と同等のパーツを採用し、15万回のシャッター耐久回数をクリアする。なおEOS 50Dは10万回となっている。

 ちなみに、シャッター音についても見直しを図り、「金属的でキレのある、鋭いレリーズ音を実現した」としている。シャッターユニットの部材やミラーバウンド抑制機構を見直すと同時に、モーターやギアの駆動音も遮音。不快な音を遮断したという。また、スロットカバーにも緩衝材を入れることで、開閉時の音を抑制している。

いままでにない多彩なカスタマイズ性能

 ボタンレイアウトはEOS 50Dから大きく変化した。まず、メインスイッチを背面左上に配置。EOS 50Dではサブ電子ダイヤル左下にあり、サブ電子ダイヤルのロック機構と一体になっていた。ロック機構そのものは引き続き利用できる。またEOS 7Dでは、ファインダー右横にライブビュー/動画撮影専用スイッチを搭載。EOS 5D Mark IIやEOS Kiss X3にはない操作系で、レバーでライブビューと動画撮影を切り替えておき、ボタンを押すことでそれぞれの表示または記録が始まる。

 ボディ下部にあったメニュー系ボタンは、液晶モニター左側に移った。EOS 30D時代に戻ったことになる。同時に多くのボタンがサイズアップ。さらに操作系ボタンを中心に外装面から突出させることで、手袋をしたままでの撮影が容易になったという。ボタンの大型化にともない、アイコンをボタンに直接印刷したのも特徴。従来はボタンの右上などにプリントしていた。

操作ボタンカスタマイズ シャッターボタン半押し時の設定

 ファインダー左にワンタッチRAW+JPEGボタンを新搭載。押すたびにJPEG→JPEG+RAW、RAW→JPEG+RAWなどへと切り替える。EOS DIGITALでは初めての機能となる。さらにシャッターボタン付近には、新たに「マルチファンクション(M-Fn)ボタン」を搭載した。FEロック、ワンタッチRAW+JPEG、デュアルアクシス電子水準器のいずれかを割り当てておき、瞬時に切り替えられる。

 背面液晶モニターでのクイック設定画面(情報表示)についても、ファインダー左に専用ボタンを設けることで使い勝手に配慮。EOS 50Dはマルチコントーラーの中央押しだった。また、クイック設定画面からも入れる「C.FN IV:操作・その他 操作部材への機能割り当て変更」では、シャッター、AF-ON、AEロック、絞り込み、レンズ、マルチファンクション、セットの各ボタンや、電子ダイヤル、サブ電子ダイヤル、マルチコントローラーといったほとんどの操作部材に別の機能を割当てられるようになった。これもEOS DIGITALとして初の機能で、従来より大胆な操作カスタマイズが可能になる。

防塵防滴ボディを採用

 バッテリーには、EOS 5D Mark IIと同じリチウムイオン充電池のLP-E6を採用。CIPA規格準拠の撮影可能コマ数は、ファインダー撮影時で約800コマ(常温)、約750コマ(低温)。ライブビュー撮影時で約220コマ(常温)、約210コマ(低温)。

 専用のバッテリーグリープ「BG-E7」(2万1,000円)も発売する。LP-E6を2つ装備可能で、バッテリーマガジンにより単3電池の使用も行なえる。本体に縦位置操作用のAEロック、測距点選択、AFスタートボタンなどを搭載。防塵防滴構造となっている。

 ボディは防塵防滴構造で、外装はマグネシウム合金製。電池室、メモリーカードスロットカバー開閉部、各種操作ボタン周りなどにシーリング部品を採用。外装カバーの高精度段差合わせ構造や、グリップラバーの密着構造などにより、EOS 50Dを超える防塵防滴性能を実現したという。

 モードダイヤルにはアルミリング板や金属ボールを採用。サブ電子ダイヤルもアルミ製になっている。グリップも新設計となり、力のかかる部分のラバーを厚くするなど、グリップ感の向上や手の疲労を軽減したという。従来のキヤノン中級機はラバー厚が均等だった。

 本体サイズは148.2×73.5×110.7mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約820g。EOS 50Dとほぼ同じ本体サイズながら、EOS 5D Mark II(約810g)とほぼ同等の本体重量になっている。

 付属アプリケーションは、「Digital Photo Professional 3.7」、「ZoomBrowser EX 6.4.1」、「EOS Utility 2.7」、「Picture Style Editor 1.6」など。このうちEOS Utilityでは、PCからのリモートライブビュー撮影時に外部ストロボの調光が可能になるほか、ミラーアップ撮影に対応する。またZoomBrowser EXは60fpsで記録した動画の再生が可能。

主な仕様
  EOS 7D EOS 50D EOS Kiss X3
発売時期 2009年
10月上旬
2008年
9月27日
2009年
4月24日
実勢(予想)価格
※ボディのみ
19万円前後 12万円前後 9万円前後
撮像素子 方式 CMOSイメージセンサー
サイズ 22.3×14.9mm 22.2×14.8mm
有効画素数 約1,800万 約1,510万
有効撮影画角 約1.6倍
最高感度(拡張設定) ISO12800
センサークリーニング
映像エンジン DIGIC4×2 DIGIC4×1
ライブビュー
EOSムービー 最大解像度 1,920×1080 1,920×1080
フレームレート
(最大解像度時)
30p/25p/24p 20fps
ファインダー 視野率 約100% 約95%
倍率 約1.0倍 約0.95倍 約0.87倍
アイポイント 約22mm 約19mm
位相差AF測距点 19点 9点
シャッター最高速 1/8,000秒 1/4,000秒
連続撮影速度 約8コマ/秒 約6.3コマ/秒 約3.4コマ/秒
液晶モニター サイズ 3型
ドット数 約92万ドット
本体サイズ 148.2mm 145.5mm 128.8mm
奥行き 73.5mm 73.5mm 61.9mm
高さ 110.7mm 107.8mm 97.5mm
重量(本体のみ) 約820g 約730g 約480g

【2009年9月3日】写真を追加しました
【2009年9月2日】誤って記述したレンズ名(EF-S 17-85mm F4-5.6 IS USM)をEF-S 15-85mm F3.5-5.6 IS USMに修正しました。
【2009年9月1日】発表会での情報にあわせ、発売日を10月上旬から10月2日に改めました

(本誌:折本幸治)

2009/9/1 14:16


デジカメ Watch ホームページ
・記事の情報は執筆時または掲載時のものであり、現状では異なる可能性があります。
・記事の内容につき、個別にご回答することはいたしかねます。
・記事、写真、図表などの著作権は著作者に帰属します。無断転用・転載は著作権法違反となります。必要な場合はこのページ自身にリンクをお張りください。業務関係でご利用の場合は別途お問い合わせください。

Copyright © 2016 Impress Corporation. All rights reserved.