特別企画
長根広和がセレクトする「鉄道写真に欠かせないRFレンズ」
役立つ5製品の購入優先度を紹介!
2023年4月21日 08:00
鉄道撮影は撮影地の制約が多いためズームレンズが必須だ。ここではRFレンズの豊富なラインアップの中から、私が必携と考える5本のレンズを紹介する。
一度にすべてをそろえるのは大変な面もあるので、購入優先度を参考に1本ずつレンズをそろえてほしい。
※本企画は『デジタルカメラマガジン2023年5月号』より抜粋・再構成したものになります。
RF15-35mm F2.8 L IS USM
購入優先度: ★★★★ ☆
風景を余すところなく写し撮る超広角15mm
超広角レンズは風景を肉眼よりもダイナミックに表現ができるため欠かせない。心に響いた雲や花、木々などを中心としたワイドな構図にすることで、見た目以上の感動を相手に伝えることができる。
画角だけでなく、自身の作品の幅を広げてくれる存在だ。広く写すだけでなく、被写体に近づくことで迫力を増す効果も得られる。
それぞれの効果を高めるためにはワイド端での撮影が多くなるのだが、鉄道撮影は列車を画面の隅の方に置くことが多く、画面周辺部の描写が重要となる。
本レンズはその要求をしっかりと受け止めてくれる。RFのラインアップには、「RF14-35mm F4 L IS USM」という小型な超広角ズームもあり悩ましいところではあるのだが、シャッター速度が重要となる鉄道撮影においては、開放F2.8の明るさに軍配が上がる。
RF24-70mm F2.8 L IS USM
購入優先度: ★★★★★
列車の細部まで精緻に描く 優れた描写力で標準域を担う
標準ズームで利便性を考えると「RF24-105mm F4 L IS USM」を思い浮かべる人が多いと思うが、じっくりと撮影するならば何よりも描写力が素晴らしい本レンズの出番となる。編成写真の基本は標準域での撮影なのだが、画面左右いっぱいに列車を入れるので、レンズ性能が先頭車両細部の描写に強く関わってくるからだ。
また、F2.8というアドバンテージは、暗いシーンでの撮影に助かるのはもちろん、前ボケ撮影で自分好みのボケ味の選択肢につながるメリットがある。F4ではなくF2.8レンズを選択する恩恵は想像以上に大きいのだ。
RF70-200mm F2.8 L IS USM
購入優先度: ★★★★★
多くの鉄道シーンにハマる憧れの望遠白レンズ
鉄道撮影において最も使用頻度が高く、鉄道ファンの誰しもが憧れるのが開放F2.8を誇る本レンズだ。編成写真から鉄道風景写真まで、70-200mmという焦点距離は多くのシーンをカバーしてくれるため、鉄道には必須と言っても過言ではない。
EFレンズでは、レンズの重さや大きさを考えてF4通しのいわゆる小三元レンズを選択することもあったが、F2.8ながらこのコンパクトさを実現した本レンズは絶対に持っておきたい1本と言える。
カメラの高感度性能と開放F2.8の明るさを合わせて、夜間の走行シーンでも撮影できる幅が広がるのもうれしいポイントだ。
RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
購入優先度: ★★★ ☆☆
アップでの撮影や広大な風景をカバーする5倍ズーム
多くの鉄道撮影は70-200mmでほぼ対応できるが、車両をメインとした撮影や北海道のような広大な風景の前では超望遠域が必要になってくる。
本レンズは、風景よりも車両寄りの撮影がやや多い人におすすめの1本だ。F2.8シリーズに比べると開放F値が暗いが、カメラの高感度性能がかなり進化しているので、ISO感度を上げて対応すれば問題にならない。
1.4、2倍のエクステンダーも用意されており、最大1,000mmまでをカバーできる。ボディ内IS搭載のEOSで使用すれば1,000mmでも手持ち撮影が気軽にできるのが驚きであり喜びだ。