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富士フイルムの“高画素フラッグシップ”「FUJIFILM X-H2」

同時発表の新レンズ「XF56mmF1.2 R WR」「GF20-35mmF4 R WR」も

富士フイルムが9月29日に発売するミラーレスカメラ「FUJIFILM X-H2」の実機画像をお届けする。本稿に掲載する画像は、9月10日・11日に開催する「FUJIFILM Xフェス in 六本木」の事前内覧会にて撮影したもので、同イベントの来場者はタッチ&トライコーナーにて実機を触ることができる。

あわせて、X-H2と同日に発売するXシリーズ用の交換レンズ「フジノンレンズ XF56mmF1.2 R WR」と、GFXシリーズ用の「フジノンレンズ GF20-35mmF4 R WR」の画像も掲載する。

高画素フラッグシップの「X-H2」

FUJIFILM X-H2は、高画素を意味する“HR”を名に付した「X-Trans CMOS 5 HR」センサーを搭載するミラーレスカメラ。“高速フラッグシップ”モデルの「X-H2S」と同じく、第5世代となる新開発センサーだが、X-H2は有効約4,020万画素の“高画素フラッグシップ”に位置づけられる(X-H2Sは有効約2,616万画素)。店頭予想価格(税込)はボディ単体が26万円前後、「XF16-80mmF4 R OIS WR」のレンズキットが33万円前後。

ボディデザインはX-H2Sとすべて同じ。各種ボタンの素材からグリップの形状までを踏襲し、両フラッグシップ機の“使い心地”を統一した(同社はダブルフラッグシップと表現)。そのうえで、ユーザーには“高速”か、もしくは“高画素”かを選択してほしいという。外観上の両機の違いは、前面および背面のロゴ部分のみとなっている。

FUJIFILM X-H2。肩の部分に“S”の文字がないのが判別ポイント
FUJIFILM X-H2S

外形寸法は136.3×92.9×84.6mm。重量は約660g(バッテリー、カード含む)、約579g(本体のみ)。寸法および重量においてもX-H2Sと同じとなっている。

冷却用ファン「FAN-001」や、バッテリーグリップ「VG-XH」「FT-XH」といったオプションアイテムも共用できる。

グリップの形状もX-H2Sと統一したことで、同等の使用感が得られるという
EVFは0.8倍・576万ドット
バリアングルモニター(162万ドット)を搭載
天面の各種操作部もX-H2Sと共通
記録メディアはCFexpress Type BカードとSDカード
USB Type-C、HDMI Type A、3.5mmステレオミニジャック(マイク用)、3.5mmステレオミニジャック(ヘッドホン用)、2.5mmリモートレリーズ端子を備える
バッテリーも「NP-W235」で共通

「X-Trans CMOS 5 HS」は裏面照射型を採用した撮像素子。Xシリーズで初めて採用した画素ピッチ3.04μmで、約4,000万画素の“高解像”を実現したという。一方、X-H2Sに搭載した同じく第5世代の「X-Trans CMOS 5 HS」は積層型を採用しており、下層の転送回路に配置したADコンバーターにより、最高40コマ/秒の連写や、4K120Pの動画記録といった“高速撮影”に対応している。

電子シャッター時のシャッター速度は最高1/180,000秒。これにより、例えば電球が破裂する様子や、水がはじける様子などを精細に描写できるとしている。なお、X-H2Sは電子シャッター時で最高1/32,000秒だった。

Xシリーズで初めて「スムーススキンエフェクト」を搭載。カメラ内で被写体の肌を自動で補正する機能となっており、OFF・弱・強の3段階から選択できる。

最大で7.0段分の補正効果が得られるボディ内手ブレ補正機構(5軸)を搭載。補正段数はX-H2Sと同じだが、センサーの画素と画素の間隔が狭い分、開発においてはより精度の高い制御技術が必要になるのだという。

「ピクセルシフトマルチショット」もXシリーズでは初めて搭載される。この機能に対応済みのGFXシリーズに搭載するベイヤー配列のセンサーと比較して、X-Trans CMOSセンサーはRGBの配列が異なる。そのため、すべての画素にRGBを揃えるのに5回の撮影が必要。それを半画素ずつずらして4回撮影。計20枚(5回×4回)の撮影データをソフトで合成することで、約1億6,000万画素のDNGデータが得られる。なお、ベイヤー配列のセンサーは計16枚(4回×4回)の撮影データで約4億画素のデータを生成できる。

動画撮影機能としては、8K 30p 4:2:2: 10bitの記録に対応した。「4K HQ」モードでは、8Kデータから“高品質”な4Kデータを生成する。

Xシリーズ用「XF56mmF1.2 R WR」

「XF56mmF1.2 R」(2014年発売)の後継機となる単焦点レンズ。希望小売価格は税込16万1,700円。

56mm F1.2というスペックを持つレンズとしては“第2弾”になるが、多少の変更を加えたというわけではなく、光学設計をイチからやり直しているという。4,000万画素を生かすべく設計としたほか、最短撮影距離を約50cm(従来モデルは70cm)に短縮した点が特徴としている

鏡筒にはフォーカスリングと絞りリングが搭載されている

従来モデル「XF56mmF1.2 R」と並べてみると、新型の方がサイズが大きくなっていることがわかる。新型の最大径×全長は約79.4×76mm、重量は約445g、フィルター径は67mm。従来モデルの最大径×全長は約73.2×69.7mm、重量は約405g、フィルター径は62mm。

従来モデル「XF56mmF1.2 R」(右)と比較した様子
X-H2に装着した様子。右は付属のフードを装着

GFXシリーズ用「GF20-35mmF4 R WR」

ラージフォーマットのセンサーを搭載するGFXシリーズ用の広角ズームレンズ。希望小売価格は税込40万3,700円。

同社は、本レンズを小型・軽量化できた理由は光学設計にあると説明。レンズの配置をシンメトリー(左右対称)にしたことで、効率よく収差を補正することができたのだそうだ。

GFX100Sに装着した様子。右は付属のフードを装着
【実機で解説】富士フイルム X-H2 & XF56mmF1.2 R WR(デジカメ Watch Channel)
本誌:宮本義朗