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ライカM11

5年ぶりに一新されたM型ライカ 外観比較とメニュー画面を掲載

ライカカメラ社が1月21日に発売するレンジファインダーカメラ「ライカM11」の外観とメニュー画面の写真をお届けする。ファームウェアが最終ではない状態とのことで、製品版では細部が変更となる可能性もある。ブラック(アルミ外装)とシルバー(真鍮外装)の2色展開のうち、今回はブラックをメインに撮影した。

外観

外観は、一見してM型ライカのどの機種なのか判別が難しいほど、伝統的なスタイリングを保っている。ライカM(Typ240)やライカM10を使ってきた人であれば、軽くなったブラックカラーを手にした瞬間に「軽い!」と驚くはずだが、外観で見分けるにはホットシュー部分の「LEICA M11」という刻印が最もわかりやすいかもしれない。

ライカM11とライカM10の比較(シルバー)
よく見るとトップカバーの形状が結構違う
付属のシューカバーは樹脂製。ホットシューは奥に外付けEVFとの通信用端子がある
ベース感度がISO 64になったため、ISO感度ダイヤルにも「64」が加わった
アルミ製のトップカバーには耐傷性のあるペイントを施している。マットな質感で、サラサラとした感触
背面モニター部にはゴリラガラスを採用。より映り込みを抑えるコーティングとなった。写真は白いLEDライトを当てたところ
参考:ライカM10の背面。3.0型のモニターがトップカバーとベースプレート部分に食い込んでいる。ライカM11は2.95型となりシェル部分の幅に収まった

背面操作部は、近年のライカカメラに共通するシンプルさ。削除ボタンもない。アクセスランプは背面左手側のMENUボタン下から、背面右手側の十字キー付近に移動。ファインダー接眼部の下にあった輝度センサーは接眼部の右側に移動している。

背面左側はボタンが3つ。ライカM10シリーズと同じだが並び順が異なる
サムホイールと方向キーの組み合わせは従来通り。サムホイールがプッシュ操作に対応したのが新しい
シャッターボタンわきに増えたボタンは、カメラ前面にあったフォーカスボタンが移動してきたもの

底面は従来と明確な違いがある。ベースプレートがなくなり、USB Type-C端子が備わった。これによりUSB充電・給電やiOS端末との有線接続が可能になった。

ライカM11の底面
底面のレバーを操作すると、少しだけバッテリーが飛び出る
飛び出たバッテリーを少し押し戻すと、ロックが外れて抜き取れるようになる
SDカードスロットが備わる。ライカM11では新たに64GBの内蔵メモリーも搭載
参考:ライカM10の底面。ベースプレートを外し、バッテリーを抜いたところ
【速報】ライカM11を触ってきました。デジカメ Watch記者の実機レポート

ライカM11では測光をCMOSセンサーのみで行うように変更されたため、マウント内部に違いが見られる。測光方法は変わったが、2段式シャッターボタンによる「AEロック/露出計作動→レリーズ」の撮影操作に変更はない。

マウント内部の測光センサーがなくなった
幕面反射を利用しなくなったため、シャッター幕も黒一色
距離計のコロなどには違いが見られない
参考:ライカM11(左)はマウント内部がかなりすっきりしており、ライカM10(右)と比べると差は明らか。あんなレンズやこんなレンズを付けたい人(※自己責任)は夢が広がるかも?

付属品

バッテリーチャージャーとバッテリー
バッテリーチャージャーもUSB Type-C端子を採用
iOS端末と有線接続するための「Leica FOTOS」ケーブル
ライカM11とLeica FOTOSアプリを有線接続するための専用品で、カメラの充電などには使えない

ビゾフレックス2

別売の外付けEVF「ライカ ビゾフレックス2」を装着した。ライブビューを背面モニターに表示した状態で接眼すると、アイセンサーにより自動的に表示先がEVFへ切り替わる。スクエアな形状が外付けEVFとしては新鮮。たっぷりとしたサイズのおかげか、接眼光学系の品位も高そうな印象だった。

ライカM10世代のビゾフレックス(Typ 020)との主な違いは、GPS機能を省略した点、金属外装になった点、約236万ドット→約370万ドットに高解像度化した点。上90度までチルトできる点は共通。

ライカM11に装着したところ

メニュー画面

MENUボタンを1回押すと、まず情報表示の画面が出てくる。下部に並んだアイコンをタッチすると、その項目の設定画面に遷移する。背面モニターの高解像度化もあり、日本語表示がキレイになったと感じる。

MENUボタンをさらにもう1回押すと、メインメニューの1ページ目が表示され、押すごとに2ページ目、3ページ目と進んでいく。近年のデジタルカメラではメニュー画面が50ページを超える機種もある中で、全5ページというメニュー構成は圧倒的に少ない。

ドライブモード
ISO感度は64-50000を選択可能
装着レンズの焦点距離に応じた自動制御も可能
ライカM11の特徴のひとつ。RAWデータの記録サイズを60MP/36MP/18MPから選べるため、高解像度が必要なければ1,800万画素機の感覚でも使えるという
JPEGも記録解像度を選択可能。“RAWは18MPで同時記録JPEGは60MP”といった設定は不可
測光方式。どれを選んでもCMOSセンサーを使った測光になるため、カメラの電源をオンにするとシャッターは開きっぱなしとなる
最高1/16,000秒の電子シャッター撮影に対応
SDカードと内蔵メモリーの振り分け設定。デュアルスロット的にも使えるという
通信関係の設定
Bluetooth機能も内蔵(2022年後半のアップデートで利用可能に)
アップルのMFi認証
再生画面のメニュー。わかりやすい日本語になった
6bitコードがないレンズを使う場合に扱う項目
新搭載の「レンズリスト」で所有レンズにチェックを入れておくと、レンズ交換時にリストから探す手間が軽減される
トリ・エルマーは引き続き焦点距離ごとに要選択
Rレンズも同様のリストを用意
本誌:鈴木誠