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キヤノンEOS-1D X Mark III

高速連写と「スマートコントローラー」を動画でチェック

キヤノンが2月中旬に発売するフラッグシップ一眼レフカメラ「EOS-1D X Mark III」。その試作機の外観やメニュー画面を中心にお届けする。最大の特徴である高速連写については、記事内に動画で掲載した。プロによる実写レビューは、製品版の完成を待って実施予定だ。

本機は35mmフルサイズ約2,010万画素の新開発CMOSセンサーを搭載。新エンジンDIGIC Xも含め、多数の新開発デバイスを搭載しているのがポイントだ。光学ファインダー撮影時の連写速度は、クイックリターンミラーを動かしながら最高約16コマ/秒。ライブビュー撮影時には、メカ/電子シャッターのどちらを選んでも最高約20コマ/秒のAF/AE追従連写が可能。ここではMF・マニュアル露出でシャッターを切り、クイックリターンミラーやメカシャッターの動作も見てみた。

高速連写ミラーレスカメラの代表選手「ソニーα9」の秒間20コマ連写が電子技術的なロマンとすれば、本機の高速連写には"国産カメラのお家芸"を感じるメカニカルなロマンがあると思う。筆者自身は日頃の撮影で"シングルAF・中央1点・単写"しか使わないため完全に持てあますが、それも関係なく「スゴイ」と魅力を感じる。

このメカ連写サウンドの迫力たるや相当なもので、編集部で一瞬でもシャッターを切ろうものなら「何事か?」と周囲の視線が集まるほど。しかし、今回は完全電子シャッターによる静かなライブビュー撮影も可能なため、見ようによってはミラーレスカメラと一眼レフカメラのいいとこ取りが実現しているともいえる。ちなみにEOS-1D X Mark IIIの直販価格は税込88万円だ。

「EF70-200mm F2.8L IS III USM」を装着。

同じく2月中旬発売予定の新アクセサリーに、「ワイヤレスファイルトランスミッターWFT-E9B」(希望小売価格税別8万円)がある。5GHz対応で最大約270Mbpsと高速な無線LAN転送を実現するもので、取り付け部の堅牢なつくりと入念なシーリングにも、プロ用機材らしい風格がある。

新操作部「スマートコントローラー」

AF-ONボタンの表面には、光学式マウスと同じ仕組みで指の動きを読み取る「スマートコントローラー」が新搭載された。EOS Rの「マルチファンクションバー」とは仕組みも機能も異なり、測距点や画像表示位置のスムーズな変更を目的としている。

横位置撮影時のスマートコントローラー。
縦位置撮影時のAF-ONボタンにも、同様にスマートコントローラーが備わる。

このスマートコントローラーは模様を読み取る仕組みのため、手袋をしたままでも使えるのが特徴。本機では従来機との併用を考慮してスティック状のマルチコントローラーも残っているが、慣れるとスマートコントローラーのほうがタイムラグなく操作できて便利かもしれない。実際に手袋で操作する様子を撮影してみた。

模様を読み取る仕組みのため、手袋を装着したままでも使えた。

メニュー画面など

本誌:鈴木誠