イベントレポート

プリントを1,000倍楽しむ! with Canon PIXUS PRO-100S セミナー・体験会(講師 泉谷玄作さん)

10月28日、神保町にあるインプレスセミナールームにて「プリントを1,000倍楽しむ! with Canon PIXUS PROシリーズ セミナー・体験会」が開催された。

講師を務めたのは写真家の泉谷玄作さん。泉谷さんは、花火や風景、水環境の作品を熱心に撮影しており、中でも長年取材をつづけている日本全国の花火写真では世界的に有名な写真家だ。花火に関連した著作物も多く執筆しており、当サイト・デジカメ Watchが所属するインプレスからも『夜の絶景写真 花火編』(2017年7月14日・刊)を出している。

講師の泉谷玄作さん

1人1台のPIXUS PRO-100Sと潤沢な純正プリント用紙

用意されたプリンターはキヤノンの「PIXUS PRO-100S」。8色染料インクのプロフェッショナル向けA3ノビ対応のインクジェットプリンターである。参加者ごとにそれぞれ1台が準備されていた。

交換インクも十分に用意されていた。

プリント用紙に関しても、キヤノン写真用紙「光沢プロ・プラチナグレード」、キヤノン写真用紙「微粒面光沢・ラスター」、キヤノン写真用紙「プレミアムマット」の3種類が用意されていた。

今回は特に泉谷さんから用紙についての詳細な説明があったので先んじて紹介しておこう。

「光沢プロ・プラチナグレードは光沢があり原色が鮮やかに表現できるプリント用紙です。スッキリとした高級感で、写真を見せるのに向いていて花火や風景はもちろん、写真の分野を問わず全般的に使える用紙だといえるでしょう」

「微粒面光沢・ラスターはその名の通り反射が少ない半光沢のプリント用紙です。落ち着いた雰囲気がありますので額装に向いています。暖かさや優しさがあり、花火や風景の他に、ポートレートや建物などの写真表現に向いています」

「いわゆるテカリのないマット用紙ですが、キヤノンのプレミアムマットは、つとに発色がよく高い高級感を有しているのが特徴です。花火や風景、インテリア向けのプリントに向いていて、特に暖かさや懐かしさを表現してくれます」

そんな3種類の純正プリント用紙。今回は、泉谷さんのはからいでA3ノビ(48.3×32.9cm)も準備されたことに注目して欲しい。

大サイズのA3ノビ用紙が用意されたのは、当セミナーでも初めてのこと。A3ノビ対応プリンターであるPIXUS PRO-100Sも、いよいよその本領を発揮できるというものである。

泉谷さんの作品をプリントしてみる

このセミナーの参加者は、初めて自分でプリントをするという人が多い。そこで今回は、はじめに「泉谷さんの作品をプリントしてみる」こととなった。泉谷さんの画像データは、あらかじめ参加者用に用意されたパソコンに3種類が保存されており、それらを泉谷さんの指示通りにプリントしてみるという運びだ。

画像の閲覧、表示、選択に使われたアプリケーションは、キヤノン純正の「Digital Photo Professional」だ。

用意されていた3つの画像データには、プリント用紙の種類がそれぞれ指定されていた。例えば聖礼花(ピンク・青色・黄色で構成された花火作品)の写真には光沢プロ・プラチナグレードを、墨田川花火大会の写真には微粒面・ラスターを、水面に流れる桜の花びらの写真にはプレミアムマットを、といった具合。

キヤノンの純正プラグインソフト「Print Studio Pro」(Proシリーズプリンター用のプラグインソフト)の設定の仕方なども泉谷さんから説明があり、参加者の皆さんはさっそくプリントに取り掛かっていた。

効果的なプリントの方法を学ぶ

泉谷さんの3作品を、それぞれ異なる種類の用紙にプリントした訳であるが、参加者の方々にそうした手間を踏んでもらったことには、もちろん理由がある。

実はこれらの作品データ、プリント用紙の種類にあった作品を、あらかじめ泉谷さんが選び出し、さらにはそれぞれのプリント用紙に最適となるよう画像調整を施していたのである。

「プリントは、コンテストへの応募や写真展の展示など、いろいろな人に見てもらうことを目的として行います。そのためには写真にあった用紙を選び、写真にあった画像の調整が必要になります。逆を言えば、プリントをすることで撮影に始まる写真の基本が分かるようになるといってもよいでしょう」と泉谷さん。

そして泉谷さんは「明るさ」「ホワイトバランス」「コントラスト」「色彩」「構図」の5点をプリントのポイントとして指摘。

例えば、先ほどの泉谷さんの作品にあった聖礼花の写真では「聖礼花はパステルカラーが特徴の花火ですので、ピンク色、明るい青白、黄色、白色などがありますが、この場合ホワイトバランスの調整で色彩の鮮やかさが決定します。同じように、私が花火図鑑などに写真を寄稿する場合などでは、花火を作成した職人の意図にかなうよう、厳密なホワイトバランス調整を欠かしません」ということになるそうだ。

泉谷さんは、他にも自身の作品を例にとって、詳細に効果的なプリントのポイントを教えてくれたのだった。

そうはいっても、微妙な色彩やコントラストの調整は初心者には難しい。

そこで今回、泉谷さんが参加者にオススメしたのが、Print Studio Proに搭載された「パターン印刷」機能を活用する方法だった。この「パターン印刷」は、明るさや色合い、コントラストの値を少しずつ変えたサムネイルを、1枚のプリント用紙に一覧で印刷する機能。一部分を拡大した画像がちょっとずつ異なった色調でプリントされるので、自分の意図に合った色調を簡単に見つけることができる。

なるほど、「これなら自分にも簡単に思った通りのプリントができそう!」である。

自身の作品をプリントしてみる

泉谷さんの作品で最初のプリントを実践し、泉谷さんからプリントする時のポイントを聞いたところで、いよいよ参加者自身のプリントが始まった。

参加者自身の画像データも、あらかじめ用意されたPCにインストールされているため、後はDigital Photo Professionalで好きな画像を選び、Print Studio Proでプリントの設定をするだけだ。

セミナー開始前に、参加者から「なるべくたくさんプリントしてみたいのですけど大丈夫ですか?」という質問がちらほらあったが、プリントスピードの速いPIXUS PRO-100Sのおかげで、そうした心配も杞憂だった。

皆さん時間の限り、自身の画像を変え、用紙を変え、パターン印刷からのチョイスを変え、プリントを楽しんでいた。

参加者がプリントをしている間、泉谷さんは会場をつぶさに見て回り、多く寄せられる個々の質問によく応えていた。

今回は、泉谷さんが講師ということもあって、花火や水辺の写真撮影に熱心な参加者が多く集まったことも印象的だった。

A3ノビのプリントに挑戦

ここまでA4サイズの用紙へのプリントで進んできたが、いよいよ本日のハイライトともいうべきA3ノビサイズでのプリントに突入。泉谷さんのプリント方法をよく聞き、A4サイズでプリントする画像を選び、用紙を選び、調整を完了した参加者から、順次自由に大きなプリントの開始というわけである。

ドキドキでプリント開始のボタンを押し、徐々に進むプリントを見守る参加者。

プリントが速いのに静かなPIXUS PRO-100Sの性能を感じながら、静かに見守る。

「出てきた、あと少し、おお!」といった感想を代弁したい。大きなプリントを待っている間のドキドキ感には何にも代えがたい楽しさがある。ちなみに、ほとんどの参加者は、A4サイズより大きなプリントをするのは初めて、とのことだった。

セミナーの合間、今回、A3ノビのプリント体験をセッティングした意味を泉谷さんに質問してみたが、答えは「大きくすることでこれまで見えなかった自分の写真や調整の粗が細かいところまで見えてくることがあります。でも、何よりも大きくプリントするという楽しさを知ってもらいたいというのが一番ですね」とのことだった。

それは、A3ノビプリントが始まったときの会場の盛り上がる雰囲気から察して、十分に伝わっているようだった。

みんなで見て学ぶ、泉谷さんによるプリント講評会

それぞれにA3ノビのプリントが出来あがった後は、参加者全員で作品を見せ合いながら泉谷さんからに講評してもらう時間が設けられた。

撮影のタイミングが限られ、輝度差が大きく、色の表現が難しい花火の写真を撮り続けてきた泉谷さんだからこそ、参加者ひとりひとりの作品に対する講評は親身かつ適切だった。泉谷さんの言葉は、初めて大判サイズのプリントに挑戦した人にとっても大きな励みとなったに違いない。

好評の途中では、プリント用紙の地色の大切さと色の出し方、プリントした作品を額装して飾る楽しみ、またその際に選べるマットや縁の種類や効果についても説明があった。

「私は40年以上、花火を始めとした写真をフィルムで撮り続け、写真展や書籍で発表してきました。したがってフィルムでの写真表現が身に沁みついているのですが、そんな私であってもPIXUS PRO-100Sでプリントした写真表現には感動を覚えます。今日体験したプリントは、作品として人に見てもらうのに十分な仕上がりになったことはお分かりいただけたことでしょう。ぜひこれからも、撮った写真はどんどん丁寧にプリントし、額に入れた状態で人に見てもらう喜びを知ってもらいたいと思います」という泉谷さんの言葉で、セミナー体験会は締めくくられたのだった。

参加者の声

松田正悟さん

1年位前にデジタルカメラを購入して写真を始めました。のめり込んでいくうちに、モニターでみるだけでなく、ちゃんと自分で決めた色で大きなプリントをしてみたいという欲求が高くなったので今回のセミナーに参加しました。

PIXUS PRO-100Sに興味を持っていたところなのでちょうどよかったです。希望通りA3ノビのプリントを綺麗に出せたので満足できました。プリンターを買ったら、ポートレートを撮影した後で相手にプレゼントしたいなと思います。

玉木大道さん

趣味の銀塩写真をラボでプリントしてもらうことから、プリント自体にも興味をもつようになり参加しました。

まずはインクジェットプリンターで、ここまで綺麗に写真をプリントできることに驚きです。A4サイズでも立体感や空気感がとても綺麗で驚きましたが、サイズをA3ノビにすると赤ちゃんの優しい肌の質感まで繊細に表現されていたので、またまた驚きました。泉谷先生に教えていただいた、紙の選び方やパターン印刷の方法がとても役に立ちましたので、自分でプリンターを購入したらもっと色々な紙を使って楽しみたいと思います。

山本有美さん

電車で旅をして写真を撮るのが好きです。今日プリントした写真は鉄道写真の講座で教えてもらいながら撮影した思い出の写真ですので、飾るために大きくプリントしたいと考えていました。

自分でプリントするのは今日が初めてで、プリント用紙にも色々な種類があること、それぞれの用紙にあわせた調整の仕方があることを教えてもらい、とても新鮮でした。

今日は色々悩みながらたくさんのプリントをしましたけれど、最終的には微粒面光沢ラスターを使ったA3ノビサイズのプリントが一番気に入りました。プリントって楽しいですね。

杉本聖子さん

プリントは初心者ですけど、納得のできるプリントを自分でしてみたいと思い、セミナーに参加しました。

初めは不安でしたが、出てきたプリントが予想以上に綺麗なのでびっくりしました。PIXUS PRO-100Sのような高性能プリンターなら、自宅でも思った通りにプリントができることが分かってよかったです。

置き場所を確保したら、PIXUS PRO-100SかPIXUS PRO-10Sのどちらかを手に入れたいと思います。あと、花火が好きなので、泉谷先生のように綺麗な花火の写真を撮って、その写真を綺麗にプリントできるようになりたいと思いました。

水橋洋平さん

今日のセミナーで泉谷先生がホワイトバランスの大切さをお話されていましたが、自分の写真はひとつひとつがバラバラだなと思い反省しました。まずはそこを勉強できたので、本当にためになりました。

花火の写真が好きなので泉谷先生のお話を聞きたくてセミナーに応募したのですが、周りにすごい方が多くて躊躇ってしまいました(笑)。自分は機材も好きで色々なレンズで写真を撮っていますが、15年くらい前にインクジェットプリンターでの写真表現に挑戦した時は、正直、そのころの機材では納得できませんでした。でも、PIXUS PRO-100Sを使ったらどの写真も解像感が高く綺麗だったので驚きです。

今日は3種類のプリント用紙を試させてもらいましたけど、キヤノンのプリンターを手に入れたら、もっと多くの種類でホワイトバランスの出方や解像感の違いを試してみたいと思います。

岡広樹さん

花火と花火の写真が好きで、今日は何としても憧れの泉谷先生のセミナーを受けたくて参加しました。最近は錦冠(にしきかむろ:花火の作品名)の色をプリントで思ったように出せずに悩んでいて、とにかくホワイトバランスをどう調整して色を出すかを知りたかったのですが、今日、泉谷先生のお話を直に聴いて糸口がつかめたように思います。なるほどそうか! という思いです。

そして、ちゃんとした色を出すためにはPIXUS PRO-100Sのような高性能なプリンターが必要ということも分かりました。泉谷先生の今日のご指導と体験会があったことに本当に感謝しています。ありがとうございました。

曽根原昇

(そねはら のぼる)信州大学大学院修了後に映像制作会社を経てフォトグラファーとして独立。2010年に関東に活動の場を移し雑誌・情報誌などの撮影を中心にカメラ誌等で執筆もしている。写真展に「イスタンブルの壁のなか」(オリンパスギャラリー)など。