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1億200万画素の新フラッグシップ「FUJIFILM GFX100 II」…連写速度の向上・シリーズ初のAI被写体検出
2023年9月12日 19:07
富士フイルムは、ラージフォーマットセンサーを搭載したミラーレスカメラ「FUJIFILM GFX100 II」を9月28日に発売する。価格はオープン。店頭予想価格は税込127万500円前後。
1億200万画素センサーを採用する「GFX100シリーズ」の新モデル。従来モデル(GFX100/GFX100S)から、イメージセンサーを新開発の「GFX 102MP CMOS II HS」に刷新。画像処理エンジンにはXシリーズ第5世代としてX-H2S/X-H2/X-T5でも採用された「X-Processor 5」を搭載した。GFX100との比較で最大2倍の信号読み出し速度を実現するという、GFXシリーズのフラッグシップに位置づけられるモデルとなっている。
静止画撮影性能
GFXシリーズとして初となる、ディープラーニング技術を用いたAIによる被写体検出AFを搭載。動物・鳥・車・バイク・自転車・飛行機・電車・昆虫・ドローンの認識に対応する。ピントを合わせたままの被写体追従に対応するため撮影時には構図に集中できるほか、従来機より進化したAF予測アルゴリズムにより、高い動体追従性が求められるスポーツ撮影にも対応するとしている。
AFアルゴリズムの改良により、顔・瞳AFも向上した。
常用ISO感度は、ISO 80~12800(拡張ISO 40~102400)。従来モデルでは常用感度の下限がISO 100だったところ、イメージセンサーの画素構造の改良による飽和電子数の向上でISO 80に拡大。より広いダイナミックレンジ・低ノイズでの撮影が可能という。
連写速度は最大8.0コマ/秒(メカシャッター)。先述したイメージセンサーや画像処理エンジンの刷新のほか、バッファメモリの増強により短いインターバルでの高速連写に対応。従来のGFXシリーズで難しかったスポーツ分野にも生かせるモデルとしている。従来モデルは約5.0コマ/秒に対応していた。
5軸のボディ内手ブレ補正は、補正効果が8.0段分に向上した。従来モデルはGFX100が5.5段分、GFX100Sが6.0段分となっていた。
新イメージセンサー「GFX 102MP CMOS II HS」は、マイクロレンズの改良で縁部の光の利用効率が向上。これによりレンズ周辺部の画質やAF精度が従来モデルよりも向上しているという。
新しいフィルムシミュレーションとして「REALA ACE」が搭載された。同モードの特徴について、「忠実な色再現性とメリハリのある階調表現を併せ持つ」としている。このほか、全20種類のフィルムシミュレーションを搭載している。
約4億画素の画像を生成する「ピクセルシフトマルチショット」も利用できる。
撮影時には、画像にIPTCメタデータを付加できる。同社アプリケーション「FUJIFILM XApp」でのメタデータの確認・編集に対応する。
動画撮影性能
8K/30p記録への対応はGFXシリーズ初。4K/60p 4:2:2 10bitのカメラ内カード記録にも対応する。ダイナミックレンジを14+stopに広げた「F-Log2」にもGFXシリーズで初めて対応した。
Apple ProResコーデックは、「Apple ProRes 422 HQ」「Apple ProRes 422」「Apple ProRes 422 LT」の3種類に対応。Apple ProRes 422 Proxyなどのプロキシ撮影も可能としている。
HDMI経由での動画RAWデータ出力に対応(最大8K/30p 12bit)。ATOMOS社製モニター「NINJA V+」でApple ProRes RAW、Blackmagic Design社製モニター「Video Assist 12G」でBlackmagic RAWを記録できる。
動画撮影時の常用ISO感度はISO 100~12800(拡張ISO 25600)。静止画撮影時と同様、従来モデルでは常用感度の下限値がISO 200だったところから拡張された。また、イメージセンサーの高速化やローリングシャッター歪みの抑制により、動きのある被写体でも違和感なく撮影できるとしている。
動画撮影時のトラッキングAF機能を搭載(AF-C+ワイド/トラッキングAF)。追従する被写体をタッチで指定すると、画角内に複数の被写体が入るシーンでも指定した被写体を捕捉し続けるという。
「動画フォーマット」モードを新たに搭載した。マウントアダプターを介して装着した「Premista」「35mmフォーマットレンズ」「アナモフィックレンズ(35mmフォーマット)」の3種のレンズに対して、最適なフォーマットを選択して撮影できるとしている。
外観・その他
外観デザインは、GFX100の縦位置グリップ部を排したようなデザインとなっている。別売の専用アクセサリーとして、縦位置バッテリーグリップ「VG-GFX II」(店頭予想価格:税込7万9,200円)を用意。
グリップ部には、新テクスチャー「BISHAMON-TEX」を採用してグリップ力を強化。天面は撮影者側に向かって傾斜しており、最小限の視線移動で撮影情報を確認できるように配慮した。天面のサブ液晶は従来モデルよりも大型化したほか、UIの刷新により視認性が向上している。
EVFは944万ドットで、ファインダー倍率は1.0倍。瞳の位置ずれにより発生する像流れや歪みを抑制。表示フレームレートは、約120fpsのブーストモードを備える。
カメラ本体には、USB Type-C端子を搭載。外付けSSDへの外部記録にも対応する。そのほか、HDMI Type A、Ethernetポートも搭載している。
Adobeが提供するクラウドサービス「Frame.io Camera to Cloud」に対応。撮影データを直接Frame.ioのクラウドにアップロードできるため、ポストプロダクションのワークフローを大幅に短縮できるという。
記録メディアスロットは、CFexpress Type B/SDカードのデュアルタイプ。
バッテリーはEP-W235。静止画撮影可能枚数は約540枚(ノーマルモード)。
外形寸法は152.4×117.4×98.6mm。バッテリー・カードを含む質量は、EVF装着時で約1,030g、未装着時で約948g。