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富士フイルム開催「GFX100 II」体験会レポート
新フィルムシミュレーション「REALA ACE」での実写画像あり
2023年9月15日 14:07
富士フイルムは9月14日、デジタルカメラの新モデル「FUJIFILM GFX100 II」などのプロ向け体験会を東京・原宿で開催した。ここではその模様をお伝えする。
GFX100 IIは、9月12日に発表されたラージフォーマットのミラーレスカメラ。GFXシリーズの新フラッグシップ機で、9月28日に発売する。ボディの店頭予想価格は、127万500円前後となっている(価格表記は税込。以下同)。
体験会は事前予約制で、プロサービス会員や写真館関係者などが対象。同社ではプロフォトグラファーを本機のメイン想定ユーザーとしており、今回はプロ限定での体験会として実施したという。
当日はスタートの10時前には入場の列ができていたとのこと。会場内も多くの来場者で賑わっており、高価なカメラではあるがプロユーザーの注目度の高さを感じた。
GFX100 IIのほかには、新レンズとなる「GF55mmF1.7 R WR」、「GF30mmF5.6 T/S」、「GF110mmF5.6 T/S Macro」の展示もあった。個別の詳細は関連記事を参照されたい。
GFX100 II
前モデルのGFX100からイメージセンサー、画像処理エンジン、EVF、ボディデザインなどを刷新した”1億画素機”(有効1億200万画素)。広告写真や風景写真、文化財のアーカイブなどには特に適するとしている。
グリップの滑り止めを改良したり、肩の液晶パネル部分を手前に傾斜させるなど使い勝手の向上も図っている。
今回、オプションのアダプターを挟むことでEVFをチルトできるようになった。また、Xシリーズ用だった冷却ファンも装着可能となっている。
さらに、外付けSSDに直接写真と動画を記録できるようになった。メモリーカードよりも容量当たりのコストを抑えられるほか、PCに繋げばすぐに動画の編集に移れるなどのメリットがある。
GFX100 IIの「REALA ACE」を実写でチェック
撮影体験コーナーではポートレート撮影を試すことができ、データも持ち帰り可能だった。
ピントはAF-Cで瞳AFに設定すれば追従してくれるので、シャッタータイミングに集中できる。35mmカメラとほぼ同じ感覚で撮影できた。
JPEG撮って出しの画像を2点掲載する。フィルムシミュレーションは共にREALA ACE。モデルからは1.5-2mほど離れて撮影しているが、等倍で見ると瞳にきちんとピントが来ておりコンタクトレンズの模様がわかるほど解像力も高い。
REALA ACEは彩度がおとなしい自然な発色で、血色の良い人肌が再現されていた。加えてコントラストが適度に付くようで、黒い髪やジャケットの締まり具合が美しい描写になっていた。
このようにスタジオポートレートにも好適なフィルムシミュレーションだが、今後XシリーズにもREALA ACEが展開されればスナップ撮影などでも映えそうなフィルムシミュレーションになるのではと思った。
GFX100 IIは、新イメージセンサーによるダナミックレンジの広さも売りとなっている。作例ではジャケットの暗部も結構ディテールが残ってる。一方、あえて写り込ませたバックライトはディフューザー部分は白トビしているが、グリッド部分はギリギリまで粘っており、突然白飛びするような嫌な飛び方ではないように感じた。
GF55mmF1.7 R WR
GF55mmF1.7 R WRも9月28日に発売される新レンズ。35mm判換算で44mm相当になる標準域のモデルとなっている。希望小売価格は40万2,600円。
F1.7と大口径なことから重さは約780gあるが、GFX100 IIのグリップ形状や滑り止めのパターン改良によりボディとのバランスも良く、手持ちでもさほど重さを感じずに(短時間ではあるが)撮影できた。