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アドビ、「Premiere Pro」最新ベータ版を公開 「文字起こしベースの編集」強化など

Premiere Proの「文字起こしベースの編集」で、フィラーワードを識別するようになった

アドビは9月13日、ビデオ関連ソフトのベータ版を発表。現地時間9月15日にアムステルダムで開幕する国際放送機器展「IBC2023」でも展示予定で、公式サイトからもダウンロードできる。

「Adobe Premiere Pro」「Adobe After Effects」「Frame.io」のベータ版をリリース。作業の自動化、スピーディーなアイデアの具現化、ワークフローの強化といった、生産性向上のための機能が含まれているという。

一般提供は今週以降を予定している。

ここでは「Adobe Premiere Pro」「Frame.io」ベータ版の新機能を取り上げる。

Adobe Premiere Pro(ベータ版)

スピーチを強調

AIを使って音声の質を向上。背景のノイズを削除し、録音状態が悪い会話でも、プロスタジオで録音されたかのようにするという。

クリップを「会話」「ミュージック」「効果音」「環境音」に分類する新しい「オーディオタイプの自動タグ付け」機能も新搭載。分類済みのオーディオクリップをクリックすると、そのタイプに応じて最も関連性の高いツールが自動的に表示されるという。

「文字起こしベースの編集」を強化

「文字起こしベースの編集」に、会話に含まれる「あの」や「えーと」といった、フィラーワードを自動的に識別する機能を追加。フィラーワードに加えて無音の間や不要な言葉を一括処理で削除できるようになった。

パフォーマンスの最適化

タイムラインのパフォーマンスが5倍向上。より高速な編集が可能になるという。

互換性のないプラグインを検索してシステムパフォーマンスを最適化するもの。

また、プロジェクトの「自動復元」機能を使えば、問題発生時に中断したところから作業を再開できる。

カラー処理

自動トーンマッピングに3つのトーンマッピング手法を追加。また、Lumetriカラーパネル上のUIを再編成。LUTの管理と再リンクも強化した。

ビューアガンマの設定も新しくなり、期待通りのカラーでQuickTime Playerに表示させられるようになるという。

その他

新規プロジェクトをすばやく立ち上げるのに便利なプロジェクトテンプレート、書き出し時のカスタム保存先の保持、メタデータとタイムコードバーンインエフェクトの追加、マーカーのバッチ選択などを追加。プロのビデオクリエイターのコミュニティから強く要望されていたものだという。

Frame.ioの新機能

Frame.io Storage Connect

Frame.ioから軽量なプロキシを経由してAWS S3ストレージに直接アクセスできる。Frame.ioエンタープライズ版のユーザーへの提供が今年後半より始まるとのこと。

比較ビューアー

レビューおよび承認ツールを一新。「comparison viewer」により、動画、オーディオ、写真、デザインファイル、PDFアセットを並べて表示できるようになった。Frame.ioとCreative Cloudのすべてのユーザーは、同じタイプのアセットを2つ並べて比較しながらコメントや注釈を追加できる。

Camera to Cloud

Atomos「Ninja」「Ninja Ultra」、富士フイルム「GFX100 II」、Accsoon「SeeMo」「SeeMo Pro」がCamera to Cloudに対応。

本誌:折本幸治