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富士フイルム、税別約70万円になった1億画素機第2弾「GFX100S」

内部機構を刷新 GFXシリーズ中最も小型に

GF50mmF3.5 R LM WRを装着したGFX100S

富士フイルムは、有効約1億200万画素の大型センサーを搭載するミラーレスカメラ「FUJIFILM GFX100S」を2月下旬に発売する。価格はオープン。店頭予想価格は69万9,000円前後(税別)。

GFX100の画質性能を継承しながらも内部機構を刷新して小型化

43.8×32.9mmの大型センサーを採用するGFXシリーズに属する機種で、GFX100(2019年6月発売)と同じ、有効約1億200万画素ベイヤータイプの裏面照射型CMOSセンサーを搭載。高画素ながら広いダイナミックレンジをいかした階調再現や低ノイズ性能を実現しているという。画像処理エンジンもX-Processor 4でGFX100と同じ。

GFX100では縦位置グリップ一体型の正方形に近いボディ形状を採用していたが、GFX100Sでは、GFX 50Sを想起させるボディデザインを採用。外形寸法自体(数字はおおよそ)も150×104×87mmとなっており、GFX 50Sのサイズ(147.5×113.8×91.4mm[最薄部41.6mm]。EVF装着時の数値)とほぼ同等かそれ以下の大きさに抑えこまれている。

参考:GFX100
参考:GFX 50S

このダウンサイズ実現の背景について、同社は各デバイスの小型化と配置の最適化によるものだと説明。筐体にはマグネシウム合金が用いられているが、特に負荷のかかりやすいマウント部周辺に厚みをもたせるなど、様々な調整を施すことで剛性と軽量設計の両立を実現しているのだという。これにより長期間の使用にも耐える強度を確保しながらも、質量約900gを実現(GFX 50Sは約825g[バッテリー・メモリーカードを含む]。同条件時のGFX100は約1,320g)したと説明している。

AFは像面位相差に対応。位相差画素を全面に配置(カバー率約100%)したセンサーとX-Processor 4により精度と高速性を実現したとしており、アルゴリズムを刷新した動体予測や顔・瞳検出により、動体や人物の補足性能も向上しているという。

このほか、ボディ内手ブレ補正機構も引き続き搭載。補正効果は最大6.0段分に向上しているという(GFX100の手ブレ補正機構は5.5段だった)。本モデルではセンサーの支持構造自体を変更するなどして機構を刷新。GFX100に搭載していたものから、体積で約20%、質量にして約10%の小型化を達成しているという。このほか、振動検出精度の向上やジャイロセンサーの刷新、加速度センサーの採用、シャッター機構自体の刷新(微振動を抑制する内部構造を採用。小型化も実現しているという)したことなど、各デバイス・技術の複合的な効果によって補正段数の向上を実現しているのだという。

EVFは0.5型の369万ドット表示。倍率は0.77倍で、アイポイントは23mmとなっている。GFX 50Rと同等性能となっているという。

バッテリーは、X-T4で新たに採用したNP-W235を使用する。撮影可能枚数は、背面モニター使用時で約460枚。EVF使用時では430枚となっている(ブーストモード時は背面モニターで400枚、EVFで320枚)。

操作系

ボディ天面の操作系は、モードダイヤルを中心としたインターフェースに刷新。GFX100・GFX 50系のどちらとも違う操作系となっている。このモードダイヤル採用について、同社では多くのカメラ製品で使用されている操作系であることをふまえ、使い慣れたインターフェースだと説明。また、6つのカスタムポジションを登録できる仕様で、任意の設定を登録することでスムーズに撮影にあたることができるとしている。

このモードダイヤルの前方には静止画モードと動画モードの切替スイッチを配置。右肩部には1.8型のサブモニターを設置。シャッタースピードや絞り、感度、露出補正の値などの主要な情報に加えて、機能アイコンや撮影残枚数・残撮影時間の確認に利用できるとしている(カスタマイズも可能)。

このほかフォーカスレバー形状も刷新。従来のスティック型からフラットな形状に変更し、長時間の使用でも痛みを感じにくく、また意図した場所へ直感的に移動できるようになっているという。

背面モニターは3.2型の約236万ドット表示。上90度、下45度、右60度の3方向チルト操作に対応するほか、タッチ操作も可能となっている。

新フィルムシミュレーションを搭載

フィルムシミュレーションは既存の18種類に加えて、新たに「ノスタルジックネガ」を搭載。1970年代の「アメリカンニューカラー」の代表作を想起させる色再現で調整しているとしており、柔らかい階調と高い彩度が得られる画づくりとなっているという。また、ハイライト部を柔らかくアンバーよりの描写で再現する一方で、シャドウ部ではディテールを残したまま色のノリも維持している点も特徴だとしている。

同画面では4K 30pに対応。カメラ内記録で4K 30p 4:2:0 10bitに対応。HDMI経由では4K 30pの4:2:2 10bit出力にも対応するほか、ATOMOSのHDMIフィールドモニター/レコーダー「NINJA V」を用いることでApple ProRes RAW記録も可能となっているという。

アクセサリー

ボディの小型化にあわせて、ハンドグリップ「MHG-GFX S」もラインアップしている。底面にアルカスイス互換形状を採用している。希望小売価格は2万2,000円(税別)。

本誌:宮澤孝周