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ボディ単体49.5万円の大型センサー機「FUJIFILM GFX50S II」。9月29日発売

手ブレ補正機構を搭載 EVFは固定式に

富士フイルムは、43.8×32.9mmの大型センサーを搭載したミラーレスカメラ「FUJIFILM GFX50S II」を9月29日に発売する。ボディ単体のほかレンズキット(GF35-70mmF4.5-5.6 WRが同梱される)をラインアップしており、価格はそれぞれオープン。店頭予想価格(税込)はボディが49万5,000円前後、レンズキットは54万8,900円前後。

2017年2月に登場したGFXシリーズのファーストモデル「FUJIFILM GFX 50S」(発売時の店頭予想価格は税別80万円前後)の後継と位置づけられる機種。有効約5,140万画素の大型センサーはGFX 50Sを踏襲しながらも、画像処理エンジンをX-Processor 4にアップデート。AFの方式はコントラスト式を踏襲しているが、画像処理エンジンの刷新に伴いアルゴリズムの調整が施されている。外観デザインは有効約1億200万画素の同大型センサーを搭載するGFX100Sに寄せたものとなっており、5軸対応・最大6.5段分の補正効果が得られる手ブレ補正機構を搭載。また、バッテリーも従来モデルよりも容量の大きい「NP-W235」になった。

概要と特徴

ボディデザインがGFX100Sに準じたものとなったことに伴い、撮影モードの選択がモードダイヤル式(カスタムポジションは6つ登録できる)になった。このほか、フォーカスレバーがスティック形状から平型の幅が広めのデザインとなり、また静止画と動画の独立切替スイッチを備えるなど、ボタン類を含めたインターフェースも同モデルの操作系に準じたものとなった。

GFX50S II
GFX100S
GFX 50S

ボディ内手ブレ補正機構(IBIS)を搭載しながらも、各種デバイスの配置を最適化することで質量約900gに軽量化(GFX 50SはEVFを装着し、バッテリー・メモリーカードを装着した状態で約920gだった)。また高さ約104×奥行約87mmと、サイズおよび質量はGFX100Sと同等となっている(GFX 50SはEVF装着時で幅147.5×高さ113.8×奥行91.4mmだった)。

またIBISの補正効果段数は、GFX100Sでは6.0段分とされていたが、本モデルでは0.5段分強化されて、6.5段に進化している(数値はいずれもGF63mmF2.8 R WR装着時)。

背面モニターは3.2型の3方向チルト対応式。ボディ天面にはシャッタースピードや絞り値、ISO感度や露出補正量などの設定状態を確認できる1.80型のサブモニターを備えている。

このほか、ボディはマグネシウム合金を採用。特に負荷のかかりやすいマウント周辺部に厚みをもたせることで、重量のあるレンズの装着にも配慮。また防塵・防滴と-10度の耐低温構造を採用。シーリングはGFX100S同様60カ所に施しているという。

GFX 50Sからの変更点を整理

従来モデルからの主な変更点を整理した。

主な変更点

・外観デザインが変更。GFX100Sに準じたインターフェースとなった
・画像処理エンジンがX-Processor ProからX-Processor 4に変更された
・画像処理エンジンの刷新に伴いアルゴリズムが調整された
・ボディ内手ブレ補正機構が搭載された
・バッテリーがNP-T125からNP-W235に変更された

デジタルアーカイブ用途にも対応

GFX100およびGFX100Sと同じく「ピクセルシフトマルチショット」機能が搭載されている。

本機能はボディ内手ブレ補正機構を利用して、イメージセンサーを1画素ずつシフトさせて4カットを撮影し、RGB各色の正確な色情報を取得。さらにこの動作を0.5画素ずつシフトさせながら4回繰り返すことで、画素を微細化し4倍の解像度を実現する(1回のレリーズで4カット×4動作=16枚の画像を取得)というもの。GFX100およびGFX100Sでは約4億画素相当の画像生成できるとして話題を呼んだが、本機では約2億画素相当の画像が生成できるとしている。

同社では本機もまた、美術品や建築物などのデジタルアーカイブ用途に最適なモデルだと説明している。

外観

主な仕様

センサー

有効約5,140万画素・43.8×32.9mmベイヤーCMOSセンサー

画像処理エンジン

X-Processor 4

手ブレ補正機構

センサーシフト方式5軸補正・6.5段(GF63mmF2.8 R WR装着時)

シャッター

メカニカルシャッター:最高1/4,000秒
電子シャッター:最高1/16,000秒

連写速度

CH設定時:約3.0コマ/秒

EVF

0.5型有機ELファインダー・約369万ドット(倍率:0.77倍・アイポイント:約23mm)

背面モニター

3.2型3方向チルト式タッチパネル付きTFT(約236万ドット)

記録メディア

SD/SDHC/SDXCカード(UHS-I対応/UHS-II対応/ビデオスピードクラスV90対応)

動画記録

最大フルHD 30p(連続最大120分まで)

外部端子

USB Type-C、HDMIマイクロ端子(タイプD)、3.5mmステレオミニジャック(マイク用、ヘッドホン用各1)、2.5mmリモートレリーズ端子

無線

Bluetooth Ver. 4.2(Bluetooth low energy)

バッテリー

NP-W235

撮影可能枚数

静止画:約455枚(ノーマルモード・オートパワーセーブONかつGF63mmF2.8 R WR使用時)
動画:約140分(フルHD 30p・顔検出オフ時)

外形寸法

W150.0×H104.2×D87.2mm

質量

約900g(バッテリー・メモリーカード込)

本誌:宮澤孝周