ニュース

パナソニック、マイクロフォーサーズ最上位機「LUMIX GH6」。ボディ26.3万円

新センサー+新エンジン搭載 ハイレゾモードは1億画素に

パナソニックは、ミラーレスカメラ「LUMIX GH6」を3月25日に発売する。価格はオープン。店頭予想価格はボディ単体(DC-GH6)が税込26万3,000円前後、LEICA DG 12-60mmレンズが付属するレンズキット(DC-GH6L)が税込33万7,000円前後。

2021年5月の「LUMIX GH5II」発売発表と同時に、開発中であることがアナウンスされた機種。具体的な発売日や詳細仕様が明らかになった。

LUMIXのマイクロフォーサーズ機の中でも、特に動画機能の充実を特徴とするGHシリーズの最新機種。現行製品であるGH5シリーズの上位機種としてラインナップに加わり、2ラインで併売される。GH6は全部入りのハイエンドという位置付けとなり、求める機能と価格帯によってGH6、GH5II、GH5S、BGH1の4機種から選べるようになった。

新センサー+新エンジンを搭載

イメージセンサーは、新開発の有効約2,521万画素Live MOSセンサー。光学ローパスフィルターレス、最大300fpsのセンサー読み出し、ローリングシャッター歪みの抑制といった特徴を持つ。AFはコントラスト検出式(DFD+315点コントラスト)。手ブレ補正(B.I.S)効果は5軸6.5段(GH5II)から7.5段に向上している。

静止画撮影では、センサーシフトを使った「ハイレゾモード」に対応。従来は有効画素数が2,033万画素だっため約8,000万画素となっていたが、GH6では約1億画素の記録が可能になる。また、三脚固定のみならず手持ちでのハイレゾモードにも対応した。三脚撮影時はセンサーシフト、手持ち時は手ブレによるカメラの動きを利用して、それぞれ画素ずらしを行う。

画像処理エンジンのヴィーナスエンジンも、新世代のものを搭載している。処理速度は35mmフルサイズ機の「LUMIX S1H」比で2倍としており、画質やAF性能も向上したという。またこれにより、HDMI2.1、USB3.2 Gen 2、CFexpressといった次世代インターフェースにも対応した。

新開発の有効約2,520万画素Live MOSセンサーを採用
新世代ヴィーナスエンジンに刷新

ダイナミックレンジを拡大する「ダイナミックレンジブースト」

通常撮影時は12+ストップというダイナミックレンジが、本機能を利用すると13+ストップに拡大。35mmフルサイズ機に近い印象の映像になるという。使用には条件があり、60fps以下の撮影のみで利用可能、ベース感度が800もしくは2000に上がるという制約があるものの、明らかな画質向上があるとして訴求している。

仕組みは、単一露光でISO感度の異なる2種類の画像を取得し、1画素ごとに合成するというもの。従来からパナソニック機には「デュアルネイティブISO」という機能があるが、デュアルネイティブISOでは1画素ごとに低感度・高感度の2つの回路をスイッチングして記録していたのに対し、ダイナミックレンジブーストでは、2つの回路からの信号を同時に記録し、1画素ごとに合成処理を行うという。

動画記録モードの拡充

新たに5.7K 60p、C4K 120p、Apple ProRes 422 HQなど記録モードを一新。ビットレートが向上したほか、多くのモードでクロップレスと10bit記録に対応したという。発売後のファームウェアアップデートでさらなる拡充も予定。記録メディアはCFexpress Type B×1/SD×1の2スロット構成とした。

また、ハイフレームレート撮影の全モードが10-bitに対応し、グレーディング耐性を向上。GHシリーズで初めて、内蔵・外部マイクのどちらも24bit音声記録が可能になっている。

現場仕様の「チルトフリーアングルモニター」採用

ボディサイズは縦横がGH5シリーズとほぼ同じ。グリップ部分の大型化により奥行きが増えているという。背面モニターは「チルトフリーアングルモニター」として、フリーアングル式モニターがベースの部分から持ち上がる構造となった。端子類と干渉しないための仕組みで、モニター部分の左右には放熱ファンのスリットが備わる。

チルトフリーアングルモニターのチルト機構
フリーアングル機構。チルトと併用可能
側面端子

背面モニターは3.0型・約184万ドット、EVFは約368万ドットでそれぞれでGH5IIと同じ。

外形寸法は138.4×100.3×99.6mm。重量は約823g(バッテリー、SD込み)、約739g(本体のみ)。GH5IIは同約138.5×98.1×87.4mm・約727g/647g。

バッテリーは容量2,250mAhの「DMW-BLK22」。撮影可能枚数は約330枚(モニター時、CFexpress使用)、約360枚(同SDXC使用)、約750枚(省電力ファインダー撮影1秒、CFexpress使用)、約850枚(同SDXC使用)。旧GHシリーズ用のバッテリー「DMW-BLF19」も、動画記録モードに一部制約があるものの使用可能だという。

防塵防滴・耐低温-10度の仕様
【解説】ついに登場「LUMIX GH6」の進化ポイントを速攻解説。ハイブリッドの先駆け、パナソニックのマイクロフォーサーズ最上位機(デジカメ Watch Channel)
本誌:鈴木誠