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パナソニック、マイクロフォーサーズの動画フラグシップ「LUMIX GH7」
動画RAW内部記録、32bitフロート録音、Adobe Frame.io連携に対応など
2024年6月6日 10:15
パナソニックは、マイクロフォーサーズカメラ「LUMIX GH7」を7月26日(金)に発売する。価格はオープン。店頭予想価格(税込)はボディ単体が27万4,200円前後、「LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.」を同梱するレンズキットが34万7,500円前後。
2022年3月に発売した「LUMIX GH6」の後継機。LUMIX Gシリーズの静止画フラグシップが「G9PROII」であるのに対して、本機は“動画フラグシップ”であると位置づける。動画RAWデータの内部記録や音声の32bitフロート録音、Adobe Frame.ioへの接続に対応するなど、映像制作におけるワークフロー向上に貢献する機能を多く搭載した。
イメージセンサーは有効約2,520万画素の裏面照射型CMOSを採用しており、従来機のLive MOSセンサーから刷新。画像生成時に暗部・明部の画像を1つに合成して豊かな階調を得る「ダイナミックレンジブースト」機能を引き続き搭載するが、同機能利用時のベース感度が従来機のISO 2000からISO 500に拡張している。
G9PROIIと、フルサイズ機のLUMIX S5II/S5IIXに採用された像面位相差AFを本機にも搭載。それに伴いリアルタイム認識AFが向上しており、とくに動体追従、複数人数、逆光、低照度、点光源、商品紹介といった撮影シーンでの性能が進化しているという。
被写体認識AFは、従来の「人体」「動物」「車/バイク」に加えて、「列車/飛行機」を追加した。さらに「被写体の部位設定」にも対応。例えばレーシングカーを撮影する際に、ピントをドライバーのヘルメットに合わせるのか、あるいは車のフロント部に合わせるのかといった、特定部位を指定する機能となっている。
5軸ボディ内手ブレ補正は最大果7.5段分の補正効果(LEICA DG 12-60mmの望遠端)。対応レンズと協調するDual I.S.2も同じく7.5段分(G VARIO 14-140mm IIの望遠端)となっている。加えて、動画撮影時にはブーストI.S.、アクティブI.S.、E.I.S.も利用できる。
約1億画素の「手持ちハイレゾ」や、ライカの絵作りの思想を取り入れた「LEICA モノクローム」も搭載した。
動画機能では、5.7K 30p Apple ProRes 422 HQやApple ProRes RAW HQのカメラ内記録に対応(最大5.7K/60p)。CFexpress Type Bカードを利用すれば、設定条件により記録時間が無制限となる。また、低ビットレートのプロキシファイルも同時記録が可能としている。
カメラ本体でLUTを適用できる「リアルタイムLUT」機能も搭載。6月20日(木)発売のフルサイズ機「LUMIX S9」と同様に、フォトスタイルとの重ね付けや、より細かいパラメーター設定にも対応した。新スマートフォンアプリ「LUMIX Lab」とも連携可能。
音声収録については、レンズ交換式デジタルカメラとして世界初という、カメラ内への32bitフロート録音に対応した。同日に発売するXLR マイクロホンアダプター「DMW-XLR2」(税込5万5,400円前後)をカメラに装着し、外部マイクによって収音した場合に利用可能となる。
Adobeのクラウドサービス「Frame.io Camera to Cloud」への接続に対応。これにより現場で撮影しながらも、離れた場所にいる編集者に静止画/動画を転送できるようになり、制作のワークフローが向上する。そのほか、無線/有線によるライブストリーミングにも対応する。
ボディ内には空冷ファンを搭載。熱源となるイメージセンサー、画像処理エンジン、メモリーカードに対して、熱伝導率の高いグラファイトシートやTIM(サーマルインターフェースマテリアル)を配し、排熱効率を高めた。
背面モニターは3.0型・184万ドットのチルト&フリーアングル式。HDMIやUSBケーブルを接続した状態でも、干渉せずにモニターを確認できるという。
EVFは368万ドットのOELD。視野率は100%で、倍率は0.8倍(35mm判換算)。アイポイントは21mm。
メモリーカードスロットは、CFexpress Type BカードとSD UHS-IIカード(V90対応)のデュアルタイプ。
外形寸法は138.4×100.3×99.6mm。質量は約805g(バッテリー、SDカード1枚含む)。