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OMDSのフラッグシップ1号機「OM SYSTEM OM-1」3月発売。27.3万円

積層型センサー+新エンジンで高感度性能など向上

OMデジタルソリューションズは、マイクロフォーサーズシステム規格のミラーレスカメラ「OM SYSTEM OM-1」を3月に発売する。価格はオープン。店頭予想価格は税込27万3,000円前後。

※2月16日19時追記:記事初出時に「レンズキットの設定はない」と記載していましたが、一部販売店で12-100mmレンズキットの取り扱いを確認したため、該当部分を修正しました。

製品名の“OM-1は”、1972年に登場した銀塩一眼レフカメラ「OLYMPUS OM-1」に由来。それまでの一眼レフの常識(大きい、重い、シャッターの作動音、ショックが大きい)を塗り替えた歴史的なカメラのように、OM SYSTEM OM-1が“デジタルカメラの常識を塗り替える一台となる”という決意を込めた名前だとしている。

新センサー&新エンジンを搭載

有効約2,037万画素の裏面照射積層型のLive MOSセンサーを採用。受光面積が増えたことで、ダイナミックレンジの拡大と高感度性能の向上を実現したという。

画像処理エンジンは、従来比3倍の高速演算処理と新画像処理アルゴリズムを持つ「TruePic X」(エックス)。従来機種では、E-M1XがTruePic VIII×2、E-M1 Mark IIIがTruePic IXをそれぞれ搭載していた。

これらの組み合わせにより、従来モデルと比べ常用最高感度はISO 6400からISO 25600に、最大設定感度はISO 25600からISO 102400にそれぞれ向上。手ブレ補正は、レンズと協調する5軸シンクロ手ぶれ補正での最大補正能力が8段分だという(M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO使用時)。

動画記録は4K60Pに対応(従来は4K30P)。連続撮影時間の制限もなくした。新たな動画ピクチャーモードとして「HLG」を搭載している。

特殊撮影モードを「コンピュテーショナル撮影」に集約

これまでのオリンパスカメラにも搭載されていた「手持ちハイレゾショット」「ライブND」といった撮影モードを、メニュー画面の「コンピュテーショナル撮影」に集約した。

新エンジンの処理速度向上に伴い、手持ちハイレゾショットの処理時間は12秒から5秒に短縮。ライブNDの効果もND32相当からND64相当に拡大した。深度合成の処理も高速になったという。

また、比較明合成の「ライブコンポジット」は感度上限をISO 1600からISO 6400に向上。手ブレ補正に対応したことで手持ち撮影も可能とした。

背面モニターはバリアングル式

クアッドピクセルAFと「AI被写体認識AF」

AFシステムは、1,053点オールクロス像面位相差クアッドピクセルAF。クアッドピクセルAFは、イメージセンサーのフォトダイオードを4分割する構成により、縦横の両方で位相差情報を取得できるのが特徴。全画素・全撮影領域で、さまざまなパターンの被写体の測距が可能になったとしている。

AFモード
クアッドピクセルAFの概念図

インテリジェント被写体認識AFは「AI被写体認識AF」と名前を改めている。車/バイク、飛行機、鉄道、鳥に加え、新たに犬と猫の認識に対応した。

連写速度

従来はAF/AE追従で最高18コマ/秒の連写を可能としていたが、OM-1ではブラックアウトフリーで同50コマ/秒に対応。AF/AE固定では120コマ/秒の連写が可能となった。メカシャッター撮影時(ブラックアウトあり)の連写速度は最大10コマ/秒。

※18時10分追記:従来機種は18コマ/秒の連写時にブラックアウトが発生していたため、該当部分を修正しました。

シャッターボタンの全押しから遡って撮影できる「プロキャプチャー」は、連写速度が60コマ/秒から120コマ/秒に向上。記録コマ数も35コマから最大70コマに拡大した。

操作系やUIなど

EVFは576万ドットOLED(従来は236万ドット液晶)。表示遅れ0.005秒、120fpsとなった。ファインダー倍率は0.83倍。背面モニターは104万ドットから162万ドットに高解像度化している。

メニュー構成を一新。縦に並んでいたカテゴリを横に並べ、大きなカテゴリごとに色分けを行った。初めて使うユーザーにもわかりやすい構成だとしている。

なおOMデジタルソリューションズでは、OLYMPUSのブランド表記を順次OM SYSTEMに切り替えていくと発表済み。本機にはペンタ部に“OLYMPUS”のロゴが残っているが、同社ではこれを「開発哲学としての“OLYMPUS”とOM SYSTEMのダブルネーム」と表現しており、今後の機種にもOLYMPUSの文字が残るかは不明。

記録メディアと電源

ダブルSDカードスロットを搭載。両スロットともにUHS-II対応となった。

バッテリーは容量2,280mAhの「BLX-1」。撮影可能枚数は520枚(低消費電力撮影モードで約1,100枚)。カメラ本体のUSB Type-C端子を使い、モバイルバッテリーなどからの給電・充電も可能としている。

BLX-1(単品価格は税込1万3,750円)
各部にシーリングを施した。IP53防塵防滴と-10度の耐低温性能を有する

外形寸法は約134.8×91.6×72.7mm。重量は599g(充電池、メモリーカード含む)、511g(本体のみ)。

アクセサリー

パワーバッテリーホルダーHLD-10(別売。税込5万2,250円)
パワーバッテリーホルダーHLD-10の装着イメージ
ワイヤレスリモコンRM-WR1(別売。税込1万2,100円)
バッテリー充電器BCX-1(別売。税込1万7,875円)。バッテリー2個を同時に充電可能。USB PDにも対応している
カメラに付属するストラップとボディキャップ
【解説】期待の「OM SYSTEM OM-1」スペック速攻解説。“OM”の名に込められたメッセージとは? オリンパス継承のマイクロフォーサーズ最新フラッグシップ(デジカメ Watch Channel)
本誌:鈴木誠