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富士フイルム、1億画素ミラーレス「GFX100」の実機をお披露目
2019年5月23日 19:09
富士フイルムは5月23日、「GFX100」の発表会を都内で開催した。既報の通り6月下旬に発売予定で、店頭予想価格は税別122万5,000円。
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会場には16台のGFX100が用意されていた。週末に行われるユーザー向けイベントでは、GFX100以外に50Sや50Rも展示されるという。
直線基調のデザインが影響してか、手にした印象は一眼レフのプロ機よりスリム。剛性感が手に伝わってくる。真っ黒ではない独特のボディカラーも新鮮だ。
576万ドットのEVFは高精細で、像面位相差検出方式に対応したAFは、35mmカメラのそれを使っているような快適さがある。性能や価格は別格だが、使い勝手においては良い意味で35mmカメラ的な気安さがあると思う。手ブレ補正の効き具合もライブビューで実感できる。
EVFはGFX 50Sのように着脱式だが、解像度など仕様が異なる。別売のチルトアダプターは50Sと互換性があり、カメラを三脚にセットするスタジオユースなどで便利に使えそうだ。
革新的商品があれば市場が伸びる可能性はある(CEO古森氏)
古森氏は発表会冒頭で、富士フイルムのデジタルカメラにはメモリーカラー(=記憶色)を再現する画像処理技術があると説明。心に記憶する色は自然界より色鮮やかで、富士フイルムはこれを再現できる唯一の会社だと述べた。
また、同社は補完し合う2つのシステムを開発している点も特徴とする。Xシリーズは画質と小型軽量の最良バランスを提供し、GFXは最高画質と35mm判を70%上回る大きなセンサーを採用。「(35mmフルサイズシステムを展開する他社と異なり)弊社には過去のフォーマットやレンズのレガシーがない。そのためユーザーにとって何がベストかだけを純粋に考えてデザインできる」と話す。
デジタルカメラ市場全体が落ち込んでいるとの話題にも触れ、「その理由は真に革新的な商品がないから。革新的商品を紹介し続ければ、市場を伸ばす可能性はあると信じている」と語った。イメージビデオで繰り返される「NEVER STOP」の標語に示されるように、革新を継続する姿勢を取っており、GFX100もそのよい例だと強調した。
"中判"→ラージフォーマットに
発表会には、続けて富士フイルムの飯田年久氏が登壇。100メガピクセルは単に技術だけのための技術革新ではなく、風景や動物、社会的な出来事、スポーツイベントなど、将来のために記録を残せるという点に意義があると説明した。
なお同社は、GFXが採用する約44×33mmについて、同社は今後"ミディアムフォーマット"ではなく「ラージフォーマット」と呼んでいくという。
GFX100の感度は最高ISO 102400まで。ダイナミックレンジは14段。高解像度だが大きなセンサーでは各ピクセルも十分に大きくなるため、高感度ノイズに有利だとした。また、写真家からの要望で16bit RAW記録にも対応している。
また、これまでの中判デジタルカメラと異なり、AF動作の高速性なども含め機動性が高いとアピールする。クラス初搭載のボディ内手ブレ補正機構も、スタジオでも三脚不要なシーンが増えるというメリットがあると説明があった。
Xシリーズはメカニカルダイヤルの印象が強いが、GFX100ではあえてメカダイヤルをほぼなくして、動画と静止画を行き来するカメラとしての使い勝手を優先したという。
ポートレート向けに、撮って出し納品の可能性を広げる「スムーススキンエフェクト」を新搭載。長い年月をかけて開発した機能で、いわゆる美肌モードと異なり"効いているかわからないぐらいの効果"だという。