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富士フイルム、GFX100の「ピクセルシフトマルチショット」で日本写真学会「技術賞」を受賞

「ピクセルシフトマルチショット」を搭載するカメラのひとつ「FUJIFILM GFX100」

富士フイルムは3月18日、ラージフォーマットセンサーを搭載したミラーレスカメラ「FUJIFILM GFX100」および「GFX100S」で最高約4億画素の画像を生成できる機能「ピクセルシフトマルチショット」の開発に関して、令和3年度日本写真学会学会賞の「技術賞」を受賞したと発表した。

日本写真学会「技術賞」は、日本の写真業界および写真関連分野における科学技術の進歩・発展に貢献した会員に贈られるもの。同技術は、おもに美術品や建築物といった文化財のデジタルアーカイブ用途に向けた機能として発表・実装されたものだが、その開発意図どおりの評価を獲得したことになる。

受賞したのは以下の3名。
・田中康一氏(富士フイルム株式会社 光学・電子映像事業部 光学・電子映像商品開発センター)
・楠本修也氏(富士フイルム株式会社 光学・電子映像事業部 光学・電子映像商品開発センター)
・水澤哲也氏(富士フイルムソフトウエア株式会社 ソフトウェア開発本部 光電ソリューショングループ)

ピクセルシフトマルチショットは、イメージセンサーを超高精度にシフトさせながら1回のシャッターで16枚の画像を取得することで、画素を微細化して4倍の解像度が得られるという機能。取得した画像を専用ソフトウェア「Pixel Shift Combiner」で1枚のRAWファイルに合成し、約4億画素の画像を生成することができる。

イメージセンサーを1画素ずつシフトさせて4枚の画像を撮影
上記の動作を0.5画素ずつシフトさせながら4回繰り返す(1回のシャッターで16枚の画像を取得)。画素を微細化し4倍の解像度を実現

なお、同じく2021年度の日本写真学会技術賞には、「焦点距離2000mm相当での手持ち撮影を可能にする超望遠PROレンズの開発」(OMデジタルソリューションズ 村山恭二氏・細谷剛氏・田嶋智之氏)も選ばれており、2020年度は「画像処理技術による行動検知を活用したケアサポートシステムの商品化」(コニカミノルタ株式会社 新田和馬氏・一谷修司氏・将積直樹氏)および「3回屈曲魚眼光学系を用いた全天球カメラ『RICOH THETA Z1』」(株式会社リコー 佐藤裕之氏・藤屋隆明氏、リコーイメージング株式会社 鳥海裕二氏)が受賞している。

本誌:宮本義朗