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製造2台目の「ライカMP」が約1億2,300万円で落札

11月開催のLeitz Photographica Auctionにて

Leica MP black paint no.2

ライカカメラジャパン株式会社は12月4日、11月23日にウィーンで行われた「Leitz Photographica Auction」の結果について発表した。

同オークションは、旧称であるヴェストリヒト・フォトグラフィカ・オークション時代から数えて35回目。2018年に開催された第32回では、ライカの試作機"ヌル・ライカ"が約3億1,500万円(240万ユーロ)で落札され、現在でもオークションにおけるカメラの落札価格の世界記録になっているという。

今回も高額落札が相次いだとしており、100万ユーロの大台を超えたのが「Leica MP black paint no.2」(Lot.103)。東京で開催されたプレビューでも展示されていた品で、ライカが製造した史上2台目のライカMPであることがポイントとなっていた。落札価格は102万ユーロ(約1億2,300万円。手数料含む)。開始価格は20万ユーロ、推定落札価格は40万〜50万ユーロだった。

ここでいうライカMPは、1956年に発表された報道向けの特殊モデルとして知られる製品。ライカM3をベースに迅速巻き上げ用のライカビットを装着可能とし、コマ数カウンターが手動復元式になっているなどの外観上の違いがある。製造台数は412台で、うち141台がブラックペイント仕上げだという。露出計内蔵のフィルムカメラ「ライカMP」(2003年)やデジタルカメラの「ライカM-P」(2014年)とは別物。

なお、2018年に3億円超で落札された"ヌル・ライカ"と同様に、今回の落札品と同じライカMPの1台(シルバークローム)も、東京・半蔵門の日本カメラ博物館が常設展示している。

また、同オークションにおける初のトピックとして、ライカM2ブラックペイント(Lot.108)の落札金額9,000ユーロ(約100万円。手数料含む)の全額が、慈善団体である国際カリタスのオーストリア支部に寄付されたという。

そのほかの出品物と落札価格

11月初旬にライカプロフェッショナルストア東京で展示された出品物の一部と、その落札価格を紹介する。詳細はLeitz Photographica AuctionのWebサイトで参照可能。

Lot.57 スナップショットエルマー3.5cm F4。市販されなかったスナップショットエルマーはF4.5が有名だが、これはF4。開始価格は2万ユーロ、落札価格7万2,000ユーロ。
Lot.200 ニューヨークライツ製のライカ ガン ライフル。ミラーハウジングとテリート20cm F4.5を組み合わせている。開始価格10万ユーロ、落札価格26万4,000ユーロ。
Lot.41 ライカIIIc K グレー(W.H.)。寒冷地仕様で、国防軍の刻印が入っている。フィルムアパチャー部分に三角形のノッチが見える。3,840ユーロで落札(開始は2,000ユーロ)。
Lot.31 ライカ250GGレポーター。10mの長尺フィルムを使うモデル。落札予想価格は1万2,000〜1万4,000ユーロで、落札価格は9,000ユーロ。
Lot.314 コンタックスII型アイボリー。張り革と同色の速写ケースが付属する。6,000ユーロからスタートし、7,800ユーロで落札された。

本誌:鈴木誠