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ソニー、約6,100万画素のフルサイズミラーレス「α7R IV」9月に国内発売

操作部をリファイン 暗所で開放測距も可能に

ソニーは、ミラーレスカメラ「α7R IV」(ILCE-7RM4)を9月6日に国内発売する。価格はオープン。店頭予想価格は税別40万円前後。海外で先行発表されていた製品について、国内での発売予定が明らかになった。

35mmフルサイズで最多の約6,100万画素

有効約6,100万画素の35mmフルサイズ相当(35.7×23.8mm)裏面照射型CMOSセンサーを搭載するミラーレスカメラ。35mmフルサイズ機で世界初という最多画素数に加え、低感度時に約15段というダイナミックレンジの広さを特徴とする。5軸ボディ内手ブレ補正も搭載し、効果は最大で5.5段分。

感度はISO 100-32000(拡張で50-102400)。16bit画像処理で、14bit RAWの出力に対応。センサーはα7R IIIと同様に光学ローパスフィルターレス仕様。低感度および中感度域ではα7R IIIと同等の高感度・低ノイズ性能としている。

計16枚の「ピクセルシフトマルチ撮影」から2億4,080万画素を生成

手ブレ補正機構の制御でイメージセンサーを微細に動かし、複数画像を撮影・合成することで高解像を得る「ピクセルシフトマルチ撮影」を継承。

α7R IVでは従来の4枚合成(1画素分ずつずらして4枚連写)に加え、0.5画素あるいは1画素ずつずらしながら4倍の画素情報を取得する16枚合成に対応。約9億6,320万画素分の情報から、約2億4,080万画素(19,008×12,672ピクセル)の画像を生成するという。

なお、本機能の合成処理には引き続きPC上での処理が必要。カメラ内で仕上がりを確認することはできない。

最高約10コマ/秒の連写を継承。シャッターユニットを低振動化

連写速度はAF/AE追従で最高約10コマ/秒。ライブビューを見ながら撮れるモードでは最高約8コマ/秒の連写が可能。サイレント撮影時にもAF/AE追従で最高約7コマ/秒となる。

バッファメモリーを従来の1.5倍に大容量化したことで、JPEGもしくは圧縮RAWの記録時に約68枚の連続撮影が可能としている。

AF機能面では、位相差検出AFセンサーは従来の399点から567点に増加。コントラストAFは425点でα7R IIIと同じ。最新世代のリアルタイム瞳AF(人物&動物)にも対応する。

また、低照度下や絞り込んでの撮影を行う際には、「フォーカス優先」モードを選択することで、周囲の明るさに応じてAF-Cモードで開放測距を行うようになるという。

シャッターユニットはダンパーを組み込んて低振動化。レリーズ耐久は50万回とした。メカシャッターの最高速度は1/8,000秒(最高シンクロ速度1/250秒)。

シャッターユニット

動画機能

画素加算のない全画素読み出しによる4K動画記録に対応。S-Log3設定時のダイナミックレンジは14段。HDR動画用のハイブリッドログガンマにも対応する。

ソニーのデジタルカメラで初めて、動画撮影時にも瞳AF(人物)を使えるようになった。初期設定では「顔/瞳表示」がオフになっており、瞳を追随していても白枠が出ないという。

また、タッチパネル上で被写体をタッチすれば、その色や模様を分析しながら追尾するリアルタイムトラッキングも可能。

カメラ本体のマルチインターフェースシューに新しくデジタルオーディオインターフェースが追加。接点の増加や形状変更はなく、引き続きケーブルやバッテリーの接続も不要なままデジタル伝送に対応する。別売の対応アクセサリーが同時発表されている。

ショットガンマイクロフォン「ECM-B1M」(税別3万5,000円)。9月6日発売。
XLRアダプターキット「XLR-K3M」(税別6万円)。10月下旬発売。

操作部・ファインダーなど

外観イメージはα7R IIIなどと大きく変わりがない。背面から見ると、ジョイスティックの表面形状が変わっていたり、露出補正ダイヤルにロック機構(モードダイヤルと異なり、押すごとにロック/ロック解除となる仕組み)が備わっていたりと変更が見られる。

また、後ダイヤルは埋め込み式から上部に露出。指と触れる面積を増やして操作性を高めるのが目的だという。グリップ部は高さ方向に若干伸ばし、ホールド時に小指が余るというユーザーに向けて改良した。

EVFは0.5型約576万ドット。従来の約369万ドットから高解像度化している。接眼光学系はα9やα7R IIIと同じだという。ファインダー倍率は0.78倍。

背面モニターは3型約144万ドットのタッチパネル式。白画素入りで屋外でも明るいというWhite Magicパネルを採用している。

EVF接眼時に、背面モニターのタッチ操作でAF枠を動かす「タッチパッド」機能の操作レスポンスをα7R III比で約1.5倍に高速化した。

その他の新要素と仕様

カメラ本体の無線LANが5GHz帯域に対応。電波干渉が少なく繋がりやすいため、安定した高速通信が可能になるとしている。また、PCソフト「Imaging Edge Remote」を用いて、ワイヤレスのPCリモート接続に対応した。

スマートフォン転送機能は、「電源OFF時の接続」をオンにしておくことで、カメラの電源がオフになっていてもSDカード内の撮影画像をWi-Fi転送できるという。Bluetooth/NFC機能を引き続き搭載している。

オートホワイトバランスの色温度を任意のタイミングでロックできる機能を装備。カスタムホワイトバランスは、取り込み枠の位置を上下左右に動かせるようになった。

クリエイティブスタイル選択時のシャープネス設定は、従来の±3から±5まで拡大。金属描写をくっきりさせたい場合から、人物撮影で柔らかな見た目にしたい場合まで、解像感をより柔軟に調整可能になったという。

記録メディアスロットは両方ともUHS-IIに対応。今回からSDカード専用となり、メモリースティックは非対応。併せてスロットのナンバリングが上下逆転し、上部がスロット1、下部がスロット2と変更されている。

バッテリーはα9やα7 IIIシリーズと同じNP-FZ100。撮影可能枚数はファインダー使用時に約530枚、背面モニター使用時に約670枚。Micro USBおよびType-C端子からの給電により、カメラ内でバッテリー充電が可能。単体のバッテリーチャージャーも付属する。

外形寸法は128.9×96.4×77.5mm。重量は665g(記録メディア、バッテリー込み)。従来モデルのα7R IIIは同126.9×95.6×73.7mm・657g。

バッテリーが2個入る、縦位置グリップ「VG-C4EM」(税別3万8,000円)。9月6日発売。
外装にマグネシウム合金を採用。
防塵防滴のシーリングを施している。
参考:α7R III(右)との操作部比較

※7月18日19時40分:製品画像を追加しました。

本誌:鈴木誠