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4K動画・4chマイク対応になった「RICOH THETA V」

Wi-Fi転送時間を大幅短縮 Bluetooth常時接続も

リコーは、360度カメラ「RICOH THETA V」を9月下旬に発売する。価格はオープン。店頭予想価格は税別5万円台前半。本体カラーはメタリックグレーのみ。

ワンショットで全天球映像を撮影できるカメラ、RICOH THETAシリーズの最新モデル。4K解像度の360度映像記録およびライブストリーミングや、本体に搭載した4つのマイクで空間音声記録を実現したほか、Wi-Fi転送速度の高速化により静止画用途での使い勝手も高まっている。

本体サイズは既存モデルの「RICOH THETA SC」と同じ。外装素材の異なる「RICOH THETA S」は数値で比べるとわずかに小さいが、基本的に初代THETAからのサイズ感が継承されている。リコーによると、THETAは現在の360度カメラ市場において、携帯性とハイエンドユーザーも満足する性能の両立をポイントとしている。

画像処理は同社一眼レフカメラやGRの技術を融合させたといい、特に赤や青の発色に違いが見られるという。ホワイトバランスやAEアルゴリズムも見直された。

撮像素子は1/2.3型・約1,200万画素×2。感度はISO64〜1600(オート時。マニュアル時ISO3200まで。動画およびライブストリーミングはISO6400まで)。約1,400万画素相当の全天球イメージを記録する。撮影距離は10cm〜∞。

シャッタースピードは1/8秒〜1/25,000秒。マニュアルで最長60秒。内蔵メモリーは19GBで、静止画は約4,800枚、4K動画は合計約40分、2Kは合計約130分の記録が可能。動画は1回の記録時間を5分か25分に指定できる。

THETA VはメインプロセッサーにクアルコムのSnapdragonを採用。画質向上と低消費電力化を両立したという。これまでは動画記録時に2つの魚眼映像をスマートフォン側でスティッチしていたところ、RICOH THETA Vではカメラ内でのスティッチが可能になった。

また、Androidベースの端末となったことで、別途提供されるリモート再生機能などの「プラグイン」をインストールして使えるようになる。プラグインのAPIとSDKは今後デベロッパー向けに公開予定としている。

リモート再生機能は、対応するワイヤレスディスプレイアダプターなどの汎用受信機器を経由して、THETA内の静止画・動画を表示できるモード。表示画面のポインター操作は、THETA Vに新搭載されたジャイロセンサーを使ってポインター操作を行う。

ジャイロセンサーが搭載されたことで、撮影画像の水平位置を検知する天頂補正処理の精度が向上する。従来モデルでは加速度センサーを利用していた。

スマートデバイスとの接続にWi-Fi(2.4GHzと5GHzに両対応)とBluetooth常時接続を使えるようになった。ライブビュー表示のないリモートレリーズのような機能は、Bluetoothのみでの接続時にも使える。THETA Vでは「オン」と「オフ」の間に「スリープ」の状態が存在し、Bluetooth経由でスリープしているTHETA Vの電源をオンにすることもできる。

電池寿命は静止画で約300枚、動画で約80分。これまでのTHETAと同様、PCからUSB給電しながら撮影できるという。前述のスリープ状態で、約2週間(Bluetoothオンの状態なら約1週間)の待機が可能だとしている。

外形寸法は45.2×130.6×22.9mm(レンズ部除く17.9mm)。重量は約121g。

上面
底面

3Dマイクロフォンと水中ハウジングを用意

THETA V専用の「3DマイクロフォンTA-1」を用意(THETA Vと同時発売)。オーディオテクニカが開発したマイクロフォンユニットを搭載し、音楽演奏の撮影に適するとしている。本体マイクでは収録しづらいバスドラムやシンバルの音域までカバーするという。THETA Vは底面のHDMI端子を省略し、マイク入力端子を装備。TA-1は三脚ネジ穴に固定する。価格はオープン。店頭予想価格は税別3万円台前半。

3DマイクロフォンTA-1
ウインドスクリーンを付けたところ
使用イメージ。USBケーブルを繋いだまま使える構造

「水中ハウジングケースTW-1」(10月中旬発売)は、水深30mまでの撮影が可能。各ボタンをケースの外側から押せる構造になっている。ハウジング自体のレンズカバー部に水中撮影を想定したレンズパワーを持たせており、基本的には水中での撮影を想定しているという。THETA SCやTHETA Sでも使える。価格はオープン。店頭予想価格は税別2万円台前半。

水中ハウジングケースTW-1使用例

本誌:鈴木誠